猫を償うに猫をもってせよ

2010-01-11 戦後文藝時評小史 このエントリーを含むブックマーク

 新聞の文藝時評というのは明治期からあって、近松秋江正宗白鳥、また大正から昭和の川端康成小林秀雄などが有名だが、一人の人が一新聞の時評を続けて担当するようになったのは戦後のことで、それにつき小史を掲げておく。当初は、文藝雑誌の新年号が12月に出るから、12月から交代するのが一般的だった。後ろにそれをまとめた単行本を掲げておく。●は実作者である。

なお読売新聞は84年から91年まで、新聞記者が「文芸」と題して文藝月評をやり、批評家には季評をさせていた。98年にその方式を復活させ、これが笙野頼子論争の発端となった。

毎日新聞

   1955−68 平野謙 『文芸時評』河出書房

   1968.12−69●安岡章太郎 『小説家の小説論』河出書房

   1969.12−78 江藤淳 『全文芸時評』新潮社

   1978.12−86 篠田一士 『創造の現場から』小澤書店

   1987−93 秋山駿

   1993−2010 川村湊 『文芸時評』水声社

   2010-  田中和生

朝日 1956.12-59 臼井吉見

 1959.12−60 中村光夫

   1961−62 江藤淳(29)

   1963−64●林房雄 『文芸時評』桃源社

   1965−66 江藤淳

   1966−67●大岡昇平

   1967.12−68●小島信夫 『現代文学の進退』新潮社

   1968−69 中村光夫

   1969.12−71.11●石川淳 『文林通言』中央公論社

   1971.12−72 吉田健一文学文学でなくなる時』集英社

   1972.12−74●丸谷才一(47)『雁のたより』朝日新聞社

   1974.12−76 大岡信(43)『現代文学・地平と内景』朝日新聞社

   1977 加藤周一

   1978−79 ●大江健三郎 『方法を読む』講談社

   1980−81●井上ひさし 『ことばを読む』中央公論社

   1982−83.3●河野多恵子

   1983.4−84●古井由吉 『招魂のささやき』福武書店

   1984.4−85 山崎正和(48) 『柔らかい自我文学新潮社

   1986−87 種村季弘 『小説万華鏡』日本文芸社

   1988 ●富岡多恵子 『こういう時代の小説』筑摩書房

   1989−90 川村二郎

   1991−92●高橋源一郎 『文学じゃないかもしれない症候群朝日新聞社

   1992.4−94.3●大江健三郎 『小説の経験』朝日新聞社

   1994.4−96.3 蓮實重彦 

   1996.4−98.3●池澤夏樹 『読書癖4』みすず書房

   1998.4−2000.3 小森陽一(45)

   2000.4−02.3●津島佑子

   2002.4−04.3 関川夏央

   2004.4−06.3●島田雅彦

   2006.4−08.3 加藤典洋

   2008.4− 斎藤美奈子

読売 1955−60 山本健吉

   1960−64 河上徹太郎 『文芸時評』垂水書房

   1964.12−67 山本健吉 『文芸時評』河出書房

   1967.12−68.11 吉田健一

   1968.12−72 佐伯彰一 『日本の小説を索めて』冬樹社

   1972.12−76 川村二郎 『文芸時評』河出書房、『文学の生理』小沢書店

   1976.12−81 秋山駿 『生の磁場』小沢書店

   1981.12−83.12 高橋英夫

       1984−85.3 白鳥省吾(文芸)

       1985.4−88 中田浩二(文芸)

   1986 磯田光一(季評)

   1987−90 高橋英夫(季評)

   1990−91 川村湊(季評)

1991−93 野口武彦

   1993−96 松原新一

   1996−98.1 沼野充義(季評)

       1998.2−2003 文藝98−2003 尾崎真理子

       1998.4−98.10 文芸ノート(鵜飼)季評

   1999.6−2001.4●堀江敏幸(季評)

   2001.7--03.4 三浦雅士(季評)

   2003.7−06.1 松浦寿輝(季評)

   2006.5−07.10●辻原登(季評)

   2008.2−09.10 池田雄一(季評)

   2010.2− 安藤礼二(季評)

産経 1965‐67 進藤純孝

   1970 山崎正和

   1973‐76 佐伯彰一

   1976−92 奥野健男 『文芸時評』河出書房

   1997−2004 荒川洋治 『文芸時評という感想』四月社

   2005.1−3 鹿島茂

   2005.4−06.3 ●藤沢周

   2006.4‐07.3 ●中沢けい

   2007.4− 石原千秋

東京 1963 山本健吉

   1964 瀬沼茂樹

   1965.6‐66 本多秋五

   1967 篠田一士

   (不明)

   1970.6‐73 秋山駿 『秋山駿文芸時評』河出書房

   1973.12−74 ●阿部昭 

   1974.12−75.5●富士正晴

   1975.6− ●藤枝静男

   1976 ●田久保英夫

   1977.3‐78.11 柄谷行人 『反文学論』冬樹社

   1979‐81 桶谷秀昭 『回想と予感』小沢書店

   1981−2001 菅野昭正 『変容する文学の中で』集英社

   2002− 沼野充義