水曜日には空を見よう 土曜日に笑うため

 デスクワーク。夕食は学生らと遠出して『悟空』(初)へラーメン食べに行く。深いこってり味。チャーシューも柔らかく美味だった。やはり新規店を開拓する努力を惜しむべきではないな、と。
 寝不足が続いていたので、そのまま直帰。水曜日には早く帰ろう。土曜日にバテないため。

 タイトルのフレーズは昔読んだ児童向け小説に登場したもの。作品名(『木曜日のとなり』吉田とし)は忘れていたのにこのフレーズは印象に残っていた。わかりやすい。章ごとに主人公の男の子と女の子が交代で語り手になる構成もよかったな。

バンドデシネ

 2月になるのを待っていたかのように雪が降り出した。結局、1月中は金沢にほとんど降らなかったようだ。今年は「大暖冬」とかで、TV では東京に雪が降らないことをニュースにしていたけど、気象的には東京なんかよりも1月の金沢に降らなかったことのほうが大事件なんだけどねぇ。

■『JAPON―Japan×France manga collection』(2005 飛鳥新社)
 日本とフランスの第一線の漫画家計 17 人が「日本」というモチーフで短編を競作したアンソロジー。出版時には買おうとまでは思わなかったが、たまたまこれの英語版をボルチモアの書店で立ち読みして、面白そうなので帰国後に日本語版を買った。フランス人の作家たちはこの企画のために来日し、それぞれ日本の地方都市に滞在し、その体験と印象を元に漫画を制作している。無色透明のビニール傘に興味を示したり、モリゾーやクーのようなキャラクターを「神」になぞらえてみたりといった反応に「へえ」と思う。しかし全体的に、日本を見つめる彼らの視点はガイジンが異国を観察する手記にしては驚くほど的確で、しかも好奇心に満ちた暖かさがあった。彼らが日本滞在を楽しんだ様子が伝わって来る。
 たまたまコミックビームの副編集長の日記に、先月フランスで開かれた国際漫画フェスティバルに参加した手記が紹介されていた。会場に展示されたり賞の候補となっていた日本漫画はサブカル系も含めかなり幅広く、さらにベストコミック賞に水木しげるの作品が選ばれたという話を聞くと、たしかにフランスの人々は日本のマンガが大好きなんだということを強く感じる。米国の書店に並ぶ日本漫画は9割以上がアニメ化作品や萌え絵の作品であるのと対照的だ。米国人にとって漫画はアニメの代用品で消費財に過ぎないが、フランス人は紙に描かれたアートとして漫画を扱っているという印象。この本をパラパラと眺めて、日本人作家も含め多種多様な表現の競作を目の当たりにしていると、そう思う。広い意味での日本漫画は、フランス(及びバンドデシネの盛んなヨーロッパ地域)と相性が良さそうだ。