墓地BF - 現存する各アーキタイプに対する戦い方

前回記事:http://d.hatena.ne.jp/jspeed/20110224


今回は前回記事に引き続く形で各デッキに対する戦い方を記したいと思います。
リストは前回記事のものを前提としていますのでご了承ください。

対旋風BF

環境最大勢力である旋風BFですが、日本・横浜の時点ではかなりの相性の良さが保障されていました。理由は前回記事で記載しています。
一つ一つのアドバンテージを意識し、丁寧なプレイングを心がけましょう。
このマッチングで特に気を配る必要があるのは2つ、盗賊の七つ道具とゴッドバードアタックです。

まずここ最近の旋風BFには盗賊の七つ道具の採用が標準的となっていますので、こちらの罠カードは信用を置きすぎると痛い目を見やすいです。
神の宣告と合わせるとカウンターが2〜3枚はある計算になるので、通らないぐらいだと考えるのがちょうどいいです。
自分のやりたいことを通してもらえない、通らない事を前提的に考えるのは非常に苦痛ですが、通るならそれに越した事はないので、通らなかった場合の事を考えおくのは必要不可欠です。
では具体的にどうすれば良いのかと言うと、通したい罠、通すために囮として消費する罠を各状況で選定し、運用していきます。
状況次第でパターンが非常に多岐に渡るので一つ一つを説明するのは難しいのですが、例えばこちらの使えるカードがシロッコゴッドバードアタック・王宮の弾圧の3枚、ゴッドバードアタックは既に場にセットしてあり、相手のフィールドには表側攻撃表示のシュラと2枚の伏せカードがある状態だとしましょう。
シロッコを召喚後効果を使ってシュラに攻撃、相手これを通して戦闘破壊に成功しました。
この時僕ならノータイムでゴッドバードアタックを発動します。
今の旋風BFには無駄になるカードという物が非常に少なく、2枚の伏せカードが両方共に機能しなかったとは考えにくいですし、相手が現状の手札でこのシロッコを処理できない事が明白ならチェーンのゴッドバードアタックが怖くとも防御手段を消費したはずです。
そうでないとなると何かしらの返しが望めるという事で、この場合ならそれはブリザードが濃厚です。
となるとこの場合最も通したい罠は間違いなく王宮の弾圧。既に墓地にシロッコが落ちているのでこの後ヴァーユさえ墓地に追加できればアームズウィングの召喚が狙えますし、弾圧が擁立できていればその突破は容易ではありません。
リザードの召喚を見てから王宮の弾圧やゴッドバードアタックを発動していてはチェーンブロックの関係上七つ道具されてしまうと片方しか発動できない上に、相手側からもゴッドバードアタックを発動されてしまう場合もあるので非常に危険です。
常に相手側からのカウンターの発動を意識し、予防線を張り巡らせておくようにしましょう。
またゴッドバードアタックに七つ道具や神の宣告をチェーンされるとアドバンテージを失うので、シロッコでの戦闘破壊後に発動して2:2の消費に抑えるか、もしくはまた別に囮となる罠(神の警告など)を用意して発動を阻止するなどして工夫を凝らす必要があります。


2つ目はゴッドバードアタックの扱いに関して。
この点は以前書いた墓地BFのススメでも再三記述しましたよね。
旋風だろうが墓地だろうがBFのミラーとなると大変重要になってくるのがこのゴッドバードアタックです。
ゴッドバードアタックはフリーチェーンゆえの汎用性の高さからプレイスキルの差が露骨に表れる1枚で、生かすも殺すもプレイヤーの技量次第です。
狙っていくべきは2:3や、他のカードを絡めた3:4などの有利が付与する複数交換で、避けなければならないのはその逆の3:2や4:3となります。
損をする交換は場にカードを置きすぎない事で解決できます。色々ケアしようとしてたくさんのセットを行う事は逆にゴッドバードアタックをケアできない事に繋がりますから、盤面と先の展望をじっくり考慮して最低限の防御を敷くようにしましょう。



サイドチェンジ
−1 《終末の騎士》
−1 《ダーク・グレファー》
−1 《王宮の弾圧》
−3 《神の警告》
+1 《霊滅術師 カイクウ》
+2 《奈落の落とし穴》
+2 《次元幽閉
(先行)
+1 《ダストシュート》
(後攻)
−1 《魔のデッキ破壊ウイルス》
+1 《ドッペルゲンガー
+1 《魂を削る死霊》


終末やグレファーのような基本パーツを減らして粘り強く戦えるように構えます。
そのためにはライフも貴重な資源なので、神の警告をサイドに備えたノーコストの除去と入れ替えます。
これは相手側のサイドデッキからDDクロウや奈落・幽閉と言ったこちらの動きを阻害するカードの投入が考えられるからで、イメージした通りにゲームが進むとも限らないため慎重なゲーム展開が要求されるからです。

