あうとわ~ど・ばうんど

Tim Berne's Snakeoil / Shadow Man

Shadow Man

Shadow Man

Tim Berne(as) Oscar Noriega(cl, bcl) Matt Mitchell(p, tack & wurlitzer pisnos) Ches Smith(ds, per, vib)
すっかり、ECMミュージシャンになってしまった感のあるティム・バーン。個人的にはこのレーベルがあまり好きでないこともあって、ティム参加作(およびリーダー作)といえどなんやかんやとこれまで難癖をつけてきたわけだが、ついに、こう言わねばならない時が来た。
これは大変な傑作。
掛け値なく。
冒頭、静寂の中から沁み出すように音が生起し、やがて寄り集まって流れをなすようにアルバムは始まり、躍動的な曲、朝靄の蓊鬱たる森を思わせる曲、てんでばらばらに見えながら牢固たる構造を形づくる曲などを経て、静から動へと至ったその極点で大団円を迎える。
毎度のことながら、ティムのまるで小脳歯状核のリズム計時中枢に作用して時間感覚を狂わせるかのごときフレージングとそれに引き続く大爆裂が堪らない。オスカー・ノリエガのクラリネットもすばらしい。最近とても愛聴している。
参考動画