無視される辺野古住民の意思

「テント村」は大迷惑、基地は容認が辺野古の意思。


辺野古座り込み あす3000日
沖縄タイムス 2012年7月4日 09時30分

 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対する住民らの座り込みが5日、3000日を迎える。稲嶺進名護市長が反対し、仲井真弘多知事も県外移設を求める中、同計画は暗礁に乗り上げている。住民らは「諦めなければ、国の政策を揺るがすこともできる」と活動を継続する決意を固めている。
 ヘリ基地反対協議会は4日、名護市民会館で「辺野古座り込み3000日のつどい」を開催する。・・・続き http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-07-04_35911

 こうしたニュースを読むと辺野古の住民が米軍普天間基地移転に反対して、運動しているに思えてしまいます。朝日新聞デジタルでも同様の記事(※1)を書いており、「テント村」で抗議活動する人たちのことを書いていますが、実は辺野古の住民は大迷惑しているのです。

辺野古「テント村撤去を」住民763人の署名提出
 日米両政府が米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設を目指す沖縄県名護市辺野古区の大城康昌区長は2日、移設に反対する市民団体が座り込みを続けている「テント村」の撤去を求め、区民763人分の署名を稲嶺進市長に提出した。・・・続き http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120303-OYS1T00219.htm (2012年3月3日 読売新聞)

 「テント村」は市所有の土地を勝手に使用して住民の憩いの場を奪っていたのです。それから辺野古の住民は条件付きで基地の受け入れを認めており、反対派はごく一部です。(※2) 「テント村」で騒いでいる人たちは住民とは関係のない別のところからきた人たちです。こうした事実はほとんど報道されず、「基地反対」だけがテレビ、新聞紙上を賑わせているのです。

 産経新聞那覇支局長の宮本雅史氏は辺野古のある飲食店に取材に訪れました。普天間飛行場の移設のことで話を聞きたいというと、怪訝な顔をされ「新聞記者が取材に来たのはあなたが初めてだ」と述べました。

「街にはいろいろな新聞社やテレビ局が来るが、みんな反対派が集まっているテント村にだけ行って、我々の声を聞こうとしない。最初から反対ありきだ」(※3)

 かつてベトナム戦争の頃まで、辺野古は活気ある街でした。
同飲食店主「街全体が活気に満ちていた。どの店にもホステスが七、八人いて、一日の稼ぎは3000ドルのあがり。25セントあれば、こどもとバスで名護までいき、そばを食べて帰れた時代だ」

 ベトナム戦争が終わると米兵の数は減り、街は急激に寂れていきました。もともと辺野古には産業がなく、農業のほかは山から切り出す薪を貴重な収入源にしていました。辺野古の過疎化は進む一方となりました。宮本雅史氏の取材によると住民は次のように口々に語ります。

普天間を受け入れた場合、騒音問題や漁業問題をどうするかによるが、基本的には条件次第で受け入れ容認」「辺野古への移設は国が一度は決めたこと。普天間が移設された場合、海兵隊と実際に付き合うことになる我々が受け入れると言っているのだから問題はないはず。ところが、そうした我々の声は一切、報じられない

 地図を見てもらうとわかると思いますが、名護市は東シナ海側が市街のほうで、山を隔てて東側太平洋側が辺野古です。基地の騒音や事故のリスクを負うのは辺野古であって市街側は影響を受けません。辺野古の民意こそ重要なのですが、マスコミは取材さえしないのです。これが日本の言論空間の実態です。

 米軍基地はないほうがいいに決まっています。しかし、現実に直面したとき、日本が自主防衛可能になる目処はたってませんし、何より住民にとっては生活がかかっているわけです。キャンプ・シュワブもなくなったらどうすればいいのか。

 キャンプ・シュワブでガードマンをしていた60代男性。
「我々が一番心配しているのは、ある日突然、キャンプ・シュワブがなくなったらどうするかということだ。アメリカさんのことだから突然、撤退を決めかねない。キャンプ・シュワブがなくなったら我々はどうすればいいんだ。ホームレスになってしまう」
アメリカはかつて、フィリピンから突然、撤退した。その後、何が起きたか?南沙諸島に中国が出張ってきた。日本と沖縄は以前から、尖閣諸島問題を抱えているが、日本に軍隊がない以上、もし、沖縄から米軍がいなくなったらどうなるか。火を見るより明らかだろう」

 それと基地反対派は「ジュゴン」という哺乳類の動物を守れといいます。沖縄出身のジャーナリスト・恵隆之介氏が辺野古で30年以上漁師をしている住民に調査しましたが、実物を見たという人は皆無だったと述べています。そして「名護市民はイルカを食っているのである。『ヒイート料理』と言われ、名護市の名物になっている。反対派は同じ哺乳類のイルカは食べておいてジュゴンを守れという、実にデタラメな話である」と苦言を呈しています。(※4)




※1 朝日新聞デジタル 「辺野古NO」座り込み3000日 「撤回されるまで」 http://www.asahi.com/national/update/0705/SEB201207050005.html
※2 大城康昌 辺野古区長の記事が世界日報にある http://www.worldtimes.co.jp/special2/hutenma/main.html
※3 角川学芸出版「報道されない沖縄」宮本雅史(著)より
※4 WAC「誰も語れなかった沖縄の真実」恵隆之介(著)より

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 辺野古のテント村 動画 【在特会沖縄県辺野古テントへのカウンター1/3 より http://www.youtube.com/watch?v=y2EPMsRuims

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