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2011-10-26

修士論文が不要に?

  :日本経済新聞

「第2次大学院教育振興施策要綱」の策定について:文部科学省

修士論文が不要になる」という記事が話題になっています。

この施策は以前から中教審等で提案されていたもので、コースワーク(専攻内の様々なラボで学び、幅広い知識・技術を身につける)を含む博士一貫教育を推進する目的で行われるものだと思います。

つまり博士取得を目標とする学生には、修士(博士前期)課程で幅広い知識を修得させ、その際に修士論文を書くことが負担になるのであれば、別の方法で修了を審査しても構わない、という制度になるわけです。


注意点は、

・単純に修士課程修了の要件が甘くなるわけではなく、修士論文を課さない場合には博士論文研究基礎力審査(筆記試験&面接)を課す

全ての学生に適用されるわけではない(おそらく博士後期課程進学希望者でコースワークに参加した学生のみ。導入するかどうか、導入した場合に何割程度の学生を対象にするかは研究科次第)。

すでに大学院設置基準大学院設置基準では修士論文提出以外の修了要件も認めており、この部分をさらに緩和することを目的とした施策


ただまぁ現時点の日本の大学院教育やそれを取り巻く制度を勘案すると、仮に大学院進学者の2割ないし3割だとしても、博士取得を見込んだコースワークに学生を参加させてしまうのは、かなりリスキーだと思います。

その理由は以前ブログに書いたとおり。

物事の順序 - jotunの独り言(※かなり長い)

コースワークを含む博士一貫教育はアメリカで主流になっているわけですが、アメリカとは大学院での指導体制や大学の予算規模、博士取得者の雇用状況などが大きく異なるため、日本で導入しても上手く機能しないだろうというのが主な理由です。

文科省施策としてリーディング大学院博士課程教育リーディングプログラム:文部科学省)というものも行われていますが、それも含めて博士一貫教育の成果をきちんと評価し、存続・拡大すべき制度かどうか見極めてもらいたいところ。


ちなみにこの件に関して、文科省は年明けにパブリックコメント(国民の意見)を募るそうなので、意見のある方はその際に文科省に伝えるといいと思います。

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