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公益財団法人日本伝統文化振興財団ホームページ  http://jtcf.jp/

2018年03月01日

文化庁芸術祭賞贈呈式(2018年)

平成29年度文化庁芸術祭賞贈呈式が2018年2月14日、東京・早稲田のリーガロイヤルホテルで開かれました。

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当財団は「高橋翠秋 胡弓の栞 月詠抄」(CD3枚組)でレコード部門優秀賞を受賞しました。詳しくは前回の記事をご覧ください。→「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄(つくよみしょう)」 - じゃぽブログ

受賞作品について画面で紹介があり、丹羽文部科学副大臣から理事長の藤本が表彰を受けました。

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レコード部門の大賞は「冴 尺八 山本邦山〈音楽の軌跡〉」(CD5枚組)で、一般社団法人和傳社が受賞しました。プロデューサーの田辺洌山さんは山本邦山さんのご門下で、贈賞理由には「傑出したテクニックと創造力で、尺八の可能性を飛躍的に拡げた彼(山本邦山)の演奏は、今なお鮮烈な輝きを放っている。深い敬意とともにその音楽を知悉したプロデューサーだからこそ為し得た記念碑的作品として高く評価できる」とありました。

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レコード部門では、もう一つ邦楽のCDが優秀賞を受賞しました。高校の箏曲部を舞台とするコミックから生まれた「この音とまれ! 時瀬高等学校箏曲部」(キングレコード)です。こちらは贈賞理由に「バーチャル世界と現実とが交錯する企画は興味深い。作中から新たな創作曲が生まれ、演奏映像のネット配信を通して、現役高校生の部活動を刺激している。録音制作物の新たな価値の創出につながることに期待したい。」と、これまでにはないと思われる評価が加えられていました。この動きには、私たちも期待とともに注目していきたいと思います。

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芸術祭賞、音楽部門の大賞は尺八演奏家の善養寺惠介さんでした。2017年11月7日の「善養寺惠介 尺八演奏会」の成果によるものです。日本伝統文化振興財団賞の第6回受賞者でもあり、高橋翠秋さんとはかつて「三曲みなづき会」で古典の研鑽を重ねたご縁もあるということで、ツーショットをお願いしました。

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おめでとうございます!

古典から、それぞれの時代が生み出した新しい曲まで。また故人となった巨匠から「この音とまれ」世代の若い演奏家まで、邦楽の多彩な面が評価された今回の芸術祭賞でした。今後とも演奏会で、CDで、またネット上でも、邦楽がたくさんの人に親しまれ、楽しんでもらえればと願います。

(Y)

2018年01月16日

「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄(つくよみしょう)」

昨年暮れに発表された平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞で、当財団制作・発売の「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄(つくよみしょう)」(2017年11月22日発売)が優秀賞を受賞しました。

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この3枚組のCDは、胡弓演奏の第一人者、高橋翠秋さんの熟練の技芸によって、胡弓音楽の領域を古典の幅広いジャンルにわたって一望するという画期的なアルバムです。

胡弓の音色は、歌舞伎や文楽のなかで効果的に演奏されているのを耳にしたことのある方も多いと思います。もともと単独で演奏されることは稀で、このCDは全21曲が新録音ですが、独奏は1曲だけ、ほかは箏や三味線などの気鋭の演奏家との合奏です。

芸術祭賞優秀賞の受賞理由は次のとおりです。

本CDは、本来が助奏楽器である胡弓の多様な表現力と魅力を、三曲と歌舞伎音楽から作品を選んで紹介した力作である。伝統的な作品に留まらず、尺八との二重奏や胡弓のみの三重奏といった新しい合奏の試みにも挑戦している。

解説(英訳付き)は、最新の研究成果も反映し、学術的にも信頼のおける胡弓と胡弓音楽の紹介となっている。

「月のように輝く胡弓の魅力」と題したライナーノーツで、解説の野川美穂子さんは次のように記しています。

胡弓には、驚くほどに多彩で豊かな表現力があります。一筋の細い糸のように持続する音には、人の心に寄り添う優しさ、人の心の奥深くに迫ってくる哀しさ・・・。いっぽうで、明るく華やかな音、楽しい音、力強い音もあります。このCDでは、胡弓の豊かな表現力を感じていただけるよう、さまざまな作品を選んでいます。

