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日本ジャーナリスト教育センター / Japan Center of Education for Journalist

2012-04-20

インターネットによる「現実」拡張を支える3つの要素 参加者報告vol.8

3月3日に東海大学で行った「ジャーナリスト・エデュケーション・フォーラム2012」の参加者報告。第八弾は、データジャーナリズムの森正弥さん(楽天株式会社 執行役員 兼 楽天技術研究所長)による「変化するウェブ、変化する我々自身」のセッション。報告は森嶋大樹さんです。

インターネット技術では何が起きているのか。重要なトピックは

  • 目の前の現実だけみると「現実」がわからない
  • 「現実」はその場に居ない人すら参加している
  • 現象が拡張していく。これが今起こっている変化

の3つ。
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たとえば、本をiPhoneのカメラに写すことでその評価が見える、というアプリケーションがあったとします。本屋でそのアプリを使用すれば、iPhoneの画面に映る本の情報を得ることができます。

3つの本のどれを購入するかで迷っていれば、そのアプリを使用し3つの本を同時にカメラに映すだけで、夫々の書評つぶやきの数の分だけ人型のアバターが集まってくる様子を見れます。アバターには色が性別、年齢ごとにわりふられており、どの本に人気が集まっているのか、どんな人が読んでいるのかがはっきり分かる。その情報を元にして、自分にぴったりな本を探し出せるわけです。

自分の目で見ている現実ではなく、インターネットの情報を取り入れた「現実」を見ることで物を把握することができます。また、自らもその評価の付加をしていく事で、より上記現象が拡張していくわけです。

次に、上記のような現象は、実は大きく3つの要素の発展に支えられている事をご紹介頂きました。下記がその3つです。

  • Ambient
  • EcoSystem
  • Cloud

Ambientはユーザー側の「端末」を、EcoSystemは「ネット」を、Cloudは膨大な情報量を裏方で計算処理していく「サーバー群」を指します。

それぞれがどのような状況下を、実生活に落としこんで考えみると下記のようになります。

  • Ambient(「端末」)は、iPhoneを始めとしたデバイスの発達は人により多くの情報をネットに発信することを促しています。
  • EcoSystem(「ネット」)は、昨今ドコモの回線が一時使用不能になるほどに、情報量は日に日に増しています。
  • 最後に、Cloud(「サーバー」)は、増え続ける情報をさばくための技術も、AmazonEC2ような大規模なサーバー群を例とするように成長しています。

今我々がネットサービスを快適に使えるのは、この端末、ネット、サーバーという三つの要素の其々の発展に支えられているわけです。知らなければ縁遠い世界ではありますが、その流れは着実に進行しているのです。

講師の森さんからは語られませんでしたが、大事なことは、「これらの発展を我々はどう活かすべきなのか」という事ではないかと思いました。

先は本を例に出しましたが、音楽や広告、記事といった既にネットで親しまれているものはもちろん、実際に物質として現実世界に存在する、椅子やベッドといった物すらも巻き込んでこの流れに取り込まれていく未来が想像できたからです。

この変化を、年齢や国の富裕度といった問題を抜きにすれば、IT業界とは全く無縁だからといって見るのを止めた場合、現実と「現実」が合わさった未来から目を背ける事にも繋がる気がします。逆に、うまく受け入れられたのであれば、より人の生活を豊かにする可能性を秘めている気がします。

初めのうちは、情報過多になりすぎて嫌気がさす人も多く出るかもしれません。無くても生きていけるものですし、整理されていなければそれがただ山積みになっていくためです。しかし、ちょっとした変化が人にこれまで以上の恩恵をもたらしてきた事や、次の世代にとってもしかしたらこれが普通になっていくかもしれない事を鑑みても、色々な人がこの変化について知り、考え、意見をいいあうことが必要だと思われます。

皆で考えより良い進化となるようにしていければ、という未来を感じる講演でした。こちらで感想を言えなかったものもありますので、是非資料を見ていただいて、皆さんもあるかもしれない未来を感じて下さい。(報告:森嶋大樹)


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