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ぼちぼち日記

2015-02-19

ES6時代のGoogle的Good Parts: V8のstrong modeを試す

1. 新しいGoogleのV8実験プロジェクト

巷ではIEの asm.js サポートのアナウンスが話題を集めていますが、実は先月末のTC39の会合でGoogleが今年新しくV8に2つのJavaScript機能の試験実装を進めていることがプレゼンされていました(すっかり見落としてた)。

Experimental New Directions for JavaScript, Andreas Rossberg, V8/Google

このV8実験プロジェクトは、資料によると

SaneScript (strong mode)
より安全なセマンティクスと性能向上が図れるよう一部機能を削減したJSサブセット。
SoundScript*1
TypeScriptをベースとしたより堅固で効率的な型システムの導入。

の2つです。ちょうど今朝知ったのでV8のソースを見てみると、今まさに strong mode の実装が進めれられている最中でした。そこで、本日(2/19)時点で実装されている strong mode の機能がどんなのか知るため、実際に試してみました(現状4つ実装されてます)。

2. V8の strong mode を試す

今日の V8(4.2.0 candidate)をビルドして早速ためしてみます。

2.1. var の禁止
$ ./out/x64.release/d8 --strong_mode
V8 version 4.2.0 (candidate) [console: dumb]
d8> "use strong"; var a;
(d8):1: SyntaxError: Please don't use 'var' in strong mode, use 'let' or 'const' instead
"use strong"; var a;

var の代わりに let や constを使えとのこと。

2.2. オブジェクトプロパティの delete 禁止
d8> "use strong"; const o = {a:1}; delete o.a;
(d8):1: SyntaxError: Please don't use 'delete' in strong mode, use maps or sets instead
"use strong"; const o = {a:1}; delete o.a;

プロパティを削除しちゃうぐらいならMap/Setを使えとのこと。

2.3. 型変換する比較演算子の禁止
d8> "use strong"; 1==1;
(d8):1: SyntaxError: Please don't use '==' or '!=' in strong mode, use '===' or '!==' instead
"use strong"; 1==1;

暗黙の型変換する比較演算子の問題については昔からよく言われてますね。ただtruthy/falthyへの変換(ToBoolean)は許される見込みのようです。

2.4. ステートメントを省いた条件式の禁止
d8> "use strong"; while(true);
(d8):1: SyntaxError: Please don't use empty sub-statements in strong mode, make them explicit with '{}' instead
"use strong"; while(true);

あまり自分で使った覚えがないけど、{}を付けない条件式はダメとのこと。

3. 今後は?

その他に資料には、

スコープ
declaration前に変数を利用することを禁止。ただし相互に参照している再帰関数などでの利用は許可
Class
オブジェクトのfreezeやインスタンスのseal化等々
Array
要素の歯抜け禁止、accesssorメソッドの禁止、lengthを超えた要素のアクセス禁止等々
Function
argumentsオブジェクトの禁止、呼び出し引数の厳密化等々

などの機能変更が挙げられています。まさにES6時代のGoogle的Good Parts集だと思います。

strong-mode を利用するにはフラグ(--strong_mode もしくは --use_strong)が必要ですが、Chromeのリリースに合わせてV8がブランチカットされれば、少し後に io.js のCanary版(予定)で利用できるようになります。
まだ実験初期段階で今後どこまで変わってどう標準化にフィードバックされるのか全く未知数です。でも今後ES6のコードを書く場合には、ここはMap/Setが使えるか、var使わなくてもいいのかなど、少し頭の隅にいれておくといいかもしれません。

SoundScript の方はまだ資料だけですが、Q3/Q4でどう実装されるのがこれから楽しみです(時間がないのでこの話題はまたの機会に)。

*1:soundは、「〔構造が〕堅固な、安定した, 〔考えなどが〕理にかなった、正当な 」の意味じゃないかと思います。日本人には音楽的な意味に思えてちょっと紛らわしいです。

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