青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

2001年宇宙の旅

なんかただただ呆然だ。これ1968年の映画だよ。今の様にCGでなんでもできる時代の映画じゃないのに、出てくる映像はどんなCGよりも美しいような。
BDのとてつもなく鮮明な画像でも、まったく見劣りしない画面。どうやってこれ撮ってるんだ??と思う事しきり。ひとつひとつのカットが全て計算しつくされつくしているような絵作り、音作り。
全体的に無声映画かと思えるほど台詞の少ない脚本で、一つ一つのカットはとてつもなくスローで長回しで、でも画面から目が離せない。全く退屈を感じない。「なんだこれ?」ただひたすらそう思ってた。見るシーン見るシーン全てひとつ残らず、どこかの映像で模倣されていると感じるのに、その模倣全てが「ああ模倣なんだな」と思えるオリジナリティ。おそらく当時これをリアルタイム見た将来のクリエーターたちは頭をぶん殴られるほどの衝撃を受け、寝られないほどの嫉妬を覚え、神様に憧れるかのように信奉したに違いない。
ナレーションが一切なく、内容を語るような台詞も一切ない。ただただ映像と音楽が静かにゆっくり進んでいく。それなのになんと言うか、内容がどうのこうの・・・内容がわからない・・・とかそういうことを考えさせる余地が一切ない。いや、実際にはラストの展開とか相当イミフだよ。でもなんかそれをそのままで受け入れさせる強烈な映像。ほんとに「なんだこれ??」
強烈な印象とともに悲しさを覚えてしまう。ああ、今のアニメやSF映像クリエーターっていまだにこの作品の模倣を作り、この作品に追いつこうとがんばり、その模倣を見た僕ら若い世代は、また衝撃を受けていたんだな。ヱヴァンゲリオンとか恐ろしいほどの影響を受け、完全にこの映画を目指しているよねぇ。大胆な映画演出。開始の演出。インターミッション。終幕後の演出とか。静かな緊張感溢れる画面。壮大なクラッシックを流すところ。原色バリバリの絵作り。小道具、舞台も全く古さを感じさせないのも驚き。
ぶっちゃけ内容はほんとに意味不明で、強烈なまでの作り手のイマジネーション世界を垂れ流すだけのオナニーなんだと思うんだけど、何でこんなに目が離せないし、否定的な考えも起きないんだろう。なんかこれが前衛芸術映画なんだなぁ、とつくづく思ってしまった。かつ娯楽。これこそ映画なんだろうなぁ。敷居高いなぁ・・・。

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

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ふと思ったんだけど、これVHS時代とかに小さいブラウン管モニターで見たら全く良さは伝わらんだろうな、と思う。
これは劇場で見るか、現代のあるしっかり大きなテレビ、音響、このBDソース。こういった条件が無いとただのさっぱり意味がわからん思わせぶりSF映画になってしまうんだろうな。ちゃんとした映像、音響でみるともうそれだけで大満足だ。なんかBD+巨大テレビ+音響のありがたみを本気で感じた一本だ。
なんだオレ、ベタほめじゃないか。信者みたいできもちわりぃ。でもホント参った。口直しにチョイ見のつもりがとんでもないものを見させられてしまったよ。マクロスとか頭からすっ飛んでしまった・・・。

おまけ。映画スタート時の演出はマジで機械壊れてるのかと思って、いろんなチェックをしてしまいましたw