対六武衆

対六武衆は墓地BFにおける最大の課題です。
何せ僕は六武衆の登場に限界を感じて墓地BFを放棄しましたからね。笑
時間をおいて色々見て回ったり考え直したりする事でようやく活路を見出す事ができました。
その際非常に参考になったのがワイルドマンの記したこちらの記事です。

ワイルドマンと羽ばたく鳥たち:《旋風のススメ》6
http://www5.diary.ne.jp/search.cgi?user=544682&cmd=show&num=2011011121294744170&log=2011140013&word=%90%F9%95%97%82%CC%83X%83X%83%81

特に感心したのは本文記事内にある「全ての魔法罠を伏せる」と言う部分です。
これは自身が六武衆を使っていた経験と合わせて非常に納得できました。
六武衆は諸刃の活人剣術や後引きの門結束ハリケーンのようなカードの存在を考えると回し打って展開を控えるパターンが正当化される側面があり、こちらが大量のセットカードを行う事でそれを誘う事ができます。
主流の型には大寒波の姿が見受けられず、それと合わせたブラックローズドラゴンに怯える事もありません。
伏せの全てがどけられるのはハリケーンに限り、それなら何枚伏せても変わらないという理論です。
無理やりなブラックローズドラゴンはたった1枚の本命で阻止できますからね。そして相手からしてみればその本命の位置はわからず、結果として動きの抑止に繋がる訳です。


以上はワイルドマンの受け売りで、ここから先は自己流です。
六武衆は門と結束にモンスターの召喚を合わせて連鎖的な展開を狙うデッキで、それゆえどちらか片方を欠いてしまったり一度の展開に失敗してしまうと途端に後が続かなくなります。
よって相手にするのであれば意図的に後続の続かない展開を強要するべきです。

方法は至ってシンプルで、相手の供給線を徹底的に潰し切ります。
ゴッドバードアタックと神の警告、激流葬に弾圧、それに魔デッキまでもを加えて徹底的に相手の攻め手を破壊し尽くします。この際相手の伏せカードは無視します。
元々大した伏せカードが投入されておらず、ぶん回りに期待してロクな防御手段を採用していないので見えないぐらいの気持ちでプレイして構いません。
唯一危険な活人剣術も所詮はモンスターの展開でしかないので見えてから除去に徹すれば問題ありません。
そうして稼ぎ出した時間は追加の除去を供給しますし、そして何より相手の場が空きやすくなるのでグレファーアームズや終末からのゼピュロスなど効率の良い打点を生成して次々にアタックを加えていきます。
六武衆はスペースの都合上激流葬やミラーフォースさえ削られる傾向が強いのでそれらは全て無視します。
仮に投入されていたとしても回し打って次なる攻め手をドローされてしまう事の方が危険なので、伏せには全く目をくれずにどんどんアタックを仕掛けます。
そのまま押し切れればこれ幸いですし、耐え兼ねて手札の攻め手を消費してしまえば後続の門や結束は事故要素に姿を変えてしまうのでいずれにしても思惑通りに事が進みます。


以上2つの戦い方を並行して行う事で六武衆に対する勝率は激変しました。
先行からの門の超展開やハリケーン絡みのソリティアには結局対抗できませんでしたが、それはほとんどのデッキに言える事で検討する必要もありません。やれる範囲でやれるだけの事をやるまでです。



サイドチェンジ
−1 《ダーク・グレファー》
−1 《カードガンナー》
−1 《ネクロ・ガードナー》
−1 《異次元からの帰還》
+2 《サイファー・スカウター
+1 《連鎖除外》
+1 《御前試合》
(先行)
−1 《聖なるバリア−ミラーフォース−
+1 《ダストシュート》
(後攻)
−1 《異次元からの埋葬》
−3 《強欲で謙虚な壺》
−1 《魔のデッキ破壊ウイルス》
+1 《ドッペルゲンガー
+1 《魂を削る死霊》
+1 《パペット・プラント》
+2 《次元幽閉


後攻時はシエンの擁立、門からの超展開を意識して腐りそうなカードをひたすらアウトし、徹底した受けに回ります。
シエンも幽閉⇒チェーン幽閉orゴッドバードアタックのような方法で除去できれば2:2ないしは3:3交換ぐらいまで持ち込めますし、除去をひたすら詰め込んでワンチャンスの逆転に賭けています。
六武衆の先行からの超展開はまともにやりあっても勝てる次元にないので隙があれば拾うぐらいの感覚で丁度です。
逆に先攻時は変更を少数に抑え、基本戦略に沿う形で速やかなビートダウンを念頭に置いて戦います。

