JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第70話「あんたこのおにいちゃんに超電磁砲をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、自由と繁栄を謳う

脚本:ドブ沢ニコルソン
監督:大熊ニコルソン

あらすじ

 歪曲された時代考証の弊害で市中取り締まりの強化された江戸。そんな中一人の一匹狼の仕業人・青二才の玉助(山本一郎)が立ち上がる。飼っていたジャンガリアンハムスター(野田クリスタル)を世話してくれた蘭方医デジタルツーカー博士(クリストファー・ロイド)が、町奉行の尋問により「ニポーン、ダイスキ」と言わせられる辱めを受けたことに怒り心頭。この排外主義と国粋主義の蔓延るジャップランドは殲滅しなくてはならない、と意気込んだ玉助は超電磁砲を独力開発し五重塔へと立てこもり、特に恨みとかはない善良奉行(今井健二)、時代考証を間違えて就任した老中・河野太郎マック赤坂)、脚本家早坂ニコルソン(若林正恭)の三人を狙撃しようと試みる。事態を察知した仕業人ほか裏稼業の住人たちが呆れながら見守る中、果たして玉助の身勝手な凶弾の行方は…しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

最期はコミカルブリッジが流れる中五重塔とともに無意味に爆死した青二才の玉助。「義憤に駆られた請負による計画殺人とは、浅はかなテロリズムと変わりないのではないか?」という深遠なテーマをスラップスティックコメディ調に、ドライに描き切った作品に仕上がった。

解説

 放送当時頻発したテロ事件(いわゆる火星統一連盟騒乱)をうけて制作されたカウンター的なシナリオとなっており、世情を鑑み結局弾道に通りすがったお兄ちゃん(鳩山由紀夫)、奉行その他3人の順で美少女に変身というマイルドな展開となった。しかしそれはそれで視聴者たちの性癖を歪ませる結果になってしまったと山内ニコルソンは語る。ラストは意味もなくありったけの火薬で撮影所全体を爆破したが、偶々コンビニに買い物に行っていたドブ沢ゲル美氏は無事で、ドブ沢ニコルソン氏は臍をかんだという。

五重塔は倉橋ニコルソンがわざわざ建造し、五と三を豪快に勘違いし三重塔状態で完成させた。五重塔登場シーンで後ろから聞こえる「え?この漢字って3のこと?」という叫び声は倉橋ニコルソンのものとのこと。

次回予告

私は結局、何もわかっていなかった。あの人たちの怒り、悲しみ。昆布が海の中で、出汁が出ないのは何でなのか。どういう手の動きをしたら、あんなふうに見えるのだろう。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第69話「あんたこのポイ捨てNO宣言をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、指揮される

脚本:野上ニコルソン
監督:松野ニコルソン

あらすじ

 原子力発電所の暴走の件でSNSが大炎上した嘉吉。ビーナス屋公式アカウントには毎日暴言が書き込まれ、遂には店に突撃するものまで現れる始末。イタズラ動画を撮ろうとしていた主水のクラスメートの女子高生・ロミっち(内田裕也)を現行犯で捕まえた嘉吉は、反抗的な彼女を問い質すうちに先の件で江戸の電力供給が不安定になったこと、時代考証の歪曲による不合理が正されることによりネット回線の存在が消滅の危機にあることを思い知らされる。一方で嘉吉の時代考証と必然性のなさに苦しむ姿に共感し、LINEを送りあうようになったロミっちは、教室での些細ないさかいで同級生でいじめグループのめぐたん(カニバブラー)・念仏のペコ(ザンブロンゾ)と衝突し、嘉吉との交流をゴシップとか大好きで趣味は拡散の旗本・樫是涸之助(ピーポ君)に暴露され、巷での炎上の餌食となってしまう。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

嘉吉との悲恋を演じきった内田裕也氏は、この演技で日本のロック興行を当時従前型であったヤクザ興行から切り離すことに成功し、音楽史に燦然と輝く功績を成し遂げた。

解説

 近頃のネット炎上を揶揄する現代風刺回としての側面が後世では取り上げられがちではあるが、嘉吉とロミっちの悲恋を描いたラブロマンス回としての評価も高い。旗本・樫是を異次元殺しにかけながら「おめえの顔写真と禄高が江戸の連中に晒されようと、あの子は帰ってこねえんだ!」と熱い台詞を吐き、涙を浮かべながら仕置きをする嘉吉の姿が印象に残る。旗本樫是は誰も演者をやりたがらないまま撮影開始し、やむなくそこら辺にあったピーポ君人形を使用し事なきを得た。声は松野ニコルソンが裏声で担当した。

