ケーディスという男〜 GHQ憲法の仕掛け人

日本の伝統を破壊し、共産革命へ導こうとした首魁。GHQ憲法の仕掛け人。


 白洲次郎は戦後、終戦連絡中央事務局次長としてGHQと渡り合った人です。次郎は次長に抜擢された当初「敵を知り己を知らねば」と考え、GHQ民政局に入り浸ります。「ミルクマンです。ミルクの御用はありませんか?」といいながら近づきます。英国の会社では3時ごろになるとミルクマンが鈴を鳴らしながら紅茶とクッキーを持ってオフィスを回る習慣があったのです。次郎は接待費を使って高価な葉巻やサントリーオールドを配りあるきました。そして民政局の影の実力者がケーディス大佐であることを見抜いたのです。これより白洲次郎とケーディスの死闘が繰り広げられることになります。

 GHQの犯した罪の最大級のものの中に「GHQ憲法」押し付けと「教育勅語」の廃止があります。ケーディスはこの2つの首魁でした。
 ケーディスはOSSというCIAの前身にあたる組織に属していました。このOSSはフランクフルト学派と呼ばれる知識人向けマルクス主義者の巣窟になっていました。フランクフルト学派の多くはユダヤ人であり、ケーディスもまたユダヤ人です。ケーディスは当然、フランクフルト学派の影響を受けていたでしょう。GHQ内では彼ら一派を「ピンカーズ」(赤いヤツ 共産主義者)と呼んで嫌っているグループもありました。OSSの計画では天皇を温存し、その伝統の力を利用して国内を対立させ、軍事力の膨張を抑える方向へ誘導することでした。GHQ憲法では国民主権をうたい、皇室と対立可能にしたわけです。GHQ憲法九条は革命時に軍隊があると邪魔されるとの思いがあったのです。九条はケーディス自身が起草しました。ソ連型の暴力的革命路線ではなく、フランクフルト学派の路線である内から壊して革命に導く路線です。

 ケーディスは知日派共産主義者ハーバート・ノーマンを右腕に持ち、教育勅語を排除するよう働きかけました。ノーマンは日本に来ていた宣教師の子供として育ち、日本語に熟達しており、イギリス留学中に共産党員となり、カナダの外交官となっていた人です。日本についての知識と思想のためにGHQの民政局に招かれていたのです。このノーマンの日本史論文の個人教師役をしていたのが、羽仁五郎という人で参議院議員をしていました。羽仁氏は参議院の文教委員会で「主権在君の原理に基づいて、命令として強制された教育勅語は、民主主義と国際精神を否定するものである」と述べています。つまり一連の共産主義者教育勅語を廃止に追い込んでいったわけです、

 白洲次郎らはGHQ憲法に必死に抵抗しましたが、ケーディスらは憲法に異常なまでの執着心を示し、威嚇によって押し付けました。しかし、その後、次郎らはこれ以上、ケーディスの横暴を許してはならないということで、懸命に動きます。吉田総理はマッカーサー「日本を赤化させるつもりですか」とストレートに言ったといいます。また、吉田総理はケーディスに対しても昭和24年1月の総選挙の勝利の後、「Did you enjoy staying in Japan?」と言っています。直訳すると日本での滞在をご堪能されましたか?という意味ですが、「まだ日本にいるつもりか?」という皮肉の意味です。そして遂にケーディスを追い落とすこと成功しました。



参考文献
 講談社文庫「白洲次郎 占領を背負った男」北康利(著)
 総和社「日本は憲法で滅ぶ」渡部昇一(監修)
 ワック出版「歴史通」2009.10『野坂参三 共産政権の誕生』田中英道
 ワック出版「歴史通」2010.01『戦争違反罪人という烙印』田中英道
 ワック出版「歴史通」2010.11『なぜ誕生し、いかに葬られたか』渡部昇一

添付画像
 ケーディス大佐 動画より。

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【伝記】 白洲次郎マッカーサーを叱った男 Part.1
http://www.youtube.com/watch?v=OSmVoM2atVk

【伝記】 白洲次郎 〜 苦渋を舐めた憲法づくり Part.2
http://www.youtube.com/watch?v=vJdVvXv87j0

NHKではケーディス大佐にまとわりつく赤い奴らへの言及はない。なぜならNHKがピンカーズに支配されたから。歴代NHK会長を調べればわかります。

【伝記】 白洲次郎 〜 戦後復興への挑戦 Part.3
http://www.youtube.com/watch?v=fVKW7JRk8Sg

【伝記】 白洲次郎 〜 日本経済の礎を築く Part.4
http://www.youtube.com/watch?v=bY5qo7pz1jU