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2004-10-08(金) 2つ
■[the civil law]物権法/第2講 物権の効力

<1>物権には、他の人間を排除して、その物の価値を独占的に支配(享受)できるという排他性がある。
■また、物権の効力は1つの物の価値については、1つの物権しか認められないという原則*1があることから、競合する物権相互間における優先的効力の問題を検討する必要がある。
■この場合、原則は時間順となるのであるが、どの物権を優先させることが望ましいかという政策的な問題から、物権一般については、対抗要件順とされる。これは、取引安全を確保するという政策的要請によるものである(ex.民法177条*2)。また、様々な政策的考慮に基づいて認められる物権もあり、これについてはそれぞれの立法に従った優先関係となる。
■次に、債権に対する物権の優先的効力を検討する必要があるが、これは、担保物権が一般債権の掴取力*3に優先するとされる。
<2>「物権的請求権」とは、物権の実現が侵害され、または、そのおそれがある場合に、その侵害の排除・予防を求めることができるという権利のことである。こうした権利の不可侵性は債権についても同様であるのだが、特に物権においては、そもそも物権が、その物の支配が侵害され、または、そのおそれがある場合に、侵害の排除・予防が認められなければ、意味がないことから重要とされる。この物権的請求権については明文の規定はないが、文言上の手がかりとして「本件の訴(民法202条1項*4)」があることが前提とされる。
■この物権的請求権の相手方は、行為による侵害に対しては「当該侵害行為をしている者」であり、物による侵害に対しては「当該侵害物の所有者」となる。
■また、物権的請求権の種類には、次に掲げるものがある。
■そして、Xが侵害を受けている側であり、Yが侵害している側である場合における物権的請求権の要件には、次に掲げるものがある。
■以上のように、物権的請求権を考えるにあたっては、まず「誰に対して請求できるのか」、そして「何に基づき請求できるのか」、「そのための要件は何か」、さらに「その要件はいくつあるのか」について考える必要がある。これは、物権的請求権を行使された側が、その請求に対抗するときにおいても同様なのである。
<3>物権的請求権と費用負担、つまり、返還・妨害排除・被害防除のための行為を妨害者側で行うのか、被害者側で行うのか、また、そのための費用をどちらが負担するのかについては、たいへん難しい問題である。
■この問題については、XとYを当事者としたとき、次のような整理がなされる。
■この場合、先に忍容請求権を行使した者が費用を負担することになり、言わば我慢した者勝ちとなってしまうという問題点が考えられる。
■なお、侵害行為をした者Yに故意又は過失があった場合は、Xがかかった費用をYに賠償請求することとなる*6。
■これに対して(、被害者側Xが行為も費用負担も行うのは不当だとして)、相手側Yが侵害するわけだから行為も費用負担も相手方Yがするものという考えもある。
- 行為請求権…返還行為・妨害排除行為・侵害予防行為を相手方Yがするように請求する権利。ただし、相手方Yの行為によって侵害している場合は正当な請求と評価できるが、次に掲げる場合においては問題がある。
■特に両者の行為請求が衝突する場合は、行為請求権を認めると、先に行為請求権を行使した者が相手方の費用で自らの権利を回復することになり、早い者勝ちとなってしまうという問題点が考えられる。
■それゆえに、相手方の負担で自らの物の支配の回復を行うには特別の理由を要するとして、行為請求権の限定がなされることとなる。これには次に掲げる考え方がある。
- 過失責任説…物権侵害について相手方Yに故意・過失がある場合にのみ、XがYに行為及び費用負担を求めることができると考える(XとYが逆も成り立つ。)。ただし、両者ともに故意・過失がない場合は、忍容請求権の考えと同じくなる。
- 侵害責任説…社会通念を基準に、相手方Yが物権を侵害していることを判断できる場合に、XがYに行為及び費用負担を求めることができると考える(XとYが逆も成り立つ。)。これは「何人も、自己の行為または自己の所有物によって、他人の権利を侵害してはならない」との侵害禁止原則を根拠とした考え方である。
- 原因責任説…物権侵害について相手方Yが当該侵害を惹起させた場合に、回復の必要を生じさせた者に費用を負担させるのが公平に適うとして、XがYに行為及び費用負担を求めることができると考える(XとYが逆も成り立つ。)。過失責任説の要件を若干ゆるやかに考えたものであるが、相隣関係に関する規定(民法229条*7、223条*8、226条*9等)から基本原理を抽出して、回復の必要を生じさせた原因の程度に応じた費用の分担をはかることとする。
<4>所有権は消滅時効にかからない(民法167条2項*10のであるが、物権的請求権はどうかという問題には次のような考え方がある。
- 消滅時効否定説(通説・判例)…所有権が妨害されているのに、物権的請求権が行使できないのでは、所有権が有名無実化することになる。つまり、所有権の永続性から物権的請求権も消滅時効にかからないと考えられる。また、物権に対する妨害が継続している場合においては、物権的請求権も発生しつづけているといえる。この妨害の継続性のため、時効消滅を観念できないとも考えられる。
- 消滅時効肯定説…時が経過することにより、妨害者とされる側が本当は妨害者ではないことを証明するのが困難といえる。このような証明困難を救済する必要性から、消滅時効を肯定すると考える。また、被妨害者側は物権的請求権をいつでも行使できるのに行使せず、権利の上に眠っていたことを理由に消滅時効を認めるべきと考える。
*1:一物一権主義。ただし、例外として抵当権は1つの物に複数の権利が認められるのであるが、順序があるため、あくまで1つずつであるとも考えられる。
*2:不動産ニ関スル物権ノ得喪及ヒ変更ハ登記法ノ定ムル所ニ従ヒ其登記ヲ為スニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
*3:債務者が債務を履行しない場合に、債務者の一般財産を引き当てとすること、つまり、差し押さえて競売し、その金をもらうことができること。
*5:両者ともにXが物権を有していることを認めている場合は必要はない。
*7:疆界線上ニ設ケタル界標、囲障、牆壁及ヒ溝渠ハ相隣者ノ共有ニ属スルモノト推定ス
*8:土地ノ所有者ハ隣地ノ所有者ト共同ノ費用ヲ以テ疆界ヲ標示スヘキ物ヲ設クルコトヲ得
*9:囲障ノ設置及ヒ保存ノ費用ハ相隣者平分シテ之ヲ負担ス
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- 21 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&q=物権的請求権
- 20 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=物権的請求権&lr=
- 13 http://www.google.co.jp/search?q=物権的請求権&hl=ja&lr=&start=10&sa=N
- 9 http://search.yahoo.co.jp/search?p=物権の優先的効力&tid=top_v2&search_x=1&y=13&ei=UTF-8&pstart=1&fr=top_v2&b=11
- 9 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=物件的請求権&lr=
- 8 http://www.google.co.jp/search?q=物権の効力&lr=lang_ja&ie=utf-8&oe=utf-8&aq=t&rls=org.mozilla:ja:official&client=firefox
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- 7 http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=物権的請求権とは+忍容&fr=top