撮影に使われたピーポ君人形。8000年の歳月を経て最早成立当時の原形をとどめていないデザインとなっている。

次回予告

やる必要など何もなかった。激しい怒り、憤り、そんなものはどうでもよかった。誰もかれもが、何もかもが空回りして、今適当に爆発で落ちをつける。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第68話「あんたこのクックパッドをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、ミドリムシの出産にたちあう

脚本:ドブ沢ニコルソン
監督:大熊ニコルソン

あらすじ

 和紙の産地として知られる房州のある村はその年増え過ぎたキョンたむらけんじ)の食害に遭い畑が壊滅。百姓・萬蔵石橋蓮司)は同じく食い詰めた数名を集め、紙問屋どんぐり屋の丸兵衛(スーパークレイジーさん)の長男勘太(イーロン・マスク)を誘拐し、良心の葛藤に苦しみながら身代金を強請り取らんとする計画を実行に移す。Twitter買収中の勘太を巧みに誘し、丸兵衛からは身代金の334両をせしめることにも成功。あとは勘太を無事に引き渡せば人知れず終わり、というところで仲間のクボ吉(やす子)が青い顔をして萬蔵のもとに駆け付ける。勘太を匿った富津の岬に聳え立つ謎の建物は、よりによって嘉吉が時代考証を越えて電気を使用するために建設した個人所有の原子力発電所であり、何かしらのはずみで人型ロボに変形、勘太を乗せたまままっすぐ江戸に向かっているのだった。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

勘太を演じたイーロン・マスク氏はTwitter買収中ノリノリで参加。撮影中に変な指示を与えて重篤なバグを引き起こし、青バッジがユーザー全員につくなどのトラブルが発生した。

解説

 「今度こそゲル美を殺すつもりで書いた」と胸を張るドブ沢ニコルソン作品。時代考証を超越してしまう嘉吉の業が深く描かれ、結局やいとやが放射能汚染から江戸を守ることになる結末と相まり新仕業人チームに亀裂を走らせる展開となっている。この回から最終回へと続く殺伐とした作風を予兆させる佳品となった。出戻り銀次の入浴シーンや、嘉吉の伝説のアメリカンフットボール殺しなど外連味のある演出も満点で、この回をベスト・エピソードに選ぶ人も多い。

脚本上では簡素に変形するだけのはずだった原子力発電所だが、倉橋ニコルソンの無駄に手の込んだ造形で作中の通りに。着ぐるみ等なく自立・自走後意思を持ち、人類の手に余り太陽系外に放擲された。放映当時のファンアートや同人誌などに多く見られる嘉吉の赤スーツ姿は後期話数数回に見られインパクトを残した。

次回予告

知ってしまった人の痛み、そして悲しみ。このやりきれない気持ちをせめて、あの人に伝えたい。404エラーです。しばらく時間をおいて接続しなおしてください。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第67話「あんたこの社会道徳ゼロをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、バーチャルリアリティーに仰天する

脚本:安倍ニコルソン
監督:渡邊ニコルソン

あらすじ

 借り手こそ見つかったものの、引っ越し以来人っ子一人出入りした様子のない中村家の間貸し部屋。家賃だけはちゃんと払いが良いからとばかりに放置していたものの、入居から三月にもなりこれではと主水は気にかかってしまう。一方その頃宇宙に出稼ぎ中のせんとりつが拝領したその日の仕事は、超時空戦闘機(阿藤海)に搭乗し惑星の危機を救うというもの。オプション4人(ゴスペラーズ)を引き連れ、スポンサー・藤商店のからし酢味噌をレーザーのごとく噴出、よくわからないモアイや触手などを蹴散らし機械要塞を突破した。その頃間貸し部屋が気がかりであった主水は嘉吉を引き連れ、中を覗く決意とともに引き戸を手にかけた瞬間、轟音のような爆発音が響き、からし酢味噌まみれになった室内から一機の戦闘機が脱出していったかと思うや、巨大な脳のような生物が消滅していき…しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

