『谷崎潤一郎伝』補遺

(活字化のため削除)
 あと『随筆サンケイ』昭和32年11月号の、辰野隆徳川夢声志賀直哉らの座談会で、中絶した「鴨東綺譚」について辰野がすごいことを言っている。「僕だけの邪推だが、あれについて僕は吉井勇大人に、「谷崎はあのモデルになってる女とやってるんじゃないかと思う」というんだ。(「いったんだ」の間違いだろう)やってなければ、もっと腰が強い筈だよ。(笑)・・・・吉井さんに、「今度谷崎に会ったらそこだけきいといてくれ給え」と頼んだんですがね」というのだ。夢声はそれを受けて「いまの奥さんを大変怖がっていらっしゃいますね、谷崎さんは」と言っている。モデルの女というのは市田ヤエだが、今東光ともやったらしく、「東光さんがいちばんよかった」と言っていた、と『秘本 谷崎潤一郎』にある。