デブリダンディ


このマッチアップは割と厳しめで、割合で言えば3:7ぐらいで墓地BF側が不利です。
有利が付く要素がメインに1枚だけ刺された魔デッキぐらいしか無く、相手のリミットリバースを絡めた攻勢に終始押される展開がほとんどです。
こちらの展開するモンスターが相手にとっての脅威になりえないのが1番の問題で、旋風BFならシュラやブラストは相手がモンスターを置いていく上での逐一の脅威になりえますが、終末もグレファーも、そこから出てくるゼピュロスもアームズも戦闘面ではバニラモンスターに過ぎません。
それゆえ比較的余裕を持って構えられやすく、ため込んだリソースから一気に攻勢に移られ捌き切れずに負け、なんて事がしょっちゅうあります。
これを回避するためにはまず積極的なゴッドバードアタックの発動で伏せカードを狙い、リミットリバースを事前に破壊しておくことで攻め手を限定します。
前面に展開されたモンスターには要所要所で神の警告を合わせる事になりますが、ゲームの決着に直接影響しなさそうなものならスルーする勇気が必要です。


とは言えど、リミリバがなくともデブリダンディには通常召喚に加えてダムドに蘇生、ソーサラーにワンフォーワンと手札から直接展開できる攻め手は複数ある上に、大寒波やハリケーンが絡むと各防御手段は否定されてしまいます。
固まりきらない防御をあてに中途半端なビートダウンをかけてしまうと、デブリドラゴンやソーサラーのような単体で強力な攻め手に損をする交換を迫られてしまうので、実際のところは「我慢」が必要です。
墓地BFは一応それなりのワンキルパターンを持ち合わせていて、デブリはそれに対する対応策が少なめです。
ゴッドバードアタックで伏せカードを狙う事はリミリバと言う攻め手と爆風や激流葬のような防御の突破の2つを兼ねる事ができるので、これを積極的に行いつつ、隙を見出して一気にライフを奪うのが効率の良いやり方だと言えます。


サイドチェンジ
−1 《ネクロ・ガードナー》
−2 《サイクロン》
−1 《聖なるバリア−ミラーフォース−
−1 《異次元からの帰還》
−1 《ゴッドバードアタック》
+1 《霊滅術師 カイクウ》
+1 《D.D.クロウ》
+1 《ダストシュート》
+1 《連鎖除外》
+1 《魔のデッキ破壊ウイルス》
+1 《御前試合》



何はともあれ1本目が厳しいのに変わりはないので、2本目以降の逆ストを意識してしっかり勝ち抜けるようにしておかなければなりません。
2本目以降は決定力の高いサイドカードが豊富に取り揃えられているので1本目よりかは幾分楽になる事でしょう。
さらに現状のメタ分布から言って相手が墓地BFに対して有効なサイドカードを投入できるかと言えば答えは限りなくノーに近いもので、幽閉や奈落のような除去カードは入れ替えにより自分の動きを犠牲にする側面がありますからこれらの入れ替えはむしろ歓迎すべきです。こちらが決定打を引き込める時間を引き延ばせますからね。
序盤から中盤にかけて強欲謙虚でキーカードを探りに行く作業が続くでしょう。デブリダンディは相手を瞬殺するようなカードをロクに持たないのでこの時間はタップリ取れるはずです。上手く魔デッキに行きつくことができればたちまち相手の戦線は瓦解する事でしょう。
2本目以降で気を付ける事は2点。《ライトロード・マジシャン ライラ》と相手のメタ手段です。
ライラはここ最近のデブリダンディのサイドの代名詞でもあり、ほぼ確実にサイドインされ、場合によってはメインデッキからの投入もありえます。
安易に連鎖除外や御前試合のようなカードをセットしてしまうとアッサリ破壊されてしまうのでここには注意が必要です。
2つ目の相手のメタ手段ですが、これは主にサイドチェンジの際サイクロンを抜くか抜かないかの差です。
デブリダンディはライコウやカードガンナーが多くのカードをめくるためデッキ情報が筒抜けになる傾向があります。
それゆえ続く3本目に向けてたくさんの情報を得られますから、相手がこちらのデッキに対して何を投入してきているのかここでしっかり確認しておきます。
仮に《トラップ・スタン》や《王宮のお触れ》のようなカードが見受けられた場合、3本目はサイクロンをメインデッキに戻すべきです。

対代行天使

天使に対しては主に2つの戦い方があります。
一つは相手のヒュペリオンやクリスティアと言ったフィニッシャーに対してのみゴドバや警告のような除去をプレイしてビートダウンを刻む方法で、もう一つはディサイシブアームズの一撃による事実上のワンターンキルです。

