市民団体合同の要望書への返答

9月7日に提出した「京都会館の解体をいったん凍結し、再整備計画を再検討することを求める要望書」に対する京都市からの回答が届きました。

平成24年9月13日
京都会館を大切にする会 吉村篤一様
岡崎公園と疏水を考える会 吉田和義様・吉田時雄様
京都会館再整備をじっくり考える会 西本裕美様
京都まちづくり市民会議  中林 浩様
北泉橋を考える会     高川洋子様
松ヶ崎の住環境を考える会 小畑健二様
新日本婦人の会左京支部  奥村陽子様
左京地区労働組合協議会  川上裕光様
初代左京区役所に文化施設を要望する会 代崎芳子様・安本俊昭様
吉田・区役所移転問題を考える会 瀧本清彦様

京都市文化市民局文化芸術都市推進室
文化芸術企画課
京都会館整備担当
電話 366-0033

京都会館の解体をいったん凍結し、再整備計画を再検討することを求める要望書」について(回答)

 平素は京都市政にご協力をいただき、誠にありがとうございます。

 平成24年9月6日付けで貴会から提出を受けました要望書に対する回答として、別添のとおり、「ICOMOS 20世紀遺産に関する国際学術委員会シェリダン・バーク委員長あての市長の返書」を送付いたします。

 今回の再整備は、京都会館を公共ホールとして機能再生を図るために、京都会館の建物価値を十分に認めたうえで、京都会館がその機能を発揮し、使われ続ける会館であるようにと、京都市として現時点で考え得る最適な計画であると考えています。

 また、老朽化し、安全性も含めて機能の低下した京都会館を、公共ホールとして使い続けるための作業であり、これまでの歴史に新たな京都会館の歴史が積み重ねられ、新たな建物価値として評価される時代が来ることを確信しております。

 ご理解のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 添付文書 ICOMOS 20世紀遺産に関する国際学術委員会シェリダン・バーク委員長あての市長の返書(日・英)

添付されてきた文書は、この日に紹介したものです。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20120912
要望書の本文はこちら。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20120906


この件に関して、少し補足を書いておきたいのですが、まず文中の「最適な計画」についてです。これはこの日書いたように、音楽関係者や建築専門家の入った検討委員会では 検討したが採用されなかった 案であり、京都市が密室で決めて発表しただけの、関係者や専門家からすれば疑問だらけのプランです。私がこの問題に注目するようになったのも、京都会館そのものが好きだとか価値があるとかいうより、単純に音楽ホールとして見て 出てきた計画が変過ぎるから という理由でした。当初は、計画があまりにも不自然で、ホールの平面計画に対して不釣合いな高さだけを求めているので、高さ規制緩和の第一号としてスケープゴートとして使いたいなど、他の目的があるのではないかと疑ったものですが、そうでも考えないとこの行動に合理性があるとはとても思えなかったからですが、最近は、そういう種類の合理性を想定すること自体が大いなる誤解であり、本当に本気で、単に無知で、1回発表した計画を変えたくないだけの馬鹿なんじゃなかろうかと疑っております。

要は、関係者や専門家が検討したらこういうプランにはならないということです。日本の方はみな真面目で素直なので、「最適である」と言われたら「最適なのねー」と思っちゃうし、「老朽化」「安全性が」と言われたら「そうするしかないのねー」と思っちゃうし、まさか市の直前までの検討で違うプランが推されていたとか、老朽化や耐震性の調査は済んでいて現在の躯体で補強をすればOKという判断が出ていたなどとは思わないことでしょう。そういう状況の中で、なんの根拠もない断言をすることによって、こんだけ断言するってことはそれだけの根拠があるんだろうと聞いた側が勝手に思ってくれることを折込済で「言ったもん勝ち」「やったもん勝ち」の戦略を取るという手段が、ある特定の業界では使われてきたわけですが、それに対してまともに取り組むとあまりにも断絶していて話が通じないので放置してきたわけですが、昨年放置することの罪というものをつくづく自覚したので、なんとしてでもそれは断ち切らなければいけないと思う次第です。

今日の話はまとまりがないな。