元政治学者の どこ吹く風

アカデミックな政治学者には語れない日本政治の表と裏を元政治学者が大胆に論じ、将来の日本の政局を予測する。

東京都議選の惨敗から麻生退陣へ

今夜は都議選に注目♪⇒http://www3.nhk.or.jp/togisen/


http://www.nhk.or.jp/togikouho/


やはり気になる東京都議選

地方公共団体の議会選挙に過ぎないという強気の見解もあるようだが、ほぼ同一のラインナップによる政党政治が展開されている以上、当然のように国政と強く連動する。


報道によると午後3時現在の投票率が29.22%で前回の25.35%を大きく上回っている。

ちなみに前回の最終の投票率は43.99%。この勢いで投票率が伸びると最終投票率は50%を確実に越え55%に近づくと思われる。

都議選、投票進む=与党の過半数、第1党焦点−深夜に大勢判明
 次期衆院選の前哨戦として各党が総力を挙げた東京都議会議員選挙(定数127)の投票が12日、約1800カ所の投票所で行われている。午後8時に締め切られ、即日開票される。大勢判明は深夜の見通し。選挙結果は、自民党内の麻生太郎首相の退陣を求める動きや、衆院解散の時期に影響を与えるのは必至だ。午後3時現在の投票率は29.22%で、前回(25.35%)を上回っている。
 党派別の立候補者数は、自民58(現有議席48)、民主58(同34)、公明23(同22)、共産40(同13)、東京・生活者ネットワーク5(同4)、社民2(同0)、諸派13(同1)、無所属22(同3)となっている。
 先の静岡県知事選など大型地方選で4連敗中の自民、公明の与党が、勝敗ラインとする過半数の64議席以上を維持できるかが焦点。都議会第1党を目標とする民主と、自民の対決結果も注目される。共産は「自公民」との対立軸を強調、地域政党生活者ネットは、生活者の視点による都議会改革を訴えた。社民は議席復活を目指している。
 衆院選の前哨戦として位置付けられる一方、経営再建中の新銀行東京への対応や、築地市場の移転問題、2016年夏季五輪招致など石原慎太郎知事の都政運営に対する各候補の姿勢を有権者が判断する機会となる。 (2009/07/12-16:19)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009071200048

選挙区ごとの詳しい選挙分析をする用意はないが、おおざっぱに結果を予想してみた。

改選前議席
自民48 民主34 公明22 共産13


投票率50%のとき
自民41 民主50 公明22 共産12

投票率55%のとき
自民32 民主59 公明22 共産11   (※民主には推薦含む)


あくまで大雑把な予測である。
投票率の伸びによる投票数の増を民主党に80%の比重で配分して、選挙区ごとの当落を予測した。

投票率は50%を確実に越えそうなので、自民党の惨敗は決定的であろう。自民党は第一党の座を失い、与党(自公)は過半数を維持できない。


敗北を前提にした上で、麻生総理はあくまで退陣するつもりはないらしい。とはいえ、どの程度の敗北を前提にしているのかはまったく不明である。

解散か退陣か首相剣が峰=カギ握る都議選、政局流動化も
 麻生太郎首相の命運が懸かる12日投開票の東京都議選。首相は直後の衆院解散、8月上旬選挙をなお模索しているが、都議選では与党の苦戦が伝えられ、自民党内の「麻生降ろし」が本格化するのは必至だ。野党による内閣不信任決議案提出の動きも加わり、政局が一気に流動化する可能性もある。
 首相は11日夜、主要国首脳会議(サミット)が開かれたイタリア・ラクイラから帰国。早速、河村建夫官房長官麻生派中馬弘毅行政改革担当相、山崎派武田良太衆院議員らと相次いで会い、党内情勢を聴取した。
 首相は、現地での内外記者会見では、衆院解散・総選挙の時期について「近々判断したい」と表明。都議選に敗北しても引き続き政権を維持する考えを強調した。武田氏らに対しても、こうした方針を伝えたとみられる。
 都議選で与党が過半数を維持すれば、首相は自らの解散判断にお墨付きを得る。逆に静岡県知事選に続く敗北となれば退陣論が強まるのは避けられない。首相が都議選直後の解散を狙うのは、こうした麻生降ろしを阻止する狙いもある。
 野党は早期解散を促すため、週明けにも内閣不信任案を出す構えだが、首相がこれを利用する形で解散に打って出ることも想定される。
 早期解散の場合、衆院選での与党の勝算は期待しにくく、実態としては「破れかぶれ解散」に近い。また、臓器移植法改正案や貨物検査特別措置法案も廃案になりかねない。反麻生勢力ばかりか首相を支えてきた派閥幹部からも解散先送りを求める声が上がるのは、こうした事情からだ。
 党内の先送り論に押されて、首相が会期末の28日ぎりぎりまで解散を見合わせれば、衆院選は8月30日か9月6日となる公算が大きい。
 一方、都議選を受け、一部の中堅・若手は15日の両院議員総会開催を求め、首相に辞任を迫る考えだ。仮に首相が受け入れれば、9月の総裁選が前倒して行われる。
 ただ、「ポスト麻生」は混とんとしている。舛添要一厚生労働相与謝野馨財務・金融相、石原伸晃幹事長代理、小池百合子元防衛相らの名が上がるが、いずれも決め手を欠く。首相が政権運営に強気な姿勢を崩さないのは、党内の「人材不足」が背景にあるとの指摘もある。(2009/07/12-00:23)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009071200005

私の予測では、都議選での自公過半数の維持はない。

自民党内で退陣論が再び一気に燃え上がるのは必至であろう。

とはいえ、重要法案の審議途中で麻生首相が「どうにでもなれ解散」に打って出ることもできないだろう。麻生太郎は、都議選がどんな結果であれ、あくまで退陣せずに国会審議を続ける決意のようである。

果たして麻生首相はいつまでもつだろうか。

昨年9月の首相就任直後の臨時国会冒頭解散という決定的なタイミングを逃したツケは大きい。それは議院内閣制の首相であるにもかかわらず総選挙を通じての民主制的正統化という手続きを欠いているが故の苦しみでもある。


参考までに昨年9月の日記をどうぞ♪
2008-09-24 - たかはしはじめ日記 政治学者 高橋肇のメモランダム
2008-09-22 - たかはしはじめ日記 政治学者 高橋肇のメモランダム
政治学者の予測もなかなかたいしたものかもしれない。


とはいえ日本の政党政治の再建なしにこの状況は−民主党政権になっても−変わらないのであるが。




↓↓著者渾身の書き下ろし。同感するところ大である。参考までに。

政治の精神 (岩波新書)

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