永井洋一のフットボールスピリット

2017-02-23

サッカー文化の原点...これだよね!

18:21

 先日、配信サッカー放送DAZNでイングランドFAカップサットン・ユナイテッドvsアーセナルの試合を担当しました。

f:id:johan14:20170223181042j:image:w360:left サットン...? 多分、相当詳しいイングランドサッカーファンだって聞いたことのないチーム名でしょう。イングランドのプロサッカーはプレミア(1部)、チャンピオンシップ(2部)、リーグ1(3部)、リーグ2(4部)というカテゴリー分けになっています。サットンはさらにその下、ナショナルリーグに所属するチームです。

 ナショナルリーグとは、日本で言えばJFL。一部プロ選手もいればアマチュアもいる。サットンもほとんどの選手がアマチュア。監督も無報酬のボランティア。順位で数えればアーセナルから104位も下のチーム。それが一発勝負のFAカップで次々に自分より上位のチームを倒して勝ち上がり、ついにアーセナルと対戦することになったわけです。

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 FAカップはどの会場で試合するかは抽選結果次第。このカードはアーセナルのホーム、エミレイツスタジアム(7万人収容)ではなく、サットンのホーム、ガンターグリーンレーン(5000人収容)で行われることになりました。サットン側が同意すれば、エミレイツで試合することも可能です。チケット収入は両チーム折半ですから、サットンとしてはエミレイツで試合した方が単純計算で14番の収入になる。だけど小さなホームスタジアムでやる。そこが「我が町のクラブ」の心意気。

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 正面スタンドにわずかに椅子席があるだけで、あとは策が囲ってあるだけのガンターグリーンレーン。チケットは当然、即刻売り切れ。クラブホームページには「ダフ屋行為は禁止です」と注意が書かれているのだけれど、脇道や丘の上や塀に上れば簡単にタダ見できるような造りのスタジアムなので(横浜市民なら小机競技場をイメージしてください。あんな感じです)、あまり関係ない(笑)。地元サポーターは紙で自作のFAカップを掲げながらスタンド...というより「柵のまわり」(笑)に詰めかけます。

 アーセナルを乗せたバスが到着。普段は遠くからしか見られない大スターたちが次々に降り立ちます。地元ファンは精一杯ブーイングを浴びせるのだけれど、すぐに立ち消えてしまいます。「わぁ本物のウォルコットだ、あっヴェンゲル監督だ」ってなミーハー心理が先にたっちゃう(笑)。

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 地元ファンにとっては、我がチームがアーセナルFAカップを地元スタジアムで争うなんて、生きている間に絶対にもう二度とないこと。だから応援するというよりはもうほとんどお祭り騒ぎ。試合中には体重100kg超「空飛ぶ豚」の異名をとる45歳の名物サブGKウエイン・ショーがベンチ内でパイ(甘いお菓子ではなく、総菜がぎっしりつまったハンバーガみたいなもの)を食べているシーンが映し出されて笑いを誘うなどの「貴重映像」つき(笑)。

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 試合はサットンが大健闘するも、やはり順位差104位はいたしかたなく、2-0でアーセナル余裕の勝利。順当な結果となりましたが、それでもサットン・サポーターは楽しい「一夜の夢」をみたことでしょう。そして「我が町のチームがあのアーセナルを迎えた日」のことは、これから先、連日パブでの語りぐさになり、その話は孫子の代まで語り継がれることでしょう。

 私はイングランドに渡るたび、立派なスタジアムでスター軍団が繰り広げる華麗な戦いよりも、サットンのような地域にしっかり根付いたクラブのサッカー文化に感動します。ロンドン郊外の小さな町。市内にはアーセナルチェルシートッテナムウエストハム、クリスタルバレスなど、名だたるプレミアクラブがあるのに、生まれ育った地元のノンプロチームをサポートしつつ、今回のような一世一代の機会を楽しむ。いいなぁ、これだよ目指すべきは...と思うのです。

 

