じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

伏見稲荷大社


京都市伏見区にある伏見稲荷大社を訪れました。HP→http://inari.jp/index.html

全国に約4万社ある稲荷神社の総本社である。初詣では近畿地方の社寺で最多の参拝者を集める(日本国内第4位〔2010年〕)(中略)現在の本殿は、応仁の乱で焼失した後に明応3年(1494年)に再建されたもので、国の重要文化財に指定されている。また楼門の脇奥にある17世紀初創建の「御茶屋」も重要文化財に指定されている。(Wikipediaより)

朱色の鳥居がトンネルのように延々と続くその全長は約4キロほどありますが、拝観無料で閉門時間も無いので、外国人の観光客にも人気なのだそうです。私が訪れたのは夕方17時を過ぎていましたが、途中で引き返して入り口を出る頃にも続々と新たな参拝者が入って行きました。この猛暑には夜の参拝のほうが涼しいかもしれませんね。ただ、たくさんの蚊の餌食となりますが。。

昨年11月には、市川染五郎さんが歌舞伎の新作『大當り伏見の富くじ』の成功祈願のためにこの伏見稲荷大社を訪れています→お知らせ : 京都新聞

「大當り−」は、染五郎さんが長年上演を熱望していた明治期の喜劇「鳰(にお)の浮巣」をもとに、物語を再構成して新たに現代的な演出を施す舞台。大店の再興を願う紙くず屋の男に、伏見稲荷富くじ(宝くじ)が当たったことから巻き起こる騒動を描く。

染五郎さんのコメントには、「幕開きからここ(伏見稲荷)を登場させたい。雅楽も使ってみたい」とイメージを膨らませていたとありますが、雅楽がどのように使われていたのか・・観たかったです。
伝統を誇る有名な旧作ももちろん良いのですが、伝統をふまえた新作にもおおいに期待したいところです。この作品をご覧になった方のブログ。絶賛されていますね→『大當り伏見の富くじ』松竹花形歌舞伎@松竹座2月4日昼の部 - yoshiepen’s journal
伝統ある旧作で「伏見稲荷」と言えば『義経千本桜 伏見稲荷鳥居前の場』ですね。

『すし屋の段』の三段目(ご参考:『あやつられ文楽鑑賞』三浦しをん - じゃぽブログ)や『四ノ切(河連法眼館の段)』の四段目(ご参考:猿之助襲名披露そして『猫忠』 - じゃぽブログ)をこのブログで紹介致しましたが、その二つの段より前の二段目に当たる『伏見稲荷の段』は、伏見稲荷の前で義経静御前に初音の鼓を与えて別れを告げる場面です。この段だけを独立上演する際には、『四ノ切』のように『鳥居前』という通称で呼ばれます。詳しくはまたいずれ・・。

(J)