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明治天皇と日露大戦争(★★★★★)

おすすめ度★★★★★(5段階)
一言紹介:アラカン明治天皇のもと、国民一致団結して国難に当たる。世界一感動的な戦争映画!
1957年、新東宝製作。
監督:渡辺邦男、音楽:鈴木静一、脚本:館岡謙之助。
出演:嵐寛寿郎明治天皇)、林寛(乃木将軍)、田崎潤(東郷元帥)


 観客動員数1300万人、寛仁親王殿下もご学友と(伊藤博文の曾孫と、西郷隆盛の曾孫と、明治天皇の曾孫=親王殿下の3人)ご一緒に学校をさぼって見に行かれたとのこと。靖国神社遊就館でも定期的に上映されている。
 新東宝創立10周年記念作品、「全国民が一人残らず見る映画」「日本映画創始以来の最大巨編」である。


 ストーリー:明治天皇の悲願もむなしく、ロシア交渉に応ぜず、国内世論沸騰し遂に日露国交断絶、皇国の存亡決す時来る! 陛下の大御心に誰もが感動を禁ずる能わず。難攻不落の世界最新、最高の旅順も陥落し、続いて奉天大会戦勝利、日本海大海戦勝利、これ一に陛下の御稜威による。
 日露戦争の要点をテンポよく描きつつも、明治大帝の皇居での様子を場面場面に挿入し、見ていて非常に楽しいものになっている。明治そして昭和という時代の熱気を見事フィルムに反映し、軟弱な現代人には決して作れない超大作、超名作である。
 鬼気迫る脚本、演出、日本の戦争映画最高傑作。日本人にとって、いや全世界の有色人種、非キリスト教徒にとって世界一感動的な戦争映画!


 アラカンこと嵐寛寿郎明治天皇は、まるで本物そのままだ(いや本物知らないんだけどね)。思わず姿勢を正してしまう。明治天皇が何か仰せられる度に、こちらは感動して涙が出そうになる。とにかくこれは実際に見てもらうしかない。私の持つ明治天皇のイメージはアラカンで固定されてしまっている。
 田崎潤の東郷元帥は、後に三船敏郎も演じたが、背の低さなどは田崎潤のほうがイメージ通り。出番はさほど多くないので、三船敏郎が演じた「日本海大海戦」も見るといいかもしれない。
 「日本海大海戦」では乃木将軍を演じたのは笠智衆で、これがいい感じだった。林寛も悪くはないが。
 キャストはメインの3人の他に乃木保典(乃木将軍の次男)で高島忠夫井上馨で藤田進、それ以外にも丹波哲郎勝新太郎などがいる。私がよく知らないだけで、豪華なキャスティングだと思われる。
 日本海海戦の特撮は、さすがに東宝円谷英二と比べると劣るが、迫力は結構ある。まあ時代を考えれば十分、合格点か。
 音楽はメインタイトルのマーチなど、なかなか魅力的。この映画では後の映画ほど君が代は目立っていないが、それでも一度流れる。軍艦マーチなども流れる。伊福部昭の曲とはまた違った威風堂々な感じだ。


 勉強になるのは東宝映画「日本海大海戦」だが、あれは映画としていまいち面白くない。本では岡田幹彦の「乃木希典―高貴なる明治」「東郷平八郎―近代日本をおこした明治の気概」がおすすめだ。他にはスタンレー・ウォシュバンの「乃木大将と日本人」がある。これだけ読めば、一通りのことは分かる。
 DVDは東宝映画のようにデジタルリマスターされているわけではないらしく、画質、音質が悪い。政府でも靖国神社でも何でもいいから、この映画のデジタルリマスターをしてくれ。国宝級の映画ですからね。
 この映画の空前の大ヒットを受けて、「天皇・皇后と日清戦争」(後に「明治大帝と日清戦争」に改名されたが、天皇・皇后のほうが内容と合っていて好きだ)、「明治大帝と乃木将軍」が制作された。「明治大帝と乃木将軍」はいまいちだが、「天皇・皇后と日清戦争」は文句なしの名作で、必見である。そもそも日清戦争をテーマにした映画はかなり少ない。もしかすると他に存在しないかもしれない。


明治天皇と日露大戦争 [DVD]

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これは廃盤。
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現在売っているのはこっち。