手仕事屋

 最近は手作業をしている。昨日から今日にかけて手作りプローバーの改良作業。プローバーとは針を微小な素子に当てて電気特性を測る道具である。最初、その針の部分に縫い針を使おうと考えて手芸店で買って来た。しかしすぐに使えないことがわかった。作りたい針は鷹のクチバシみたいに先が曲がった形状の物なのだが、縫い針は炭素成分が多いらしく、曲げようとするとポキリと折れてしまう。寡聞にしてというか、経験不足でというか、やってみるまで気付かなかった。曲げられて、ある程度丈夫で、しかも先が尖っているものは何か‥と考えた結果、太めの安全ピンを買って切って使うことに変更。今度はわりとうまくいった。本当は金メッキしたいけど時間がないのでまた今度に。
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・脳内 BGM:『マドンナの宝石』間奏曲(E. ヴォルフ=フェラーリ
 図書館で借りた CD に入っていた。『北の国から '92 巣立ち』で、純とタマコ(裕木奈江)の別れのシーンに流れていた曲だな。タイトルがようやくわかった。

手仕事屋 (2)

 昨日から今朝にかけて素子を作り、新しいプローバーで測定してみたが、早速問題が発生。針の先端が鋭すぎて電極に当てると穴をあけてしまい、コンタクトが取れない! あまり尖っていてもだめで、素子を傷つけない適度な曲率半径が必要なのだな。なかなかうまくいかん。で、今日の測定は急場しのぎで、電極の上に小さいインジウムの粒を乗せて、その上から針を当てるようにしてなんとかコンタクトを取った。
 実体顕微鏡を覗きながら細かい物を動かす作業は、なかなか楽しい。今までは他の研究室の実体顕微鏡を使わせてもらっていたが、今や自分専用のものを購入したので、思う存分覗いていられる。