2017-02-06

追悼、岡野俊一郎さん

22:57

 2日、岡野俊一郎さんがご逝去されました。

 私の時代は高校受験の時も大学受験の時も、願書には必ず「尊敬する人物」を記入する欄がありましたが、その全てに私は岡野さんの名前を書いていました。それ以外の人物を書いたことはありません。

f:id:johan14:20170206230032j:image:w360:left 岡野さんがどれだけ素晴らしい実績をお持ちの方かは、すでに報道で細かく紹介されているので、改めて詳しくは触れません。文武両道を極めたスポーツマンの鏡のような方で、それだけでなく、英語、ドイツ語を駆使して国際感覚まで一流の方でした。

 まだ私が20代の頃、人づてに何とかお会いする機会を作っていただき、食事の席にご一緒させていただきました。すでにサッカー協会の重鎮であったにもかかわらず、どこの馬の骨ともわからない若造と気さくに酒席をともにしてくださり、伝説の番組「ダイヤモンドサッカー」の名解説そのままに、サッカーのプレーから国際文化の話まで、多岐にわたるお話をしてくださいました。若き日の私の、夢のような時間でした。後日、岡野さんとの酒席を仲介して下さった方から「君のこと『気持ちのいい若者だね』と言っていたよ」と伝えられ、喜んだことを思い出します。

 私は若い頃、プロのサッカーのコーチとして生きていくことを考えていましたが、ある時、それを断念してジャーナリスト活動に転身しました。「いつか岡野さんのような指導者になりたいと思っていたのですが...」と岡野さんに報告の手紙を書くと「指導者として勉強したことは絶対に無駄になりません。今までの経験を活かし、新しい世界で頑張って下さい」というお返事をくれました。こんな私にわざわざ自筆のお返事を...と、いたく感激しました。

 その後「取材」という形で何度かお話を聞く機会がありました。しかし、それらは取材というよりも、私にとってはもう「講義」そのものでした。毎回、毎回が「勉強会」のようなものでした。一つの事象を語るのに、歴史、経済、宗教、時には生物学などの知見を絡めながら、豊かな表現力を駆使して下さいました。言うまでもなく、サッカーのプレーに関する指摘は他の誰が発するそれよりも鋭く的確でした。

 岡野さんは東京大学に7年在学されています。報道ではサッカーに深く関わりすぎたため、などと書かれています。でも、私にはこう語ってくれました。「最初はね、医学部に進んでんですよ。でもね、学ぶうちに『何か自分の求めていることと違うな、と。それで改めて心理を学び直したんですよ」。東大の医学部に合格した後、また文学部に合格するという頭脳。しかも当時プレーではユニバーシアード日本代表。こういう人を天才というんだ、と改めて驚いたものです。

 方々で公言していることですが、私のサッカー番組の解説の方法は全て岡野さんのマネです。もちろんマネしてるだけで、中身は到底、岡野さんの領域には近づけてはいません。それでも、この先、下手なマネだけは継続していき、岡野さんが確立した、技術、戦術のみならず地理、宗教、社会等、サッカーを形成する「文化」を伝えていくというスタイルを死守していきたいと思います。

 昨年ヨハン・クライフさんが旅立ち、そして今年は岡野俊一郎さんが旅立ちました。私が国内外で憧れた人物がもうこの世にはいません。宿命ですが、本当に寂しく、悲しいです。

 

 

2017-01-30

FAカップのアプセットに思う

12:36

 新たに解説のお仕事をいただいている配信型放送「DAZN」でイングランド伝統のFAカップを担当しましたが、二試合続けて結果はアプセットとなりました。

f:id:johan14:20170130123417j:image:w360:left 28(土)はプレミアの強豪リバールが2部相当「チャンビオンシップリーグ」18位のウォルバーハンプトンにホームスタジアム・アンフィールドで敗退、翌29(日)はやはりプレミアのワトフォードが3部相当「リーグ1」9位のミルウォールに敗退しました。

 リバプールはその前にもリーグカップのホーム&アウェイ二試合でプレミア下位のサウサンプトンにいずれも0-1で敗れていますので(これも解説担当しました)、カップ戦で格下に3連敗という悲惨な状態です。

