2011-07-06 (水)
■[clip][藤原肇] 1980年・日本の破局
『週刊サンケイ』1977年11月10日号。
藤原 それより何倍もスケールのでかいプロジェクトです。余談ですけど、我々日本人は、石油を武器にした国際政治ではOPEC(石油輸出国機構)諸国をナンバーワンだと思っているけど、これは誤解で、じつはソ連ですよ。だいいち東欧諸国をサテライト化したのは石油の力だし、いまや西ヨーロッ.ハに対しても、いわゆる友好バイプラインをフランスやイタリア、西ドイツに向けて敷いている。軍隊を使わなくても、パイプのバルブの締め具合で西ヨーロッパをコントロールしようという戦略なんです。それに対してNATO諸国は、これは大変だというわけで、北海油田開発に最大限の努力をしているんです。ですから、あれは、石油を軸にした世界戦争で、ソ違勢と西欧勢がぶつかり合っているヨーロッーパ戦線のシンボルなんですよ。
【中略】
藤原 80年代危機の第三の要因というのは、日本自身の問題です。日本は経済大国と威張っているけど、それはイリュージョン(幻想)にすぎない。日本はそんな実力を持ってやしませんよ。石油開発もない、代替エネルギーもないんですからね。鉄鋼産業は世界一とかなんとかいってるけど、日本の鉄鋼なんて、スーバーマーケットでいちばん安いインスタントラーメンみたいなもんだ。石油開発なんかじゃ、あんな粗悪品は絶対使わない。あれはカン詰めの罐とか、自動車とか、タンカーとか、要するに張り合わせ細工に使っているだけで、非常に高級なスペックを要求されるものには、日本の鉄は使わないんです。ドイツとかスウェーデンから買いますよ。だから、目方買いの安物なら、コストの安い韓国のものを買うということになり、いずれ日本の鉄鋼業は追い上げられるでしょう。それぐらい日本の経済というのは弱いんです。
【中略】
藤原 非常に単純なパターンでいえば、社会不安が起こるのは間違いないし、そうした不穏な情勢の中で、ある時点で大火事とか地震などの突発事を契機に、自衛隊がクーデターを起こして、現憲法を停止する。そうして、非常に全体主義的な政治が行われるんじゃないか。日本の戦後史の流れをみていくと、そういうふうな非常事態が起こる方向へ流れていくと理解しているんですがね。
1980年・日本の破局

