ニューヨーク市警察に根強くはびこる腐敗と汚職に
たった1人で敢然と立ち向かった正義の男“セルピコ”の物語
(上はアル・パチーノが演じた映画版。右写真は本物のフランク・セルピコ)
正義感の強い警官
1959年、フランク・セルピコは希望と使命感に燃えて警察学校を卒業した。
22歳のセルピコは、NYPD(ニューヨーク市警)に加わった。彼は、9月11日に巡査の見習いとして宣誓し、警棒とシールドを渡されて街に出た。彼の生涯の夢がかなった瞬間だった。
1960年、彼は12年間勤めることになる巡査に昇格した。
81分署に配属されて、約2年間、犯罪情報課で指紋のファイリングなどの仕事をした。そこで巡査としてだが、私服で捜査することを命じられた。
張り切って勤務についたが、理想と現実のギャップはみるまに彼の内部で広がっていった。潔癖なセルピコは、日常的に行なわれている同僚たちの収賄、さぼりなど、警察組織において広範囲にひろがる腐敗と汚職に出会うことになった。
上は映画版の予告編