 リバプールカップ戦3連敗とワトフォードの敗戦はいずれも、ボールポゼッションで圧倒的な優位に立ちながらカウンターに沈んだ試合。どう考えても対戦相手はその戦い方をするしかない...ということがサポーターから選手、監督まで試合に関わる全ての人たちに予測されている中での、まるで示し合わせたかのような点の取られ方での敗戦です。f:id:johan14:20170130123416j:image:w360:right

 「相手の戦い方は最初から100%わかっているはずなのにのになぜ?」とリバプール、ワトフォードに聞きたい気持ちもあるのですが、私はそれよりも、そのように戦い方が100%予測されていながら、愚直にそれを90分間貫き続けたサウサンプトン、ウォルバーハンプトン、ミルウォールの選手たちに賞賛を贈りたいと思います。

 この3チームの選手たちは、攻撃の時、常に「無理かも...」という場面でも敢えて勝負をしかけていました。チャンスは多くないのでその場面が来たら絶対に勝負する、という意識は徹底されていました。日本だったら絶対に「無理」として後方に戻したりヨコバスに逃げたりするであろう場面でも、思い切ってクロスを入れて無理な体勢から必死に競り合っていました。その思い切りのいい攻撃が相手を疲弊させる部分もありました。

 そして、カウンターになって前向きに突進するときの迫力といったらものすごい!!(笑)。DFが2人きても3人きてもガンガン行っちゃう。結局シュートが打てなくてもCKくらいは取っちゃう。最悪でも懸命にキープしてファウルをもらう。このプレーに賭けてるんだ!!という意識がひしひしと伝わります。

 「いいサッカー」とか「未来につながるプレー」とか、日本ではいつまでもよく判らないことが言われていますけど、どうなんでしょうーねー?と思うわけです、こういう「今、自分の力量の範囲できることに全力で徹する」というひたむきな姿を見ていると...。日本では絶対に評価されない戦い方です。

 多分、足下の技術とか、ボール扱いとか、アジリティとかでは、はるかに日本の選手より下手であろう選手たちが、無骨に「自分に出来ること」を100%発揮してその結果、上位のチームを倒しています。

 理想を高く掲げるのもいいのですが、日本が目標とするW杯ベスト8に進出するのに、ドイツ、フランス、オランダ、スペイン、ブラジル、アルゼンチンなどを「自分たちのサッカーで常に主導権を握って打ち破っていく」のは一体いつなんですかね~(笑)。

 

2017-01-10

高校選手権、何とかならないですかね~

18:42

 全国高校選手権を見るたび思うのですが、全国四千何百校だかの中から各県を代表して...と言いますが、そもそも今、「県」にこだわる必要あるんでしょうかね。

 だって、県代表といったって、優勝した青森山田を筆頭に、地元出身者でチームを構成している学校なんてほとんどないわけでしょう。有力な中学生を指導者がいろいろと条件つけて奪い合って、全国津々浦々から呼んで集めた結果、力量のある子が多く集まった学校が勝つという図式じゃないですか。いい選手並べたところの勝ち。

f:id:johan14:20170110193604g:image:w360:left そもそも全国大会の出場校なんて、多かれ少なかれ、どこの学校も全国選抜みたいなもんで、誰がどこに行くかだけの違いでしかないわけでしょ。青森に行った子が、もしかしたら前橋に行ってたかもしれないわけだし。だから「県代表」なんて言ったって、学校の所在地っていうだけで、ほとんど意味ないと思うわけです。

 優勝した青森山田、部員が160人いるんですって!!!11制のサッカーで...。クレイジーとしか言いようがないですね。レギュラーがらみ以外の子たちは3年間、一体、何をするんでしょうね。でもそういうケースは全国出場校の場合、そこかしこにあるようです。まさか「耐えることも人生経験」みたいなまやかしで、試合には出られずに部費、遠征費の「金づる」にされているんじゃないでしょうね(笑)。

