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公益財団法人日本伝統文化振興財団ホームページ  http://jtcf.jp/

2012年09月16日

第61回(2012)全国民俗芸能大会

日本各地の民俗芸能・郷土芸能に関心の深い方々にはお馴染みだった、毎年秋の日本青年館における「民俗芸能大会」が今年11月17日(土)、二年ぶりに開催されます。昨年は東日本大震災の影響で中止となっていました。

日本全国各地のさまざまな芸能を数組ずつ招いて紹介するこのイベントは、往復ハガキで申し込めば、誰でも入場無料。本物の民俗芸能はもちろんその土地でしか体験できないものですが、こうしたかたちでまず実演と接することを通じて、実際に現地を訪れてみるキッカケにされてみてはいかがでしょうか。午後1時から5時までの本公演の他に、昼の部の出演者の内の一組の芸能に焦点を当てた「研究公演」(午後6時から夜8時まで)も行なわれます。


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第61回(2012)全国民俗芸能大会 北から南から
日時=2012年(平成24年)11月17日(土)13時開演(12時30分開場)
場所=日本青年館大ホール
入場料金=無料(往復ハガキによる申し込み制)
主催=財団法人 日本青年館、全国民俗芸能保存振興市町村連盟
お問い合わせ:財団法人 日本青年館(電話03-3475-2572)

 13:00〜17:00

(1)「半田市亀崎のからくり人形(はんだしかめざきのからくりにんぎょう)」
愛知県半田市 亀崎潮干祭保存会田中組
【解説】鬼頭秀明(民俗芸能研究家)

(2)「下柴彼岸獅子舞(しもしばひがんししまい)」
福島県喜多方市 下柴獅子団
【解説】神田竜浩(国立劇場芸能部)

(3)「平磯虎舞(ひらいそとらまい)」
宮城県気仙沼市本吉町 平磯芸能保存会
【解説】俵木悟(成城大学准教授)、高橋弘則(平磯芸能保存会)

(4)「山代本谷神楽(やましろほんだにかぐら)」
山口県岩国市 山代神楽本谷保存会
【解説】神田竜浩(国立劇場芸能部)

 <研究公演> 18:00〜20:00

山代本谷神楽
山口県岩国市 山代神楽本谷保存会
【解説と進行】山路興造(民俗芸能学会代表理事)、神田竜浩(国立劇場芸能部)

観覧希望の方は、必ず往復ハガキにて郵便番号、住所、氏名、人数を記入し下記までお申し込みください。昼公演・研究公演共通です。返信用ハガキの宛先面にも必ず申し込まれた方の郵便番号、住所と氏名をお書きください。主催者からの折り返し返信にて、往復ハガキ1通につき2名様までご招待とのことです。

〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘7−1

財団法人日本青年館「全国民俗芸能大会係」宛

詳しくは以下のリンク先ページをご覧ください。全国民俗芸能保存振興市町村連盟ホームページ内「平成24年度 民俗芸能の催し」

会場の日本青年館大ホールは、JR「干駄ヶ谷」・「信濃町」駅より徒歩10分、地下鉄銀座線「外苑前」・大江戸線「国立競技場」駅より徒歩7分です。


最初にご紹介したチラシ裏面には、今回取り上げられる各民俗芸能を紹介する文章が掲載されています。

半田市亀崎のからくり人形(はんだしかめざきのからくりにんぎょう)」
 毎年亀崎地区で5月の3日4日に「潮干祭」(しおひまつり)が行われます。海より祭神が上陸したという伝説から五組みの山車が干潮の浜辺に曳きおろされ、砂浜に車輪が埋まり立ち往生する山車を再び陸へ引き曳きあげるというものです。この五組みの山車の前部と上部で精巧なからくり人形が舞い踊ります。中でも田中組神楽車の上山人形「傀儡師」は、天明年間に制作されたもので糸からくりで人形が船弁慶を演じる大変貴重なものです。(国指定)