高橋翠秋さんが主な活躍の場としている歌舞伎音楽の、名場面で流れる黒御簾(くろみす)や竹本(義太夫)の曲も収録されています。胡弓の多彩な音色をこのCDで味わうとともに、歌舞伎観劇のときにも、ぜひ胡弓の音色に耳を傾けていただければと思います。

曲目や高橋翠秋さんのプロフィールなど、詳しくはこちらをご覧ください。→ 「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄」

(Y)

2017年10月01日

源氏物語によせて〜宮城道雄作曲による歌舞伎音楽「源氏物語」より

【宮城道雄作曲による、歌舞伎音楽「源氏物語」が、60年の時を超え、一部甦ります。】

昭和二十六年に初演され、先々代の團十郎の当たり役として大ヒットした舟橋聖一脚本による歌舞伎『源氏物語』三部作。その舞台を支えた宮城道雄作曲の音楽は、残念ながら当時演奏されて以降、60年近く演奏されぬままになっていました。今回は当時演奏に参加した藤田節子の監修で、宮城道雄作曲による幻の「源氏物語」の一部を、女優・竹下景子の朗読にのせてお届けします。

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源氏物語によせて〜宮城道雄作曲による歌舞伎音楽「源氏物語」より

◆企画・監修 藤田節子

◆朗読 竹下景子

◆箏演奏 三桜香(吉川あいみ、安嶋三保子、伊藤江里菜)  

◆解説 長谷川 慎

10月7日(土) 14時半開演/ 入場料3000円

場所 池田山舞台(五反田駅徒歩5分)

◆お問い合わせ◆メール:mori@japo-net.or.jp

この演奏会の為に、宮城道雄記念館資料室長である千葉優子氏寄稿の文章を一部抜粋し、掲載いたします。

宮城道雄の業績の一つに歌舞伎音楽がある。終戦まもない昭和二十一年二月に上演された東京劇場での舟橋聖一作《滝口入道の恋》の音楽に始まるが、中でも、空襲で焼け落ちた歌舞伎座が二十六年一月に開場し、同年三月に上演された谷崎潤一郎監修・舟橋聖一脚色の《源氏物語》は大成功を収め、改訂増補版やその再演など、たびたび上演されたほどである。光源氏の役は九代目市川海老蔵(のちの十一代目市川團十郎)が一貫して演じ、彼の生涯を飾る当たり役となり、以後、代々受け継がれている。(中略)

その成功には、宮城道雄の音楽が重要な役割を担っていた。ぜひ、その再演を望むところだが、残念ながら、楽譜等資料がほとんど残されていないため、不可能であった。それが、このたび、現存する楽譜に合わせた内容を朗読し、演奏するという藤田節子先生の卓抜のアイディアによって、限られた資料をもとに宮城道雄の典雅な音楽による『源氏物語』の世界の一端を垣間見ることができるのは、まことに意義深い公演といえよう。

出演者一同は、この演奏会が宮城道雄先生の知られざる曲の研究と、心の継承の一端となることを願っているそうです。是非、60年近くも眠っていた、宮城道雄の「源氏物語」の世界を味わってください。

(まりちょ)

2017年05月24日

第21回日本伝統文化振興財団賞と第6回中島勝祐創作賞

平成29年度、第21回日本伝統文化振興財団賞の受賞者は、地歌箏曲および平家の演奏家、菊央雄司(きくおう ゆうじ)さんです。

f:id:japojp:20170524203058j:image 菊央雄司さん

「日本伝統文化振興財団賞」は、わが国の無形文化の保存・振興・普及に努めることを目的とする当財団の顕彰事業の一環として、伝統芸能分野で将来いっそうの活躍が期待される優秀なアーティストを毎年一名顕彰するものです。

6月1日(木)午後2時から東京の紀尾井小ホールで贈呈式があり、ご本人による記念演奏、地歌「江戸土産(えどみやげ)」が披露されます。

菊央さんは地歌箏曲の演奏家として関西を中心に活動し、上方舞の地方(じかた=伴奏者)としても活躍しています。東京では聴く機会が少ないので、ぜひお出かけください。

「第二十一回日本伝統文化振興財団賞」「第六回中島勝祐創作賞」贈呈式

・日時 2017年6月1日(木)午後2時 開会(午後1時30分 開場)

