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理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない
 「スプートニクの恋人」とか「かえるくん、東京を救う 」より

こちらになりました → http://sadah.hatenablog.com/

2013-04-14

[]はだかんぼうたち

はだかんぼうたち
はだかんぼうたち
posted with amazlet at 13.04.13
江國 香織
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 3,118

内容(「BOOK」データベースより)

桃*35歳独身、歯科医。6年付き合った恋人と別れ9歳下の鯖崎と交際中。響子*桃の親友。元走り屋の夫や4人の子供とせわしない日々を送る主婦。山口*60歳目前に家族を捨て響子の母・和枝と同棲。だが和枝が急死し途方に暮れる。鯖崎*桃の恋人。やがて響子にも惹かれはじめ桃にその気持ちを公言する。出逢い、触れ合ってしまう“はだかんぼう”たちは、どこへたどり着くのか。年下男性との恋。親友の恋人との逢瀬。60歳目前での同棲…。心に何もまわない男女たちを描く長編恋愛小説。


江國香織の「はだかんぼうたち」を読了した。面白かった。

最近は家族や世代が移り変わるような長大な小説が多かったから、こういう恋愛小説はひさしぶりのような気がした。懐かしいような感じ。


桃の母親が姉の陽にいろいろと文句を言う。そのあたりで「きらきらひかる」を思い出した。笑子ちゃんや睦月も、母親にいろいろ言われていたな、と思って。

医者という職業(歯医者と内科医はだいぶ違うけど)からも、連想したのかもしれない。陽のシェアハウスは、「ケイトウの赤、柳の緑」を彷彿させる。

あと60歳で突然家を出て行くというところでは、突然別れを切り出した「落下する夕方」の健吾みたい。


はだかんぼうでいる、あるいははだかんぼうになる、というのは、どんな感じなんだろう、と思った。

2013-04-06

[]SOSの猿

SOSの猿 (中公文庫)
SOSの猿 (中公文庫)
posted with amazlet at 13.04.06
伊坂 幸太郎
中央公論新社 (2012-11-22)
売り上げランキング: 13,898

内容(「BOOK」データベースより)

三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?そもそも答えは存在するの?面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成。


伊坂幸太郎の「SOSの猿」を読了した。

Amazonのレビューを見ると賛否両論だった。僕はけっこう楽しく読めた。でもちょっと中途半端な気もした。

ゴールデンスランバー」、「あるキング」、「バイバイ、ブラックバード」は、最後まで読んでもわからないことがたくさんある。でもこの作品はある程度分かるようになる。でもそれがなんだか中途半端な感じだった。

でも、十分面白かった。

気になったところをいくつか引用する。物語にはあんまり関係ないところばっかりだけど。


「山田君が、学校行かなくて、すごく楽しそうなら僕も気にしないけど、そんなに苛々して、顔色も良くないし。やっぱり、それは今のままじゃ良くないってことじゃないの?学校行くのが正しいとは思わないし、学校はつまらないかもしれないけど、とりあえず、行かなくてもいいからもっと、楽しい毎日を送りなよ」

「思いわずらうことなく、愉しく生きよ」を思い出す。僕は楽しくなかったから、環境を変えようと思い至った。それで、いまはなかなか楽しい。


「なぜなら、家族以外の第三者が、利害関係のない誰かが、『良くなりますように』と祈ることは、誰かを助けたいと思うことは、ひどいことではないはずだからだ。悪いことではない」

「効果がなくても?」

「そう。良い効果はなくても、悪い効果があるわけでもない」

よしもとばななの「ハチ公の最後の恋人」には祈る人の話があって、思い出した。

「そう?それで毎日世界中のために祈るんだけどな。」

「誰もみてないのに?」

「そういうものなんだ。そういう人たちがこの世でいかに役に立っているか知らないな。いかにたくさんいて、いかに平和を保つのに力をつくしているか。」


ハチ公の最後の恋人

ちょっとは効果はあるんじゃないかな。


「人っていうのはやっぱり、言葉にして伝えないと相手には気持ちを理解されないんです。だけど、言葉にするのを省いて、うまくコミュニケーションが取れないと、『どうして分かってくれないのか』と腹が立ったり、『きっと相手は自分をこう思っているのだ』と勝手に先回りして、怒ったり、結局、雪だるま式に関係は悪くなっていくんです」

「それ、悪魔祓いの基本書とかに載ってるの?