今作では大幅に出番の少ない菅井きん氏は放送当時身内に他惑星人との縁談が持ち上がっており、地球の時代劇出演で支障が出ることを危惧。宇宙に出稼ぎに出る設定を条件に承諾したとのこと。

解説

 宇宙に行ったままなかなか帰ってこないことに腹を立てた菅井きん氏のスポンサー・藤商店からの猛プッシュでせんりつ主役編が実現。「藤商店の本社工場はリンガーハットの居抜き」というどうでもいい地元民トリビアからし酢味噌ガチ勢の心を打ちまくる。ストーリーも捻りがあり、実は惑星の危機はオプション四人の策謀というどんでん返しと、触手たちと性的密通関係にあるというねちっこい人間模様が描かれるところは、安倍ニコルソンの面目躍如といったところ。

仕事人SPの末期感が漂うモアイ破壊シーン。なんだかなあというクオリティのモアイの造形は、新仕置人劇判のなんちゃってインベーダーな曲も相まって必殺らしいたまにやらかすへっぽこ演出感を醸しだした。

次回予告

俺たちが生きるためにはそうするしかなかった。追い詰められた者たちの怒り、悲しみ、そしてイーロンマスクの迷走。正しい時代考証とはいったい何なのか。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第66話「あんたこの柴田恭兵をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、タイガーバームガーデンに行く

脚本:野上ニコルソン
監督:工藤ニコルソン

あらすじ

 往診が夜中までかかり、日を跨いだころにくたくたで帰宅したやいとや。ふと自宅の前を横切る動物の影を目撃、はじめは狸の類かと思われたが目の辺りに白い筋が2本、尻尾には縞模様が見えそれはアライグマ(小泉純一郎)で、時代考証から外れている上特定危険外来種に指定された動物であった。在来種保護の観点から幕府に目撃メールをしたため、駆除要請をすると主張するやいとやに対し、時代考証から外れ生きる嘉吉はアライグマにシンパシーを覚え猛反発する。そのアライグマは獣の身でありながら呉服問屋御船屋の奉公人として真面目に働いていたが、旗本・武田(YOSHIKI)の召し物を外来種がいっぱいの池の水で洗ったことを主人・利兵衛(ダライ・ラマ8世)に咎められ、残念ながら外来種ということで池の水の泥と一緒に処分されてしまうことに…。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

60話「あんたこの波乗りジョニーをどう思う」に続いてアライグマ登場。これは山内ニコルソンが手掛けた前衛ドラマ「お危険外来種小危険外来種」からのスピンオフとみる向きがある。

解説

 アライグマ目撃のエピソードは最近流行の怪談動画風の演出で進められ、「これは仮にYさんという方が実際に見た話なんですが…家の前をなんだか、ばたばたばた、ばたばたばたと大きな獣が…」と人気怪談師の毛利ニコルソンによる情感たっぷりな語り口が楽しめる。なお放送は春で、真夏の怪談という訳でもなく単にやりたかっただけである。アライグマを演じた小泉氏はおなじみの台詞「感動した!」を様々な感情を込めて叫び鳴き声として各シチュエーションを完璧に演じ分け、視聴者の度肝を抜いた。

収録終了後の小泉氏はこの反動で「感動した!」以外の言葉を一切発することが出来なくなり、エウロパ連邦の木星コロニー侵攻に誤って「感動した!」と発言し宇宙国際問題に発展した。

次回予告

気が付けば誰も忘れていたあの部屋。うっかり覗いてしまったその時、深淵の向こう側からもまた、何かが覗いていたのだ。って多分ニーチェが言ってた。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第65話「あんたこのザ・ちゃらんぽらんをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、今時せがた三四郎に逢う

脚本:國弘ニコルソン
監督:蔵原ニコルソン

あらすじ

 嘉吉の長屋の貧乏所帯のあるじケータリング持ち帰り屋の酉蔵(インポッシブルひるちゃん)は小路の奥の藪の中で、何やら怪しげなピンがいっぱい刺さった洞窟を発見する。奥の方を覗くと水やら溶岩やらが溜まっており、さらにその奥には金銀財宝の類の光がキラキラと光っているのが見えるのだった。一攫千金をと飛びついた酉蔵だったが、うっかり先に溶岩の方のピンを抜いてしまったことが仇となり、奥の方から現れた牛頭奉行(今井健二)の斧によって財宝目前で一刀両断されてしまう。酉蔵の女房えいじ(お見送り芸人しんいち)に恨みを託された仕業人たちはこれに立ち向かうべく戦いに赴くが、戦闘開始直後というのに何も考えず早速現れた「48」のでかい敵の方に立ち向かおうとする主水。何やってんだ!下手か!俺にやらせろよ!と熱くなる嘉吉とやいとや…しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