・会場 紀尾井小ホール

・入場無料【事前申込が必要です】

入場ご希望の方は、こちらから事前申し込みを→ no title

近年はさらに、伝承が途絶えることが危惧されている平家(平家語り、平曲)にも挑戦しています。今年の4月4日には、「平家物語の世界 ―語りの伝統を次代に―」という公演で、琵琶と語りを披露されました。(→ no title

菊央さんの贈賞理由は次のとおりです。

【菊央雄司 贈賞理由】  地歌箏曲の演奏家として確かな技量と表現力に定評があり、国内外の演奏会や上方舞の地方(じかた)での活躍も近年とくに注目されている。故菊原初子(人間国宝)の後継者菊原光治に師事し、地歌箏曲の古典を広く修めるほか、最近は地歌箏曲と深い関係のあった平家(平曲)の伝習にも真摯に取り組み、その成果には多くの関心が寄せられている。また、文楽の研修生に地歌、箏曲、胡弓の指導を行い、学校でもその普及・啓発に尽力するなど、地歌発祥の上方(関西)に軸足を置いた活動は、日本の伝統音楽の将来を担う貴重な才能として期待が寄せられる。

プロフィールはこちらをご覧ください。→ no title

  

また6月1日には、日本伝統文化振興財団賞の贈呈と合わせて、中島勝祐創作賞の贈呈式と受賞作品の披露演奏もあります。第6回を迎えた今年は、常磐津東蔵さんの「宝船売り」が選ばれました。

f:id:japojp:20170524204459j:image 常磐津東蔵さん

常磐津の新作ですが、お正月気分でおめでたく、また楽しい作品なので、こちらもぜひお聴きいただきたいと思います。

中島勝祐創作賞について、詳しくはこちらのページをご覧ください。→ no title

受賞作品と常磐津東蔵さんのプロフィールについてはこちら。→ no title

(Y)

2017年02月08日

第47回邦楽演奏会のお知らせ

立春を迎えたとはいえ寒さのきびしい日が続いていますが、東京では梅が咲き初めました。邦楽の演奏会もこの時期は少なめですが、邦楽の各ジャンルが一堂にそろう「邦楽演奏会」が、今年は2月25日(土)に国立劇場小劇場で開かれます。

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主催は邦楽実演家団体連絡会議で、人間国宝から若手まで各ジャンルを代表するメンバーが出演します。

今年で47回を数える歴史ある演奏会ですが、今回のテーマは「江戸・東京にちなんだ曲を中心に・・・」。なじみのある地名が出てくれば、その曲がいっそう身近に感じられることでしょう。

今年は新しい企画も用意されています。第一部の前半に、子供も楽しめる演目が選ばれていることです。この部分だけ特別料金で鑑賞することもできますので(小・中・高校生の子供と付添保護者のみ対象)、お問い合わせください。

また、これまでの「邦楽演奏会」は義太夫、清元、古曲、三曲、新内、常磐津、長唄が中心でしたが、今年はさらに琵琶と小唄が加わりました。昨年新たに琵琶の人間国宝に認定された奥村旭翠さんの演奏もあります。

ナビゲーターをつとめるのは、古典芸能に造詣がふかい元NHKアナウンサーの葛西聖司さん。各曲の聞きどころなど、わかりやすく説明くださることと思います。

第一部が12時開演(11時開場)、第二部が16時開演(15時30分開場)ですが、それぞれの開演前と休憩時に、ロビーで三味線、箏(こと)、尺八、琵琶、鳴り物などの体験もできます。毎年、希望者でいっぱいになるコーナーです。春も近い一日、ぜひ国立劇場でお楽しみください。

第47回 邦楽演奏会

2017年2月25日(土)

第一部 12時開演(11時開場)

第二部 16時開演(15時30分開場)

会場  国立劇場小劇場

入場料  一般3,000円 学生1,500円

【お問い合わせ先】

日本三曲協会事務局 Tel.03-3585-9916(電話予約のみ/平日10:00〜17:00)

【チケット販売】

e+(イープラス) http://eplus.jp/(パソコン&携帯)

国立劇場チケットセンター(窓口のみ)

演目と出演者はこちらをご覧ください。(クリックすると拡大します)

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(Y)