 それと、試合中にジャンジャカ鳴らされるブラスバンドの歌謡曲、何とかならないですか...。あれじゃまるで商店街のお祭りじゃないですか。サッカーのリズムに全然、合わないわけですよ「ウララ、ウララ~」なんて歌は。今時の高校生、そういうの「ダセー」って思わないんですかね。

 箱根駅伝といい、高校サッカーといい、世界から取り残される「ガラバゴス」化したイベント、思い切って変えましょうよ。

 

2016-12-31

2016年スポーツ大賞

17:31

 2016年はいろいろなアスリートが大活躍してくれました。

 日米通算3000本安打を達成したイチロー選手、160kmを超える投球だけてなくバッティングでも好成績を残し日本一に貢献した大谷翔平選手、異次元の滑りで高得点をたたき出したフィギュア羽生結弦選手、メジャータイトルにあと一歩まで迫ったテニス・錦織圭選手、怪物と評されるファイトを見せたボクシング・井上尚弥選手と「神の左」で防衛を続ける山中慎介選手、当たり前のように表彰台の真ん中に立ち続けるジャンプ・高梨沙羅選手...。

リオ五輪では柔道、レスリング、体操、水泳の選手たちがメダルを次々に獲得しました。期待された通りに結果を出す強さは本当にすごい。バドミントン卓球でも好成績が挙がりました。陸上400mリレーでジャマイカのアンカー・ボルト選手と日本のアンカー・ケンブリッジ飛鳥選手が競り合っているシーンを見たときには我が目を疑いました(笑)。

f:id:johan14:20161231173129j:image:w360:left さて、以上のように目覚ましい活躍の多かった2016年の日本スボーツ界ですが、一年を振り返りつつ私が勝手に「大賞」を選ぶことにします。

 それは...。

 リオ五輪女子レスリングで銀メダルを獲得した吉田沙保里さん...のお母さん、幸代さんです!!!

 吉田さんの惜敗は皆さん知っての通り。何せ十数年間もの間ずっと、ずっと、ずっと勝ち続けて、世界中の「吉田以外」の選手が全て「打倒・吉田」の策を何年も何年も練り続けた末の、十数年越しのあの結果でした。連覇が途切れたことは残念ですが、惜敗の末の銀メダルは立派な成果です。

 あれだけ長い間、頂点に立ち続けた吉田選手を称えるのはもちろんなのですが、私が感動したのは、彼女の敗戦後、記者団に囲まれた時の母・幸代さんの言葉です。

 「霊長類最強女子なんて言われていますけど、私の可愛い娘です。私の宝です」

 子を思う親の心...。

 今年、このコメント以上に私の心を揺さぶったものはありませんでした。ですので、数々の選手たちの偉業を抑えて、私の2016年スポーツ大賞は吉田幸代さんに決定!!!

 

 

 

 

 

2016-12-21

昌子選手!!!よかったですね!!!

12:19

f:id:johan14:20161221121719j:image:w360:left クラブW杯、鹿島アントラーズ大健闘でした(写真は当日、記者席から写した鹿島サポーターの見事な応援です。

 2得点した柴崎選手もさることながら、ロナウドベンゼマモドリッチら超一級の選手たちと一対一の競り合いで一歩も引けを取らなかった昌子、植田の両センターバックの強さには惚れ惚れしました!!!特に昌子選手は抜群の守備力で、次の代表戦には是非ともスタメンで活躍してほしいと思いました。

 あれほどレアルの攻撃陣に手を焼かせたのだから、さぞや相手にも強い印象を残しただろうと思っていました。試合後の記者会見。「リーガに連れて行って通用すると思った鹿島の選手は? レアルに入団させてもいいと思った鹿島の選手は?との質問を受けたジダン監督。「みな素晴らしい選手だった、リーガでも通用するよ」とおきまりの社交辞令。そして「でもレアルはもういい選手がら二十数名揃っているから、さらに新しい選手を加える必要はないよ」とのこと。

