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うさぎとちょこれいと このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-11-28

[][]47『ハーマスミスうじ虫47『ハーマスミスのうじ虫』を含むブックマーク

 タイトルとなっている「うじ虫」とは、この小説のなかの恐喝犯のこと。

 ミステリの枠に入るとはいえ、驚天動地のトリックがあるわけでもなく、奇矯な犯罪があるわけでもなく、内容はいたって地味。しかし、これがなかなかの味わいなのだなぁ。「犯罪者コレクター」であるという素人探偵の人となりも面白いし。これは「人間を描く」系のミステリですよ。被害者たちは証言する気がまるでなく、証拠もなにもない犯人にどうやって自供させるかというところがみどころで、それまでの人物描写がぐっと生きてくるところでもあります。

 「うじ虫」に喩えられるだけあって、犯人の姿があまりに卑小で無残で、読んでいてもの悲しかったのだけど、深い余韻のある結末で救われました。