JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

アナーキー・マジカルカナブン・てっちゃん

 ちょっと前にお葬式をやって思ったのだが、本当に親戚やらを集めたり宗派の違いだったりで調整するのが大変であった。
 「おれぶっちゃけ無宗教ッスよ〜」
 暢気に言おうものなら多数決で袋叩きの世界である。まあ幸い自分とこは父の葬式で浄土真宗と判明して胸をなでおろしたのだが実際その辺の面倒を強引にでも取っ払って都会的に解決させようと作られたのが最近のいわゆる新興宗教でその側面は否定出来んと思う。
 いや、まあ宗教観など薄れている昨今とか言うけれど、お年寄りの人々を納得させる葬式と事後処理を出来たのは幸いであった。いやまだ納骨場所が終わってないので大変なんだけど、それは父方の菩提レベルからと判明したので両親レベルの解決が必要と判明して、猶予も出来たところで。

 と、真面目にカミさんと弔ったあとでこないだバンドのライブ練習。めんどくさいので自宅でやったのだが、終わった後悪酔いしたメンバー・てっちゃんがロッケンローラーらしくカミさんの仏壇を背に
 「幽霊なんて存在しないッスよ!おれ見えるけど!!」
 「ジマさんとっとと忘れちゃいなよ!!次!次!」
 「つーかジマせん最近オカルト入ってるッスよ!!もうちょっと現実見ましょうよ!!」
 遺影と仏壇を背に矢継ぎ早に不謹慎な話を連発。本物のパンクだと思った。普通なら確実に嫁に祟られそうな現場なのだが実はこのてっちゃんという男、無宗教とかいいながら霊感がひときわ強いらしいのである。踏切とか行くと結構な確率で見えると聞いた。そしてこいつが23年前
 「ジマさんに足りないのは恋ですよ!誰か付き合いましょうよ!!」
 と進言してから、実はカミさんと付き合いだしたのである。うーん、ひょっとしておれもカミさんも、このてっちゃんの人生の物語の登場人物に過ぎないのでは?そんな気がして怖くなってきた。てっちゃん、最高にカナブンくらいの輝きを放つオッサンである。写真のこの顔!!呆れるほどの無宗教!!