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じゃぽブログ

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2014年09月26日

「弦歌(いとうた)の世界/馬場尋子」 10月22日発売!!

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大矢紀作「万葉花―はなかつみ」六曲一隻屏風(部分)


万葉集を題材にした、魅力的な4作品を新録音でお届けします。肥後一郎作曲の「国偲歌(くにしのびうた)」「春日野(かすがの)」「琴相聞(ことそうもん)」、高橋久美子・馬場尋子の共作曲による「三弦と声のための『万葉花―はなかつみ』」。これらの作品はまさに、「現代に息づく万葉の歌」そのものです。

馬場尋子さんの魅力は何と言っても演奏技巧の優れた点と、独自な歌唱表現にあります。ドラマティックであり、時に重々しく、またのびやかでもあり、物語世界を大らかに描いていきます。

これらの作品はどれも詞章の構成が実に巧みで、作曲家や演奏者の優れた感性はもちろんのこと、その知識の広さと深さには本当に驚かされてしまいます。そして、あたかもそこに浮かび上がってきた全く新しい物語に寄り添うかのように、旋律が描かれていくように感じられます。

例えば、作曲家・肥後一郎氏はライナーノーツにこう記しています。

「記紀に現れる磐姫(いわのひめ)皇后は嫉妬深い冷酷非情の女性として記述されているが、万葉集巻2の相聞歌は健気でしおらしい磐姫皇后像を謳い上げているのである。妄想はこの相反する描写から生まれた。・・・・(中略)・・・・『琴相聞』は万葉集巻二相聞の四首中三首と巻十三相聞の長歌と反歌を組み合わせて、恋に身を捩(よじ)る女の情念を歌う琴歌である。飾り気がなく、ひたむきでおおらかにときめく古代の女性像を彫刻する琴歌である。稲穂の上に立ち込めた朝霧が陽光にとけるまでの束の間に、目まぐるしく揺れ動いた女心の心象を歌う。馬場尋子氏でなければ実現できない琴歌である」と。


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ふと目をつむっていると、低く連なるおだやかな大和の山々の常に人の生活と共にある優しい姿が浮かび、思わず時空を超えて万葉の時代に引き込まれてしまいそうになります。そして、激しい情念にかられて髪を振り乱しあたかも嵐の中を駆け抜けていくかのような女の姿や、「はなかつみ」のように美しくはかない幻のような人をひそかに恋い慕う人の姿が、映像となって浮かび上がります。

秋の夜長、はるかなる古代に思いを馳せながらお楽しみいただきたいCDです。


(やちゃ坊)

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