前者は至ってシンプルで、アースヴィーナスには積極的な戦闘を仕掛けながらシンクロ召喚を許さないように努め、後続のヒュペリオン・クリスティアの2本柱にのみ除去を行使してビートダウンを貫く方針です。
除去さえあれば向かえるので比較的簡単な勝ち筋ですが、相手のドロー内容が強く除去枚数以上の攻め手を握られていると負けがほぼ確定してしまいます。
クリスティアは無効以外の除去では山札に戻り続けるので除去手段も限られてきますしね。


もう一つの勝ち手段であるディサイシブアームズですが、墓地BFはこれの召喚に非常に長けたデッキであり、この方法は簡単に狙う事ができます。
相手のデッキのモンスターはほぼ全てが光属性で構築されており、効果の発動条件を満たすのは簡単で、レベル10を取り揃えるのも、シロッコグレファー・闇属性モンスター2枚・それと他1枚の手札があれば可能です。

  1. グレファー召喚、効果でシロッコ以外の闇属性をコストとして捨て、ゼピュロスを墓地に送る
  2. ゼピュロスの効果を発動、グレファーを手札に戻しながら特殊召喚
  3. シロッコを捨てグレファーを特殊召喚、手札の闇属性をコストとして捨て、デッキからゾンビキャリアを墓地に送る
  4. ゾンビキャリア効果発動、適当なカードを山札に戻し特殊召喚

これでレベル10です。
手札に終末やヴァーユ・ゾンビキャリアあればもっと効率の良い動き方が可能で、場が空っぽの状態でも瞬間的にディサイシブアームズを召喚できます。
アースを召喚された返しのターン、サーチしたヴィーナスを含めまとめて手札を叩き落とす事ができる他、3300はそう簡単に除去できるサイズではないのであっという間にゲームに勝つ事ができます。
この方法を狙う際ネックになるのが《朱光の宣告者》の存在ですが、初動をグレファーの通常召喚から入る事で相手にチェーンの確認を求める事ができ、相手からしてみればどこま動いてくるかこの時点では見当がつかず、妥当な2:2交換に甘えてバーミリオンをプレイしてくることも多くあります。
よって初動が通ればその先のプレイも通る可能性が高いとみて問題ないでしょう。
また一連の動作の中で相手の一挙手一投足に目を配り、バーミリオンの気配がないかを確認するのも重要なポイントです。
カードゲームは人と人との間でプレイされるものですから、表情や動作の一つ一つも立派な判断材料になります。


サイドチェンジ
−1 《ダーク・グレファー》
−1 《聖なるバリア−ミラーフォース−
−1 《異次元からの帰還》
−1 《魔のデッキ破壊ウイルス》
+1 《霊滅術師 カイクウ》
+2 《奈落の落とし穴》
+1 《ダストシュート》


入れ替えはそれほど必要ありません。
不要牌を有効牌と入れ替える、サイドチェンジにおける基礎的な事を行う程度です。
クリスティアの事を考えると次元幽閉が欲しくなるのですが、逆にヒュペリオンの事を考えると腐る可能性も多分にある上に、外す候補もこれと言って見当たらないので投入する意味はありません。
また天使のサイドデッキにはいくつかバリエーションがあり、各種メタ型の他にも愛知CS頃から台頭してきたコーリングノヴァ・あかり・お触れの3本柱を採用した対BFシフト型の可能性もあるため、それらに充分な注意を払ってください。
迂闊に攻撃表示でモンスターを配すると、コーリングノヴァ特攻からの聖なるあかりで惨事を見る羽目になりますから、あかりのケアをしっかりと用意しておく必要があります。
またこの型の天使相手だと確定した状況下ならば、それ以降のゲームは魔デッキをメインに残すべきです。
あかりのメタはやりすぎなぐらいで考えておかないと、甘く見ているとあっという間に詰まされてしまいます。

まとめ

ご覧のように、各デッキに対する戦い方は全くもって異なってきます。
一つ一つのデッキの性質をよく理解した上で、事前に戦略を固め、それに沿ったカード選択を行う事がゲームに勝利するために必要不可欠な考え方です。
また今回ついでにサイドチェンジの仕方も載せておきましたが、サイドチェンジはバレてしまうとロクに機能しないので鵜呑みにしないようにして下さい。
「相手がこうするだろう」という前提に基づいた変更を行う訳ですから、相手側がそれを知ってしまっていては、わざわざその土俵に立って戦う必要がなくなり、軸をずらされた戦い方を取られ、狙い通りを働きをしなくなってしまいますからね。


以上です!
長々とお付き合いいただきありがとうございましたo≧∀≦o