猫を償うに猫をもってせよ

2016-09-14 高橋昌一郎の理性の限界 このエントリーを含むブックマーク

 高橋昌一郎は『週刊新潮』に連載していた「反オカルト論」で、『あの日』が出たあと盛んに小保方晴子を攻撃していたのを、私が批判したことがある。

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20160523

 それが本になったのだが、なぜか新潮社ではなく光文社新書である。

 で、そこに私への反論があるのかと思ったら、ない。代わりに、ある懇親会でさる文学者がビール片手に「小保方晴子はスケープゴートだ」と言ったとか書いてある。これが私のことなんだろうが、私は酒を呑まないし、高橋には会ったことはない。

 で、そのあと反論になるのかと思ったらなっていない。私は高橋にツイッターで、佐藤貴彦の、スタップ細胞問題についてまとめた著作を読むよう言ったのだが、これも読んでいないらしく、単に小保方氏の悪口を書いたマスコミの文を引用し、講談社はなぜこんなトンデモ本を出したのかと言うだけで、全然私が言ったことの反論にはなっていない。しかもこの本、帯は「スタップ細胞事件は現代のオカルト」などと書いてあるが、小保方一人で多くの科学者を騙せたと思う高橋のほうがオカルトである。あるいは、自説を訂正できず、理性の限界に陥ったか。不誠実な話である。

(小谷野敦)