4月8日(日曜)、朝は少しゆっくりして、駅前の郵便局のATMが開局する9時に一番でお金を下ろしてから、電鉄出雲市駅9時12分発の一畑電車に乗った。宍道湖をながめながらのんびり走って、終点の“松江しんじ湖温泉”駅まで、1時間あまり。
ぶらぶらとお城まで歩く。
松江の県庁では、竹島資料室というのがあるが、展示内容は特に目新しいものはなく、論点は出尽くしている感があった。
県庁の北にお城がある。松江城・小泉八雲記念館・小泉八雲旧居、の3館共通入場券、1,000円というのを買った。
緑色がさわやかな洋館がある。興雲閣といい、明治天皇の宿所として建てられたものだそうだ。
松江城の天守は慶長年間につくられたもので、国宝である。江戸時代の天守が残ってるお城って、実はあまりないよね
城の北側のお堀端に出ると、武家屋敷だった一角のようだ。観光施設として公開している“武家屋敷”は修復中だそうだが、小泉八雲記念館に行ってみる。
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンという人、名前は知っていてもどういう人なのかさっぱり知らない、という種類の歴史上の人物だったが、アイルランドで育ち米国に移住し、マルティニークにも暮らし、さらに日本に興味を持って移り住んだ、という、漂泊の人生を送った人で、非常に複雑な人間性を持った人だったのではないかと思った。
旧居は立派な武家屋敷であった。
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暴風に吹き飛ばされそうになりながら歩いて宍道湖大橋を渡り、島根県立美術館へ。
シスレー。いいね
クールベの波ってここが持ってるんだ?と思ったら、同じような絵がいくつかあるのね
コロー、そしてシニャック
デュフィの『ニースの窓辺』。これ好きだな。──そのほか、奈良原一高の肖像写真の特集展示などもやっていた。
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島根県立美術館のカフェレストランで、パスタとワインで昼食。ガラス越しに宍道湖を眺め、ぽかぽかと暖かくよい気分だが、一歩外に出るとものすごい風なのだ。…そろそろよい時間になったので、松江駅へ歩く。
この日は、米子空港17時00分の飛行機で帰京することにしていた。米子空港へは松江からも連絡バスがあり、15時30分のバスに乗ればよい。──飛行機を最終便にすれば、有名な宍道湖の夕陽を見てからでも東京へ帰ることができると思われたので、もったいないな…と迷ったが、代替手段がない土地から最終便で帰るという旅程を組むのは、ちょっとためらわれた。
松江は、出雲空港と米子空港という2つの空港が利用できる、珍しい地方都市である。今回の旅行は、出雲空港からのJALが取れず、米子からの全日空が4日前に取れたことで、最終的に旅程が定まったのだった。バスは、冠雪した伯耆大山をのぞみ、中海の畷道を通って、江島大橋を渡る、という、なかなか面白いルートをたどった。