独白

・「読者が選ぶビジネス書グランプリ」なる賞がいつの間にかできていた。さすが世間知らず。
 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2017」受賞作品は『ライフ・シフト』(東洋経済新報社)だそうな。
 著者は『ワーク・シフト』(プレジデント社)のリンダ・グラットンと、アンドリュー・スコット

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

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 「紀伊國屋じんぶん大賞2017」受賞の『戦争まで』(加藤陽子/朝日出版社)といい、「ハーバード・
 ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書2016」受賞の『ビジネススクールでは学べない世界最先端
 の経営学』(入山章栄/日経BP社)といい、なんかネームバリューに引っ張られ過ぎていないか?
戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

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ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学

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世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

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 読者参加型の決定方法なんだろうけど、その読者は年間どれくらいの量を読んだ上で投票しているんだろうか。
 文庫・新書込みで週2冊、年間100冊程度が投票資格の最低ラインと思うが、まだ低すぎるような気もする。
 なんか民主主義とポピュリズム権威主義とかを考えさせる。社会科学書や人文科学書、自然科学書を読むとき、
 たぶん、当たり前に「批判的」という態度が当然に前提とされるように思うんだがどうだろう。
 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン等が携わっている「ビジネス書大賞2016」の結果がどうなるか。
 下手したら、各賞、「新人部門」を設けないといけなくなるような気がする。
本屋大賞」の変質も気になる。こっちは書店員だけが投票権を持っているだけにさらに余計深刻。

と、どこかで誰かが言っていたような気がするのだが、ひょっとしたらその人は天邪鬼なので的外れな批判かもしれない。