エピタフ

 yetanother氏に送ったトラックバックに返信はないが、まとめとして書いておこう。

 
 yetanother氏は「最初から」「最後まで」間違っていた。それは氏が「印象操作の
具体例を引用せよ」と迫った点で。ここを見るためにまずは情報の操作的な出し方に
ついて見てゆく事にしよう。氏の誤りの論理的な原因はここにあるだろうからである。


 まず、情報の操作的な出し方のなかには「情報を出す事で誘導する」タイプがある。
有名なところで言えば「消防署の方から来た」と言うものがある。「方から」という言い
方で「消防署から来た」かのように誤認させるやり方である。これはどこに誘導的な
文言があるのかが解るものだ。つまり具体的な引用が可能な誘導のやり方なのだ。


 しかし、情報の操作的な出し方の中には「情報を隠す事で誘導する」タイプもある。
毒林檎を食べさせようとしながら「毒入り」だとは明かさないやり方である。普通なら
林檎を見ても毒入りだとは警戒しないので単に「何も言わない」だけで相手は勝手に
誤認してしまう事にもなる。そして、このやり方のポイントは「情報を隠す」点にある。
つまりはこのタイプのやり方をされた場合には「具体的な引用」なんて出来ないのだ。


 そして今回「結果的に誘導的な情報の出し方になった」と言っている件がどちらの
タイプなのかはこれまでの論旨を追っていれば解ったはずだ。明らかに後者のタイプ
である。「ユーザーカルマと泉氏の企画をより緊密に繋ぐソフト名を出さなかった」と
言うのが論旨だからだ。つまり、単純化すれば「書かれなかった事」こそ問題なのだ。
もっと言えば「書かれなかったから引用など出来ない事」が問題だったと言っている。
勿論全文の引用など引用の範囲を超えている。引用該当箇所はなくて当然だった。
加えて言えばその「抜け落ち」を指示するためにそれを認めている箇所を引いたのだ。


 yetanother氏はこれらの論理をおよそ踏まえてはいないだろう。こちらが問題だと
した誘導のタイプを区別出来ていれば「具体例を」と言う言い方にはならないからだ。
しかし「重要な情報が書かれなかった」事をこちらが問題視していたとは書いている
事だ。書かれなかった事の引用など出来るはずもないというのはおよそ常識であろう。
つまりyetanother氏はこちらの論理を「ド忘れした」か「論旨を取れてなかった」か
あるいは何か他の理由があったか。ともあれ何にしても事実を積み重ねる事は出来て
いなかったと言ってもまずいいだろう。従って、まとめとしては「事実を積み重ねる事が
なければ議論にならない」という事であり、さらには「水掛け論を挑んでいるのは誰か」
と言う最初に言った事そのままで十分足りるだろう。勿論、ここに最初のトラックバック
エントリタイトル「一度でいい事を二度言うってのは嫌いなんだ」を足しても良いだろう。