『ハヅキさんのこと』川上弘美

エッセイと掌編の中間のような作品が収められた本。前まではそんなことなかったはずなのに、最近川上弘美が怖くてなりません。江國香織と似たような怖さを感じる。でも川上弘美は怖いもの見たさで読むのに、江國香織はあんまり読まない。

ハヅキさんのこと

ハヅキさんのこと

『片想いさん』坂崎千春

この「片想い」という言葉のねっとりとした響きに、思わず腰が引けてしまうのですが、suicaのペンギンを描いている人なので、読んでみました。ほわほわと本とごはんと片想いの話が書かれていて、ああクウネル系……(実際クウネルくんもこの人が描いてるし)、と思っていたら、真ん中あたりで突然、生まれてこの方30数年異性と付き合ったことがない、という告白が。心に残る本ではありました。

<新装版>片想いさん

<新装版>片想いさん

『椋鳥日記』小沼丹

小沼丹イギリス留学エッセイ。しかし注意深く選び取られた言葉と構成で、小説のとしても読める佳品。

椋鳥日記 (講談社文芸文庫)

椋鳥日記 (講談社文芸文庫)

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

恋愛小説とか青春小説とか、そういうものよりは、話を転がしていく伏線やら小道具やらを楽しく読みました。おともだちパンチ。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

『TVピープル』村上春樹

真夜中の台所で読むのに、「眠り」以上にふさわしいものがあるとは思われない。時々、真夜中の台所で読む本です。

TVピープル (文春文庫)

TVピープル (文春文庫)

『という、はなし』吉田篤弘・フジモトマサル

フジモトマサルの絵が好きです。

という、はなし

という、はなし

『ジャージの二人』長嶋有

誰かがどこかで書いていた気がするけど(枡野浩一かもしれない)、長嶋有は会話の書き方が独特で、不思議な風情があります。

ジャージの二人

ジャージの二人

『ジョン平と去っていった猫』大西科学

エンダーが、エンダーが!パンダです!(知ってたけど

『世界は村上春樹をどう読むか』

参加者が多すぎてわりととっちらかった印象。

世界は村上春樹をどう読むか

世界は村上春樹をどう読むか

『結婚失格』枡野浩一

これはなあ、だめだろうなあ、ふたりとも結婚失格だろうなあ、と思わされてしまう半私小説。巻末の穂村弘長嶋有の文章がおもしろかった。

結婚失格

結婚失格

『恋はきまぐれ』

チェーホフの「犬を連れた奥さん」ってこういう話だったんだ。

『配達あかずきん』大崎梢

書店員はこんなに自由じゃないですよねー……、と我が身を振り返って思います。なんつーか、これはドリームですよ。

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

『真実真正日記』町田康

センスが良いのでおもしろく読めるんだけど、それだけという話も。

真実真正日記

真実真正日記

『GOSICK Ⅵ』桜庭一樹

相変わらずコンパクトにまとめて、やりたいことがきちんとできているので素晴らしいと思う。そろそろ学園に戻ってほしいですが。

『しずるさんと無言の姫君たち』上遠野浩平

相変わらずとりたてておもしろくはないのになぜか読んでしまう。安いから?

『あっぷあっぷ』福永信・村瀬恭子

これは夏休みに読みたかった感じだよ。何となく。

あっぷあっぷ

あっぷあっぷ

『きつねのはなし』森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女』よりこっちのほうが好きです。

きつねのはなし

きつねのはなし

『ひとがた流し』北村薫

あまり期待もせず読み始めてみたら、存外良かった。ミステリではないので注意ですけれども。『月の沙漠をさばさばと』のさきちゃんとお母さんが出てきます。あの猫の話の続きを知ることができて良かった。あのシーンは思い出し泣きベスト3に入る名シーンなので。

ひとがた流し

ひとがた流し

『はじめての文学 村上春樹』

まったく初めてではないどころか結構ディープな春樹読者ですが、買いました。「沈黙」と「かえるくん、東京を救う」が入ってこのお値段はお買い得だと思いますよ!

はじめての文学 村上春樹

はじめての文学 村上春樹