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2012-01-25

janvier2012-01-25

[]家族の庭 家族の庭を含むブックマーク

 夫婦の心温まるお話ですよ〜、ということを強調した予告編とか、「ここに集まれば、悲しみは半分に、幸せは倍になる」というキャッチコピーは、「心温まるお話詐欺だね。「心温まるお話詐欺にひっかかって来ていたお客さんは(レディスデーのためか、けっこう多かった)このブリザードが吹き荒れるような映画をどう見たのか気になるところ。

 冒頭は、ジェリーのもとに中年女性カウンセリングに来るところから始まる。長いこと不眠で悩まされているという。いかにも多くの悩みを抱え込んだような顔をしている女性ジェリーは問う。「あなた人生は、10点満点でいうと何点?」女性は答える。「1点」だと。

 冒頭のエピソードはそのまま放置されて、トムとジェリー幸せな家庭と、彼らの家に訪れてくる友人たちに、話の焦点は移る。友人たちのなかでも強烈なのがメアリー。己の寂しさを見栄で覆い隠すかのように、とにかく饒舌に喋る喋る。離婚歴あり、不倫歴ありの不幸な女性で、いい男を見れば秋波をおくるが、容姿が衰えてしまった今となっては、なびいてくるのは自分が及びじゃない男ばかり。若いときモテていた(ただし、メアリー内面がアレなので、寄って来るのも、またアレな男性ばかりだったのではないか)と思われるぶん、理想だけは高い。トンデモ勘違い女。言動すべてが、「うわあぁっ」となるほどイタイタしい。「私、何歳に見える?」とか、答えにくいこと聞くんじゃねぇ!

 対してジェリー夫婦仲良好。休日ガーデニングに勤しみ、夜は読書を楽しむインテリ夫婦。料理がいっさいダメメアリーに対して、トムもジェリー料理が得意。なにもかもが、煙草と酒に依存して生きているメアリーとは大違い。ジェリーが「中年太りしちゃって」と言えば、夫トムは、「バカを言うな。君は完璧だよ(チュッ)」てなもんである。おいおい、高齢独身女が横にいるところで、見せつけるのはやめてくれたまえ、と私がメアリーなら言うね。

 もともと、よく20年も友人やってるよな(こんなに生活階層が違い過ぎるのに…)、という感じの夫妻とメアリーなのだが、ある出来事を境に、夫婦メアリーの仲は決裂する。そして、問題のラストシーンとなるのだが……。

 ひとの感想を見てまわっていて、ラストシーンの捉え方が本当に人それぞれなのが面白かった。「残酷」という人もいれば、「これから希望が持てる」というひともいる。「圧巻」という人もいれば、「えっ、これで終わり?」という人もいる。

 個人的には、人生は優しくはないけれど、メアリー、頑張れ!という監督からメッセージだと勝手に受け取った。ただ突き放すためだけに、ダメな人の映画を撮ったりするわけないじゃん?というのコミで。きっと、マイク・リー監督は、負け組の横面を張り倒しながら応援してるんだよ!

 冒頭の女性自分人生は「1点」だと言っていたけれど、自分人生の点数なんて日々変わっていく。ひとはそう簡単に「変われる」ものではないけれど、あのラストシーンメアリーが、いくらかでも変わる契機になるのかもしれない。とにもかくにも、メアリーは「家族の庭」に闖入することは止めるだろう。自分孤独もっと真摯に向き合うようになるだろう。……自分のなかの「メアリー」がそう願う。

 余談だが、この映画のなかでは、「料理」が重要モチーフになっている。察するに、ジェリー母親料理得意だったんだろうなぁ。対して、メアリー母親テイクアウトで済ませるダメ母。子は親を見て育つからね。その段階から人生にこれからつくだろう点数に差がついちゃってるわけです。きつっいなぁ。

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