同一タイトルの紙版と Kindle 版の内容にはしばしば差がある

 Kindle 版を買ったこの本、紙版が2部構成で約 900 ページの大部なのに対し、Kindle 版ではそのうちの第1部しか収録されておらず、おそらく紙版でいうと 450 ページに及ぶ第2部の内容がまるまる割愛されていることに、買ってから気付いた。そのことを Amazon も出版社も説明していない。いくら価格が安くしてあるからって、ちょっとひどすぎないか? 頭に来て Amazon のレビューに投稿したが、いまだに釈然としない。こんなことがまかり通るのか。
 同時に購入したもう1冊の本も、紙版に収録されている解説文が Kindle 版には収録されていないことがわかった(そしてやはり出版元からも Amazon からもそのアナウンスが無い)。こちらは既に Amazon レビューで一人の読者さんから指摘・批判されている。

 どうも Kindle 書籍はハズレが多いという印象を持ってしまった。まあ Kindle に限らず、電子書籍で漫画本を読むと紙版にあった「あとがき」「おまけページ」「裏表紙」等がほとんどの場合入っていないのは以前から経験している。同一タイトル・同一書影ならば中身も同一にするのが筋だと思うのだが、紙版と電子版で内容量が違うのはもはや当たり前の現象なのだろうか。検索すると、「電子書籍が普及すると出版社は既得権(出版物の独占的な販売権)を失うから、 電子書籍ではあまり売れてほしくない。それでわざと紙版に比べ内容に差をつけるのだ 」という見方が。そういうこと?
 差をつけるにしても、読者の利便を思うなら、どのような差があるのかが購入前にわかるように示してほしい。でも出版社側が「Kindle 版はこれこれの点で劣っています」と露骨に書いたら Amazon が怒るから書けないのかもしれん。出版社に善処を望むのが無理ならば、せめて差異に気付いた購入者が上記のようにレビューに書き込んで、未購入者と情報を共有するよう自助努力するしかないのだろう。