2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

本日の朝日新聞の書評欄

今日の朝日新聞の読書欄に、斎藤環氏によるJ・ダイアモンドの「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」の書評がでていた。書評といっても、今良く売れている本をとりあげてなぜそれが売れているのかを考える欄でもあるのだが。 「『銃・病原菌・鉄』のベストセ…

今日入手した本

精神の危機 他15篇 (岩波文庫)作者: ポール・ヴァレリー,恒川邦夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/05/15メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (30件) を見る わたくしは筑摩の「ヴァレリー全集」を半分くらい持っている。購入…

東谷暁「経済学者の栄光と敗北」(6)カール・ポランニー ドラッカー

カール・ポランニー ハイエクの「隷従への道」が刊行された年にポランニーの「大転換」も刊行されている。しかし、それは何から何まで正反対の本であるという。ハイエクが自己調節的市場を西欧の自生的叡智の結晶としたのにたいして、ポランニーは、自己調節…

東谷暁「経済学者の栄光と敗北」(5)ハイエク

ハイエクは「隷従への道」で「われわれは自由というものが一定の価格を払って初めて得られるものであるということ、そして個人としてのわれわれが自由を保持するためには、きびしい物質的犠牲を払う用意をしなければならないということに、目を開くことを虚…

今日入手した本

大人にはわからない日本文学史 (岩波現代文庫)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/06/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る 書店で偶然みつけた。高橋源一郎というひとは典型的な眼高手低のひとだと思う。言いたいことが…

東谷暁「経済学者の栄光と敗北」(4)フリードマン・ベッカー・ボズナー・ルーカス

フリードマン ケインズ派の旗色が悪くなったのは1960年代後半からのスタグフレーション(インフレ下での失業の増大)にサミュエルソンたちが何ら有効な処方箋を提示できなかったからである。 スタグフレーション以前ではインフレ率と失業率はトレード・…

東谷暁「経済学者の栄光と敗北」(3)サミュエルソン・ガルブレイズ・ミンスキー

サミュエルソン 「サミュエルソンという名前を聞くと、いま60歳以上の熟年は彼の教科書「経済学」を思い出すといわれている」のだそうである。現在66歳のわたくしにはその通りである。「皆が皆、サミュエルソンの教科書を読んだわけではない。当時は、ま…

東谷暁「経済学者の栄光と敗北」(2) ケインズ(2)

この東谷氏の本は、それぞれの経済学者の学説を伝記的なエピソードもからめてみていこうとするものなので、ケインズの場合も、その「若き日の信条」などに描かれたアウトサイダー的なケインズ像と、後年英国のために粉骨砕身して献身するケインズ像との違い…