かもめ食堂(群ようこ/幻冬社)★★★プラス

かもめ食堂
この人の作品読むのは久しぶり。わたしが大学生だった頃かなり好きで、当時に発表されてたものはほとんど読んでたけど、彼女の作品の中では何より自伝的なエッセイが大好きだった。『別人「群ようこ」のできるまで』や『アメリカ居すわり一人旅』なんて何度読んだことか! 妙にさめた距離感と笑いのツボにハマっちゃって、大好きだった。
今考えると「無印」シリーズは、<現代の女性をリアルに描いた小説>というジャンルを一般化させた第一人者の立場ではないかと思う。バブルという時代背景も相まって彼女の視点は新鮮だった。でもその後、新鮮だったはずの群ようこの世界は、当たり前になってしまった。そして群ようこが切り開いたジャンルは、若くて実力のある作家たちに否応なくバトンタッチされてしまった感がある。
最近は三味線とか着物とか日本文化にまつわる作品が多くて、あまり手に取っていなかった。


そこに「かもめ食堂」だ。
店頭に並び始めた当初は、「外国が舞台なのか、ちょっと意外」くらいに思ってスルーしてた。気になりながら無視してたんだけれども…。
ちょうど日曜にゴロゴロしてたときに「神様はサイコロを振らない」のダイジェスト版?スペシャル版?みたいのがやってて、わたしこのドラマ好きだからじーっと見てたら後半にやらたら映画版「カモメ食堂」の宣伝するから、ついつい興味もっちゃって読んじゃいましたよ!
だって主演が小林聡美片桐はいりもたいまさこ、ですよ? どういうセレクトなんだ…。もちろん三人とも演技達者な役者さんですよ? でもなんだろう。地に足は着いてるのに異常に個性的な女優ベストスリーがそろってるような…。
で、読んでしまいましたが。ちょうどTVで予告編を堪能してしまったせいか、読んでても登場人物たちに役者がかぶってしまう…!? 
で、思ったのは、この3人がシャッフルして役を変えても大丈夫だろうなってこと。それぞれ変な性格の役だけど、たぶん三人ともどの役でも演じれたはず。
う〜ん、読み終わってなお、映画も観に行きたくなるなぁ。

なかなかGOODでした☆