Day

昨日の夜急ぎで頼まれた仕事をすっかり忘れて帰ってしまったため、今日は早起き!8時起きなんてなんて久しぶり…。うどん作って食べて10時に出発。おかけで昼過ぎくらいから眠くて眠くて…。やる気はないのだが仕事に追われ、夕方に一段落したから帰って寝ようかな、それとも久しぶりに神保町でも冷やかすかななんて考えてたら、また夜に仕事が来るとのことでため息をつきつつ待ち時間の間に本屋でやけ買い。最近毎日本買ってないか?領収書の計算が怖い…。結局仕事は10時過ぎまでかかり、家に帰ってきのことほうれん草のパスタつくって食べる。
のだめカンタービレ(10) (KC KISS)
はじめて『Kiss』という漫画雑誌を買う。この雑誌で気になってるのは『のだめカンタービレ』だけなのでいつもは立ち読みですませる。だから今号も普通に立ち読みしてたのだが、思わぬ急展開でその場での立ち読みが続けられず、買ってしまった…。この漫画っていろいろ面白い部分をあげるときりがないんだけど、最大の長所はテンポを全然予定調和からはずしてるってことだ。何度も思ってるけど改めて思った。この漫画、おもしろいわ〜。そいえばこないだ読んだ『日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2005』のコミック部門での書評対談では編集部推薦として『のだめカンタービレ』が選ばれてたけど、それについて対談で話してた女の人(手元に雑誌が見付らなくて名前も記せず)が「天然は嫌いだし、(この漫画は)ストレスがたまる」とか悪口いいまくりだったわ〜。のだめファンとしては、そこまでいうあんたは一体誰よ?とプロフィールをみてみたところ、肩書き「女子供評論家」って…それなに?そんなささいなことは覚えてるのに名前は覚えてないしあの雑誌もどこにいったのやら…。ま、いいけどさ。

Book(7-8)

さまよう刃
さまよう刃東野圭吾朝日新聞社
うっわ〜これやばいわ。おもしろい。これまでこの人の本は何冊かしか読んでないからはっきりとは言えないけど、作品によって雰囲気ががらっと変わる人だなあと思ってたけど。今回の作品は社会派ミステリの王道といったかんじでしょうか。がっつり読ませる。
男手一つで育ててきた15歳の娘が花火大会の夜に行方不明に、そして数日後、クスリを打たれ輪姦されたあとを残して遺体となって発見される。茫然自失となった父親・長峰のもとに娘を殺した未成年である犯人たちの名を告げる匿名の電話が―。警察には知らせず犯人の一人を殺害した長峰をマスコミは「遺族による復讐殺人」と派手に報道し、世間でも警察内部でも物議をかもす。主犯の少年を追う長峰長峰を追う警察。どちらが先に捕まるのか、そして常に長峰にリークしている人物は何者なのか―?
未成年であればどんな重い罪を犯してもプライバシーを守られ数年後には出所できるという現実。最愛の家族を奪われ自ら復讐に走った父親の覚悟。「気持ちはわかるが殺人は許されない」という世間のタテマエ。父親に同情しながらも主犯の少年の命を守るために動く警察官たちのジレンマ。<正義>とは何なのか―。
うま〜い!読ませるわ〜。まあこの人の作品は「いい人」はいい人、「わるい人」はわるい人として描きすぎるきらいがあって今回もそれはすごく感じたけど、でも読者を引き込まずにはいられない設定の上手さや、展開の緊迫感で一気に読めてしまったんだよね。あまりにも残酷に殺害された被害者の遺族の立場に徹底的に寄って描かれてて、父親に感情移入せずにはいられない…ていうのはちょっとずるいんじゃないかと思わずにもいられないけど、でも現実はこうなんだ、とも考えさせられる。
実名報道はマスコミによる<市中引き回しの刑>に過ぎず、法治国家では社会的制裁は認められない。社会的制裁なんてやりはじめたらきりがなくなる。頭の中ではきっちりわかってる。つつく必要もないほど正論。刑を重くしたり、未成年犯罪者を実名報道しても犯罪が減るわけではない。だけど、もし実際に自分の家族や愛する人が殺されたら?そしてその犯人が未成年で、たった数年で出所できるとしたら?それでも復讐なんて許されないと、正論を吐けるだろうか。
…なんてそんな人間として当たり前のツボをストレートに突いてくる作品。ずるいけど、そのずるさのスケールがでかい上に語り口が上手くて止まらなくなってしまったほどおもしろかったので許す!
関係ないが雫井脩介の『犯人に告ぐ』がヒットして以来、<劇場型犯罪>ミステリがはやってるんではないだろーか。その言葉まんま乗っけてる帯の本を最近見かけたし、この作品もマスコミがあおる部分が大分入ってるしなあ。ついでに関係ないけど雫井脩介の作品が最近になってばたばたと文庫化されてますね。半年前はハードカバーも新刊本屋にあんまりなくて、しょうがなく古本屋でこつこつ探してたってのにさ。ま、探すってほど冊数ないけどね。


Teen Age
Teen Age双葉社
「十代」をテーマにしたアンソロジー。書き手は角田光代瀬尾まいこ、藤野千代、揶月美智子、野中ともそ、島本理生川上弘美
アンソロジーなんて文庫本でもほとんど買わないのに、読みたい作家(ここ最近一番ノってる角田光代、そのうち全部読もうかなと思ってる瀬尾まいこ、いつでも好きな川上弘美)と実際読んだことないけどちょっと読んでみたいなと思ってた作家(島本理生、野中ともそ)があわせて過半数を超えたので買って読んでみた。
角田光代「神さまのタクシー」―山の中のカトリック系女子中の寮に入れられた女の子たちの物語。優等生で嫌われ者のルームメイトのために何故か必死になってしまって、それになんの重みも感じてない主人公の性格が、「らしい」。何の娯楽もなくて寮の一ヶ月の食事のメニューを記憶しちゃうとかっていう小さなエピソードが物語をいきいきとさせている。
瀬尾まいこ「狐フェスティバル」―過疎化の進んだ小さな村で子供たちによって行われる夏の慣例行事<狐がえり>。地元の子と都会から来た女の子とのタタカイと交流が描かれる。この短編が書ける人なら、他の未読の作品も期待できそう。
川上弘美「一実ちゃんのこと」―<ふくろうがホウと鳴いたので、一実ちゃんが訪ねてきたことがわかった。>冒頭の一行で一瞬に川上ワールド。予備校で友達になったクローン少女・一実ちゃんとの物語。