開高健記念アジア作家講演会があります

こんにちは、松岡です。
今日は、市民青少年交流課の平野さんより、開高健記念アジア作家講演会*1に関してメッセージを頂きましたので、そちらを皆様にぜひ。


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こんにちは平野です。
多分、生きているうちに、行こうとも行くとも思っていなかったバングラデシュに、昨年の9月に講演会のコーディネーターの方と準備出張に行って来ました。
 そもそも、タイより向こうには行ったことがない(職員としてはちょっと恥じ入るべきかもしれませんが)、南の方にはあまり行かない(これも・・・)私としては、「バングラデシュを知るための60章」なぞ図書館からお借りし、JICAの赴任情報やらをパラパラとめくりつつ、「こりゃあ(私的には)大変なところに行こうとしているかも知れん・・・」とビクビクしつつ、バンコクから飛行機に乗ったのでした。

 空港に着いてみたら、長蛇の列の割には簡単な審査に拍子抜けし、空港出口の柵に群がる人達にちょっとびびり、でも大変ご親切にしていただいた大使館の方のお陰で、無事、元誰かの豪邸風のホテルに到着。期待?に反し、雨期が終わっていないにも関わらず、雨が全く降らず(ホテルで見た天気予報の衛星画像では、焼けたお餅がぷぅーと膨らんだ形を逆にしたように、ダッカ周辺だけが雲がないという不思議な絵でした)、順調に作家・詩人の方々5名のインタビューを終える(実はインタビューはベンガル語で進んだので、私は何を話しているのかさっぱりわからず、最初の方と最後の方でちょっと質問をしていた位なのですが)ことができました。

お話を伺った作家や詩人の方々は皆さん親切で、「おもてなしの心」を持った人達なのだな、と強く感じました(決してその都度出される数々のお菓子やお茶がおいしかったから、という訳ではありません・・・)。

インタビューについてはこちらをどうぞ。

強い日差しの下での男女の鮮やかな色の服装や、逞しい村の若者達の姿等、貧しさ・洪水などという、バングラデシュに対して一般的に持つようなイメージとは相容れないものも多く、多面的に捉えることの大切さ、難しさを改めて知りました。特にイスラム教国というと中東(それも具体的にどこのことか、と言われると危ういのですが)のモスクのイメージをすぐに思い浮かべるような私としては、ここでもまとまらないイメージの束に囲まれるような、でもちょっとうれしいような感じがしたのを覚えています。

もちろん、バングラデシュイスラムは大きなイシューであることが前掲のインタビューからもわかりますが、今回お招きしたイムダドゥル・ホク・ミロンさんの講演原稿(まだ微調整中です)からも、その苦悩が伺えます。南アジアのイスラム国の現状を知ることは、いろいろなものの狭間に日々を生きる私たちにとって、訴える力が強くあると思います。

その辺の解説はパンフレットにあります(こちらあります)。

短篇の翻訳もできました。(これはうちのウェブサイトには載りません。見本はあります)。
今回は部数を絞ったので、会場にお出でいただければお渡しできるかと思います。ちょっと覗いてみたい、という方はぜひご連絡ください。

余談ですが、1971年のパキスタンとの独立戦争は誰しもが鮮明に記憶しています。湾岸戦争のようなテレビゲーム型でなかった戦争ですから(戦争記念館の展示からも、叫び声が聞こえてきそうな、おどろおどろしい印象を持ちました。広島・長崎に対して強い共感を持っていただいているのは、そのせいかもしれません)。


お忙しいとは思いますが、是非お運びください。
担当者一同、手間暇かけて作った事業です。

お待ちしております。

*1:毎年、アジアの国を1つ選んで、作家や詩人等を日本にお招きして日本各地で講演会をしていただくのが開高健記念アジア作家講演会シリーズです。昨年度は韓国、来年度はシンガポールからお招きします。