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 ジダン監督が「3番(昌子)」と言うことを期待していたのですが、一切触れず...そうかな~。でも考えてみれば、リーガでもチャンピオンズリーグでも、世界中の全てのチームが「打倒レアル」であらゆる手を尽くして立ち向かってくる毎日。あの程度の苦戦は日時用茶飯事であり、あの日の昌子レベルのプレーも、ジダン監督の目から見たら、さほど特別ではないのかもしれません。

 ともあれ、昌子選手の強さは、久々に日本サッカーの明るい材料だと思った次第です。

2016-12-05

ルールを逆手に取る...を考える

22:17

 JリーグCS鹿島の劇的な勝利で幕を閉じました。

 このCSで気になったことが一つあります。第一戦、浦和の勝利を決めたPKです。興梠選手が倒されたことによるものですが、同選手は後ろから迫り来る鹿島DFの気配を感じ、それを狙っていた由、語っていました。しかも、大げさに倒れると逆にシミュレーションのように見えるので、敢えて地味に倒れたとか...。

f:id:johan14:20161205221511j:image:w360:left このPKにつながるプレーに象徴されるように、近年、ファウルを「もらいに行く」という概念が定着しています。FKから直接ゴールを狙えるキッカーが増えていることもあり、もはや上手な「倒れ方」はサッカーの戦術の一つにもなりつつある気がします。

 私はこうした考え方は好きではありません。プロならまっとうに技術、体力、戦術で勝負してほしいと考えます。もちろん、そうした駆け引きも戦術のうち、といえばそれまでですが...。

 ところで日本柔道リオ五輪で大活躍しましたが、その一方で「指導」による敗戦という、実に納得のいかない試合も多くありました。投げるでもなく、組み伏せるでもなく、関節を極めるでもなく、何だかよくわからない基準でどちらかに「指導」が言い渡され、そのまま時間が過ぎると「指導」を受けた方が負ける。解説を聞いていると、どうやら相手に「指導」が行くような戦い方もあるらしい...。

 そんな柔道の本質から外れたようなルールがあるからでしょうね、無差別級のリネール選手のような、強さなど微塵も感じられない、実にみっともない、恥も外聞もかなぐり捨てた戦い方による金メダルが生まれてしまうのは...。それも5分という短時間で無理矢理に勝負を決しなければならない「時間通りテレビに映る柔道」の宿命なのでしょうか。

 ともあれ、第一戦の興梠選手のような、ルールを逆手に取るようなプレーは、どうしても好きになれません。逆にサッカーFWなら、押されても引っ張られても、反則などものともしない突進をするような逞しいプレーが見たいものです。第二戦、興梠選手は見事なシュートを決めました。あんなにいいプレーができるのだから「上手い倒れ方」なんていらないのに...と思いました。

 第二戦は、今度は浦和がPKを与えて制覇を逃すことになりました(このPKはまっとうなPKでしたね)。何だか第一戦の因果応報のようにも思えました。

 さて、ルールを逆手に取る駆け引きは嫌いだと言っている私ですが、考えてみれば、自分の指導するチームに「オフサイドトラップ」を仕込んだことがあります。これもルールの逆手を取るプレーと言えば、そうかもしれません。私もやっていました(笑)。でもまぁ、オフサイドは間接FKしかもらえず、それで直接ゴールを狙うことはないので、いいか(笑)。...勝手な言い分?

 

2016-11-18

本当はそれで十分なのにね....

11:58

 指導を担当する小学3年生が地元の大会で大敗続きです。

 幼稚園から叩き上げている他チームと違い、当方は3年生になって初めて勝ち負けで順位を競う大会に参加させます。特に今年の 3年生は春に入部し初めてサッカーを習うという子が多く、右も左も判らない状態だったので、春の大会は一つ下の2年生の助っ人を入れて戦うような状態でした。

