新八犬伝と真田十勇士

 私は小学校五、六年のころ、NHKの人形劇「新八犬伝」を夢中で観ていたのだが、もちろん当時はビデオなどなく、しかし最後のぎりぎり、1975年1月ころ、テレビの音が入るラジカセを買って、音だけ録音した。犬江親兵衛が出現するあたりだ。
 世間では「新八犬伝」が人気がある、と気づいたのが遅かったため、当時関連本はほとんどなく、次の番組の「真田十勇士」が、二匹目のどじょうとばかり関連本がやたらと出ていたのが可笑しかった。まあこれは半分くらい失敗作だった。ナレーションはアナウンサーで、二年目から熊倉一雄にしたが、その分だけ対象年齢が下がってしまった。
 しかし、私はその「真田十勇士」をもせっせと録音していたのである。しかし、中学生の小遣いでは、すべて録音するだけのカセットテープは購入できない。だから後から消すことになるのだが、その際私は、聴きながら全シナリオを書き写してから消していたのである。想像するだに恐ろしい。しかも途中から、動きも記録しようと思い始めて、全部絵コンテ式に観ながら記録していたのである。単なる動きだけではなく、カメラのズームインまで書き込んでいた。狂気であった、と思う。 

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ところで1972年に若木書房というところから出た、北野英明の『サイボーグエース』という漫画があって、私はこれをある事情で持っていたのだが、「原作ジャック・ラカン」とあって、高校生のころ、あのラカンを知って、不思議に思ったのだが別人であるらしい。しかし国会図書館ではあのラカンになっている。(修正されるらしい)

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なぜ私がハワード・ホークスジョン・ホークスと書き間違えたかというと、ジョン・ホークスという作家がいるからなのだが、それ以前に、ハワード・ホークスというのがどういう監督なのかよく分からないからである。フィルモグラフィーを見ると、『コンドル』とか三つくらい観てはいるのだが、全然まとまったイメージがない。ほら、だから逃げて行けと言っただろう。