「いえ、離婚調停の本に載ってました」

気をつけたいな、と。


つまり、恥ずかしさは、『見放される』という恐れと結びついているのではないでしょうか。失敗をしたことを誰かに気づかれ、自分の能力を低く見積もられる。その結果、自分が仲間から見放されるのではないか、そう恐怖するのかもしれません。

失敗したとき、言い訳はしないようにしたいけど、つい言い訳したくなってしまうし、言い訳してしまうこともある。それも「見放される」ということと合わせて考えると、ちょっとわかるかも。

人が言い訳しているときって、たいてい分かる。だから自分が言い訳しても、たぶん相手はわかってる。あと、言い訳と説明の違いって、なかなか難しい。


「人を知るには三つの面があるわけ。一つ目は、外から見える様子。二つ目は、その人が説明してくれた内面の様子」

「三つ目は?」

「心のなかの景色そのもの」

「それは誰にも見えない」

見えないものを、大切にしないとね。

2013-04-03

[]マドンナ・ヴェルデ

海堂尊の「マドンナ・ヴェルデ」を読了した。ジーン・ワルツと対になる小説。

代理母出産の物語。面白いんだけど、自分が男性だからなのか、あるいは作者が男性だからなのか、いまひとつのめり込めなかった。

海堂尊は男性を描いたほうが躍動感があるのかもしれない、と思った。


マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)
海堂 尊
新潮社 (2013-02-28)
売り上げランキング: 2,463


[]バイバイ、ブラックバード

伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を読了した。

最後のほうは面白かったけど、途中はちょっと飽きちゃった。でも悪くない。5人の女性と付き合うって、どんな感じなんだろう。


バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
伊坂 幸太郎
双葉社 (2013-03-14)
売り上げランキング: 337


[]神去なあなあ日常

三浦しをんの「神去なあなあ日常」を読了した。

想像もつかない林業の話を、想像のつく形で文章にしてくれるのはうれしい。でもいまひとつ響かなかった。「舟を編む」や「風が強く吹いている」は大好きなんだけど。なにが違うんだろう。


神去なあなあ日常 (徳間文庫)
三浦しをん
徳間書店 (2012-09-07)
売り上げランキング: 6,772

2013-02-24

[]流しのしたの骨

江國香織の「流しのしたの骨」を読了した。何度も読んでるけど、ここ最近、ここ数年は読んでいなかった気がする。


江國さんの描く家族はいつもちょっと変わっている。長めの、家族の話はこの作品が最初じゃないかと思う。ちゃんと調べてないけど。

このあとの「神様のボート」、「左岸」、「抱擁、あるいはライスに塩を」では、家族という集合体が主人公のようになっている気もする。


「流しのしたの骨」では、そよちゃん、しま子ちゃん、こと子ちゃん、律くん、の4兄妹に、素敵なお父さんとお母さんがでてくる。

だれが読んでも、この家族はちょっと変わっている、と感じるんじゃないかと思う。でも自分の家族のことを考えてみると、それなりに変わっている気がする。だから、個々の出来事に共感するわけじゃないんだけど、全体としての家族に共感しちゃう。


ちょっと引用したいな、と思っても、なかなか難しい。家族の雰囲気は短い文章で語られるわけじゃなくて、もうちょっと長い流れで語られているから。

これはあとがきから。

たとえお隣でも、よそのうちは外国よりも遠い。ちがう空気が流れている。階段のきしみ方もちがう。薬箱の中身も、よく口にされる冗談も、タブーも、思い出も。

それだけで、私は興奮してしまいます。

あと、深町直人はかっこいい。


流しのしたの骨 (新潮文庫)
江國 香織
新潮社
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2013-02-03

[]ぬるい眠り

これを読むのも何回目だろう、というくらいには読んでる。たぶん、3回は読んでる気がするんだけど、もっとかな。江國香織の「ぬるい眠り」を読了した。

去年の1月に「ケイトウの赤、やなぎの緑」を読んでいた。しかも「真昼なのに昏い部屋 」や「左岸」も読んでいた。冬は江國香織を読みたくなるのか。


読み返してみると、どれも印象的な作品だった。

かわいいお父さんの「ラブ・ミー・テンダー」、恋の終わりを感じる「ぬるい眠り」、いろいろな人とゆるりと寝ている「とろとろ」、短いけど存在感のある「夜と妻と洗剤」、お葬式と鰻の「清水夫妻」、睦月と笑子ちゃんが相変わらずな「ケイトウの赤、やなぎの緑」。

この人の文章をたくさん読んできたことを思い出した。読んでいて、愉しいひとときを過ごした。


ぬるい眠り (新潮文庫)
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