 あれから数ヶ月、子どもたちは着実に成長したので、秋の大会は2年生の助っ人なしで臨んでいます。しかし、他チームのとの身体能力と経験の差は歴然。特に4年生相手の時には、まったく手も足も出ません。その結果、過去に例を見ないほどの大敗が続いています。

f:id:johan14:20161118115331j:image:medium:left 個々の成長が実感できているとしても、あれだけ毎回、完膚なきまでに打ちのめされると、サッカーそのものがつまらなくなってしまうのではないか...と心配になります。やはり他チームのように1年生の頃から大会に参加させて「勝ち方」を学ばせた方がよいのだろうか...という気持ちがよぎります。

 しかし、心配は無用でした。

 子どもたちは試合と試合の間の空き時間、誰に指示されるでもなく、自ら練習を始めます。負けたから悔しいとか、できない自分がなさけない、などという悲壮な感じは微塵もなく、仲間を誘い、嬉々として技術練習をしているのです。これには驚きました。

 過去の経験では、試合で成績が振るわない子の場合、何も指示のない自由時間にはサッカー以外の遊びに夢中になってしまい「その元気をサッカーに向けてくれれば...」と嘆かわしく思うことがよくありました。しかしこの子たちは違います。時間があれば自ら誘い合ってサッカー練習をしているのです。しかも、やっていることは、私が課している課題の練習です(驚)。

 きっとそれぞれが、自分なりに少しずつ上達していることを実感しているのでしょうね。試合では大敗したけれど、個々のプレーの中で、今までできなかったことができるようになった手応えがあるのでしょう。だからこそ、もっとできるように...と自ら進んで練習しているのだと思います。

 そういえば、大会の合間の定期練習などでは、皆、開始時間のかなり前にグラウンドに来るようになり、私が「集合」をかける前に子どもたちどうしてルールを決めてミニゲームなどをしている様子が見られるようになりました。欠席する子も少なくなりました。それまでは週末に参加するだけだったのに、ウイークデイ練習にも参加する子も出てきました。なんだか「やる気」のようなものが出てきているのです。

 考えてみれば、そういう状態が生まれてくれば、3年生、9歳の子どもに対するスポーツ指導はそれで十分なのですね。サッカーを楽しいと思い、もっと練習したいと思い、その中で着実な上達を実感し、指示されなくても自らより難易度の高いことに挑戦するようになる。少し前まで、サッカーのルールさえまともに知らなかった子たちが、いつの間にか仲間と誘い合って試合のまねごとをする中で競い合う楽しさを求めるようになる...。

 サッカーを始めたばかりの9歳の子どもにそれ以上何を要求するというのでしょう...まずはそこまでで十分ではないでしょうか...と私は気づきました。公式戦の大敗には落ち込みますけど(笑)、試合結果だけにとらわれずに、子どもたちの成長を見守っていきたいと思います。

 

2016-11-04

理想を追う果てに...

10:43

 名古屋グランパスがJ1から降格しました。

 サッカーバラエティ番組でボケキャラをやっていた小倉監督を担ぎ出し、J1生え抜きの監督を育てるとしたフロントの「理想」があり、また、全員が連動して攻撃サッカーを展開するという小倉監督自身の「理想」があったようですが、その両方とも「絵に描いた餅」になってしまったようです。

f:id:johan14:20161104104214j:image:w360:left 新監督が自分のカラーを打ち出すために、うるさいベテランを切って自分の言うことを聞く若手中心にチームを編成することはサッカー界の常套手段。しかし、闘莉王を切ったことが大きな間違だったと気がついた時には既に後の祭り。

 君のキライな監督は変えたから助けに来て...と泣きついたら、取るものも取りあえず故郷ブラジルから駆けつけてきてくれた「心意気」がある男。そういうキャラの男なんですから「ピッチ内の監督としてオレを助けてくれ」くらいのこと言って、味方につけておけばよかったのにね...。使い方を間違えましたね。監督の仕事は華々しく戦術を歌い上げて練習メニューを考え先発メンバーを決めることだけではありません。色々な面での選手の人心掌握はとても重要な仕事の一つ。その方法を間違えましたね。