美術の倉橋ニコルソンの手により京都の某山中に例の洞窟を完全再現に成功。「溶岩は塗料を混ぜた砂利を使いましたが、思ったほど固まりませんでしたね。それよりめっちゃ産廃処理に金がかかりました」(※出典「必殺シリーズマル秘史」高鳥ニコルソン著)

解説

 「ゑぼに~みかどの帰還」なる江戸時代中期の絵草子(作者不詳)を下敷きにしたという格式高めのストーリーとなっている。今作に限ってとにかく全編通して登場人物の知能指数の低い行動が目立つため、大変ストレスフルなエピソードとなっている。特にラストの主水とエイリアンクイーン(ぼる塾はるか)との一騎打ちのシーンでは、子供でも分かるような宝石パズルを幾度となく揃えきれずに時間切れを起こし、敵は倒したものの結果江戸が火の海に。一部火の海マニアから歓声が沸いた。

宝石パズルをなかなか揃えきれないシーンについて藤田まこと氏は「普段だったらなんてことないのにそうさせてしまう。何だろう、これがYoutubeでよく見るあのゲーム広告の刷り込みの恐ろしさなのかって」と語った。

次回予告

何ぃ?じまニコルソンの家の前をでっかいたぬきが通っただと?だったら新仕業人ではアライグマだ。在来種を決めてやる。在来種とは俺のことだ!次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第64話「あんたこのナントカ還元水をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、その扇子、センスいいですねとか言ってしまう

脚本:松田ニコルソン
監督:松野ニコルソン

あらすじ

 かつて剣之介のいた頃の仕業人たちが闇に葬ったはずの犬村猿十郎一座が、その付き人などの手によって細々と再建され、なお公演先の村々で凶行を働いている報が捨三のインスタグラムのDMに届く。彼らに押し込まれた秩父の庄屋一家の生き残りの娘おとね(モーリー・ウイリアムズ)に依頼を請け、小伝馬町牢屋敷近くの格安レンタカーでワンボックスカーを二泊三日で借り、捨三除く仕業人全員でいざ秩父へと向かうことに。あの旅籠の女将が轟音響くコンクリート工場にレトルトカレーを箱で差し入れ、新生一座の行方と彼らの情報を収集。一座は今、秩父の先の甲州は大月で座長の色男(福山雅治)の故郷凱旋公演中だという。地面に穿った大きな穴を指差し「新加入の一之輔という男に気を付けなされ」と怯えた声で語る工員(吉野ロドリゲス)が突然倒れ、その背後から現れる謎の男宮治(ウガンダ)…しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

怯える工員を演じた吉野ロドリゲス氏は、「でっかいUFOを見たアメリカの農夫」をアメリカンにたっぷりと演じ切り、死ぬ間際に放った小粋なアメリカンジョークが目に留まりシリーズ次々回作「必殺立浪人」のレギュラーの座を射止めることになった。

解説

 経費をケチるつもりで保険に入らずに借りたワンボックスを、嘉吉がコイン駐車場の料金所であっさり擦るシーンが印象的な今作。宮治・一之輔(イーロン・マスク)ともに得体の知れない強敵感を出しながら、結局二人とも武器は地味な匕首という腰砕け感が全体を支配する外れ回。なおこの回は一応秩父市大月市でロケが行われ、セーヌ川風の河畔にあるオペラ座風の劇場で福山雅治コンサート風のシャンソンショーが行われる中舞台上での殺しが敢行され、「トレビアン」等のフランス語風の歓声が飛び交った。

シャンソンショーと言いながら5分間ほどおなじみのナポレオンズのマジックショーが挟まり、会場は爆笑とトレビアンの渦に包まれた。

次回予告

溶岩に水をかけて地面は固まるのか。そもそもあの財宝の類を拾ったとして、運ぶのはどうするのか。持って帰っても所有権は自分の物となるのか、いざ定めの時。次週新必殺仕業人、ご期待ください。