下柴彼岸獅子舞(しもしばひがんししまい)」
 下野国(現在の栃木県)方面から会津地方に伝わった三匹獅子舞です。春彼岸の頃に仏供養や火伏せなどのために家々を回る門付芸能で、会津盆地の春を告げる芸能として知られています。下柴への伝来は古く、下柴から会津の各地へこの獅子舞が伝えられました。また、下柴には、他の彼岸獅子舞では登場することの少なくなった幣舞小僧という小さな子供の役が伝承されており、「幣舞」を雄獅子とともにかわいらしく舞っています。(県指定)

平磯虎舞(ひらいそとらまい)」
 発祥は天保時代にまでさかのぼるといわれています。戦時期中断し、昭和44年に青年会が復活させ平成21年の全国青年大会郷土芸能の部では最優秀をとるなど青年たちが中心となり取り組んできました。しかし、3 11の東日本大震災の被害は大きく、青年たちはその復興を願い、いち早く子ども達や大人、地域ぐるみで「虎舞」を復活させてみんなを繋ぎ元気づけています。今回はその虎舞をお願いしました。勇壮な太鼓のリズムと虎のきめ細やかな舞が見所です。

山代本谷神楽(やましろほんだにかぐら)」
 山代本谷神楽は山口県東部の山代地方に分布する山代神楽のひとつで、この地域では江戸末期頃から周防の神舞に近い神楽が盛んでした。その後、広島県の神楽・安芸十二神祇の影響を大きく受け、さらには、島根県の石見神楽をも取り入れ、現在の山代神楽が誕生しました。山代神楽の特徴は、6年や12年に一度の年祭の際にだけ舞われる「山の神」があることで、激しい神がかりの舞として知られています。今回、夜の研究公演で、この「山の神」を特別に披露していただきます。(県指定)


このチラシにはさらに、財団法人日本青年館(大正10年設立)によって戦前から現在まで長く開催を続けてきた「民俗芸能大会」の歴史に触れた文章も掲載されています。その一部をご紹介します。(全文は上記チラシ画像をクリックすると拡大表示されるので、そちらでお読みください)

大正14年に建物(日本青年館)のこけら落としとして「郷土舞踊と民謡の会」を開催。当時、柳田国男、高野辰之、小寺融吉など先生方の協力を得て全国の郷土芸能や民謡を選び紹介をしました。郷土芸能を学術的に位置付け、舞台の上で紹介したことは日本で初めてのことでした。しかし、戦争のため昭和11年でやむなく中止となりましたが、日本の近代化と共に消えゆく芸能の継承と保存の魁(さきがけ)となりました。

戦後は、昭和22年いち早く青年たちが戦後復興を祈念して「郷土芸能大会」を開催しますが昭和25年になると故本田安次先生等が中心となり、現在の大会が文部省芸術祭執行公演としてスタートします。第2回目から日本青年館に移管され、今日に至っています。

日本青年館は、これまで戦前、戦後を通じ87年間一貫して地域の芸能をそのまま舞台で演じてもらうことを本旨とし、のべ450余の芸能を紹介してきました。また、これら芸能の記録保存にいち早く取り組んできたのも本大会でした。



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日本の民俗芸能の音の記録としては、かつて本田安次氏の監修によって、1973年から76年にかけてビクターが制作した、LP3枚組×全13巻(内、補遺1巻)という厖大な規模の「日本の民俗音楽」シリーズがありました(企画:日本民俗芸能協会、協力:文化庁、資料提供:日本放送協会)。当財団では、これを『復刻 日本の民俗音楽』(CD36枚組、A4判 192頁別冊解説書付)として1998年にCDで復刻しています(在庫僅少・分売予定無し)。また、このオリジナルLPシリーズで<補遺篇>として編成されていたアイヌ民族の芸能は、別途3枚組CD『アイヌ・北方民族の芸能』として、2008年に当財団からCD復刻しています(附属解説書 全96頁)。これらは他では聴くことのできない貴重な音文化の記録です。

その他、当財団が発行している民俗芸能関連のCD、DVDについてはこちらをご覧ください。


当ブログ過去記事
「全国民俗芸能大会が2010年11月20日に開催」(2010年09月27日)

(堀内)

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