 小倉解任、闘莉王駆けつけ後の成績は、決して右肩上がりではなかったものの、そのペースなら降格は回避できたという展開。だから、いつまでも小倉監督を担ぎ出した「理想」に拘泥し、適時に監督解任の決断が出来なかったフロントの責任も重大。

f:id:johan14:20161104104240j:image:medium:right そもそも、世界一安定した企業であるトヨタがバックにつき、豊富な資金力に恵まれ、過去の実績の積み重ねも豊かなグランパスで、あれほどひどいチームづくりしかできないということは、全ての意味でチーム運営者の資格なしと言われても仕方がないでしょうね、関係者は。

 まぁ日本代表からアマチュアのチームまで、日本人は「あるべき姿」みたいなものを掲げて、結果が出なくてもいいんだ...と突き進むこと、大好きですよね。成熟した完成度を愛でるよりも、発展途上の青さ、若さを楽しむ。だから、カラダは大人でココロは子供の高校生スポーツに異常なほどに熱狂する。私なんか、高校サッカーみたいな下手なもの見て何が楽しいんだ、と思うのですけどね(笑)。

 ともあれ、「明日につながる」などと言いつつ理想を追っても、グランパスみたいに負け続ければ「何やってんだ」となる。このあたりの外野席の日和見的な理想論が、もしかしたら日本スポーツの諸悪の根源かもしれませんね(笑)。

2016-10-28

最新のスポーツビジネスのアイディア求む

15:30

 東京五輪の経費削減問題に際し、競技場建設が見直されていることに対して、トップリーグ機構の川淵三郎さんが競技団体の代表として「新しい施設の建設は絶対に譲れない」という趣旨の発言をしました。

 川淵さんの発言を待つまでもなく、直接の当事者であるボート、カヌー、水泳、バレーボールなどの関係者は異口同音に「新しい施設が必要」と主張しています。

f:id:johan14:20161028152509j:image:medium:left それゃ誰だった新しくて大きな施設がほしいですよね。五輪を機に立派なものを造ってくれよと言いたくなる気持ちはわかります。しかし皆、言うのは「造って、造って」という要求ばかり。まるで「お菓子かって、おもちゃ買って」と駄々をこねる子供みたいで、みっとみない。

 そもそもスポーツ施設は基本的には消費する一方で利益は生まず、維持費がダダ漏れしていく巨大施設な「金喰い虫」。それを何百億という費用で作ろうというのだから、よほど賢い計画と堅い見通しがなければ無理。

 ところが「建設見直しなんてけしからん」と息巻く当事者は、自分たちは競技を楽しむだけで、費用捻出や維持管理には関わらないのだから、それは親のサイフの中身を考えずにお店の前で駄々をこねる子供と同じ。

 あのね、トップリークに関わる人たち、「立派なレガシー造って」と息巻くなら、その新施設の建設費用をこのようなアイディアで圧縮してみせます、とか、このような仕組みで維持管理費を捻出してみせます、といったブランくらい独自に用意してみましょうよ。

 今や、巨大競技場の赤字の維持費を自治体が払い続けるなんていう古式ゆかしい方式では競技場建設は成り立たない時代。世界の競技場では、いろいろなアイディアを投入して入場料収入などの「競技関連」以外の部分からオカネをひねり出す形になっているのが当たり前。だから、トップリーグの関係者も、お上に「オカネ出して」とせっつく前に、世界の競技場の色々な運営方法を研究して、「そういう方式なら建設してもいいですね」と言わせるだけのプランを提示するひとが必要なのでは?

 「オレたちには立派な施設が必要なんだ』と気勢を上げるだけで、造った後は使いっぱなし、金銭的な尻ぬぐいは行政まかせ...という放蕩息子みたいなことしかやらないから、スポーツ関係者は「バカだ」と軽蔑されてしまうんですよ。

 まぁ今回の「川淵宣言』は、オトモダチ関係の森喜朗氏から「小池に一泡ふかせてやりたいから頼む」と言われてのことでしょうな。正論では負けるから、周辺を巻き込んで「政治的」に仕返しをする。イヤラシイやり方ですが、それが「政治」というものといえば、それまでですが...。