評価の一元化

かつてjo_30は「ゆるやかなサイト連合」としての「ポータルサイトはてな」について語り「はてなIDが通貨となる」可能性について語りましたが、そのために必要なのは、それぞれのサイトで通用しているはてなIDに対する「評価」を一本化する作業ではないか? と、ふと考えました。それは現在の「人力検索ポイント」とかではなく、「はてな」内部での振る舞いを元にその人のコミュニティへの貢献度を表すような制度です。現状では、フォトライフでどれだけおもしろい写真を公開し人々がそれを楽しんだか、ブックマークがどれだけ他の人に参照され利用されたか、どれだけ有効な回答を行ったか、ダイアリでどれだけ有用なエントリを書き続けたか…はそれぞれ異なる尺度でしか評価されなかったりそもそも評価自体得られなかったりします。それをたとえば★マークの累積……というような形で一本化することができれば、「私ははてなID××で、★17個の持ち主です」ということの意味が増すのではないでしょうか。個人的には、この★は「有効と見なされる行為」に対し「そのジャンルの一般的な能力の持ち主がどのくらいの時間を費やすれば同じくらいの成果をあげることが可能か」といった基準で評価されるのが良いと思います。個人的には「よく参照されたダイアリのエントリ一つ」が「有用とみなされる人力検索の一回答/質問」と同じくらいではないかと思いますし、それはまた「実装されたアイデア一つ」や、「よく参照された写真一枚のアップロード」と同じくらいの貢献度ではないかと感じられます。これらをそれぞれ1はてなポイントとして、30hpを★一つ、とするとか。これはユーザーをランク分けするものではなく(かけた時間によって当然★の数は増大していく一方なので、「質」を保証する評価ではありません。まあ悪質な行為に対して「★の剥奪」はあってもいいと思いますが。)単に「功績」を表彰するものです。*1
ではこのID一元的表彰制度は何の役に立つかというと、それはいわば「はてな」における「公共心」を醸成するためのシステムということができると思います。自分の「はてなID」に帰属意識を持っている人ほど「はてな」のために活動する傾向が強く、そうでない人ほど逆の傾向が強いということは一般に言えるのではないでしょうか。ならば、「自分のはてなIDに対する帰属意識」を強めるインセンティブを作ることで、「はてな」の為を考え活動する行為を増やす…というのがこのシステムのねらいです。また、現在「ダイアリだけ」とか「ブックマークだけ」で活動する人々の活動範囲を広げることも期待できます。「はてなIDこそがはてなという世界における通貨」という話を以前しましたが、現状ではフォトライフで活躍しておられる方のコミュニティへの貢献度がどの程度であるか、たとえば人力検索のみのユーザーにはよく分からないわけです。その意味で、IDはまだ「通貨」と呼ぶには物足りない。このシステムはそこを補うためのものです。
…とはいえ、デメリットがないわけではありません。たとえばその計算方法を公開すれば、サーバーに負担をかけるような無意味な競争を煽りかねない。★の付与は自動化されるべきではなく、どこかで複数の人によるチェックが入ることは絶対に必要です。*2。また、従来複数領域で活動していた人が、「自分的には活動時間から考えて○○で活動することは★の数からいって不利だから」ある領域(たとえばダイアリのみ)での活動に専門化していく…などの弊害です。が、これは「★」の設定の仕方の上手下手によるわけで、「★」がはてなコミュニティへの貢献度の正確な評価であればあるだけ、「★」を多く稼ぐ方向にユーザーが動くことはコミュニティの益の増大を意味することも明らかです。★への換算レートは自在に変化してもいいと思います。フォトライフが活性化してほしいとはてな運営が考えたら、フォトライフの★価値が高くなると発表する、など。それによって人の移動を促すこともできる。結構使いであるシステムになると思います。
…てなことを、のまネコ問題の合間に考えました。とりあえずアップしてみます。こういうのってはてなアイデアに出すのがいいんですかね?

*1:サブIDでの振る舞いはすべて本IDのポイントとするようにするのがいいと思います。本IDのありがたみも増すと思いますし。

*2:煩雑さをさけるために、小さい★と大きい★を分け、たとえば自動的に付与される小さい★が30個たまった時点で、それを「大きい★」にすべきか「全て取り消し」か「一部取り消し」かを論議し決定する……などが考えられます。小細工で小さい★をいくら増やしても、大きい★にはつながらない等のやり方を考える。