フラッシュフォワード (ハヤカワ文庫SF)(ロバート・J・ソウヤー/ハヤカワ文庫)

フラッシュフォワード (ハヤカワ文庫SF)
「イリーガル・エイリアン」に続き、ソウヤーの作品は二冊目。ブックオフにて購入。
科学者であるロイドとテオはヒッグス粒子を発見するための大規模な実験を行った。しかし実験は失敗に終わり、そしてなぜか全世界のすべての人間の意識が二分間、21年後の未来に飛んでしまったのだ。主に交通機関において甚大な被害がおこり、全世界で大多数の死者が出る惨事に…。ロイドは見知らぬ女性と結婚している未来を見て、現在の婚約者との結婚に躊躇する。一方テオは自分が殺害される未来を知り、そこへいたる過程について懸命に調べ始める。未来はすでに決定されているものなのか、それとも意思によって変えることができるものなのか…。
おもしろかったー。しかし変なこと考えつく人だな。世界中の人の意識が未来に飛ぶなんて。まだ二作品しか読んでないけどソウヤーの物語って、すごーくエンターテイメント。だから読んでて楽しい。この人の作品は制覇したいなぁ。

銀杏坂 (光文社文庫)(松尾由美/光文社文庫)

銀杏坂 (光文社文庫)
北陸の古都・香坂を舞台に、ある刑事コンビが次々と出くわす不可思議な事件の顛末を描いた連作ミステリ。
主人公の中年刑事・木崎の真っ直ぐさと優しさ、そして相方・吉村のとぼけたキャラがいい。香坂というゆったりとした土地柄に、耳に優しい方言がさらに物語を柔らかくつつみこんでるようだ。一応連作というかたちだけど、一番最後を読むと、長編小説ともとれるかんじ。ちょっとせつないラストだった。