あうとわ~ど・ばうんど

寿限無

3月23日に取り上げた「ピアニストを聴け!/山下洋輔 the complete frasco recordings」18枚組をようやく聴き終えた。やっぱり、思い入れのせいもあって、「Montreaux Afterglow」と「Gentle November/武田和命」が突出している印象。「Umbrella Dance」「Hot Menu」「Invitation」といったあたりも、これから愛聴盤になりそうだ。
ここでは最後に聴いた「寿限無山下洋輔の世界 Vol.1」「同 Vol.2」を取り上げよう。これらの作品もやはり面白い。「円周率」(1-①)「寿限無」(1-⑧,2-⑤)とも作曲法のオアソビ加減がやっぱり秀逸。自分もジャズ研時代、1期下のベーシスト(今どこで何してるやら)と『ルート2』や『ルート3』や『ルーチト5』といった曲を作って遊んだっけ(たぶん、全国どこでも似たようなことやってたと思うけど)。しかし、「円周率」も「寿限無」も、思い付きから誕生した曲とは思えない、繰り返しの聴取にしっかり耐えうる強固なメロディーを持っていることに、今さらながら驚きを禁じえない。
それから、特筆すべきは2-⑥「仙波山」だろう。林栄一、31歳の初レコーディング。現在にしっかりつながる澄んだ音色とフレーズの切れ味にやられます。