2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「愚痴」誤用してませんか。

アマゾンレビューで私の『日本文化論のインチキ』のを見ていたら、「愚痴ばかり」というのがいくつかあった。どうもこの低能ども、「愚痴」というのを意味を取り違えているのではないか。「言っても仕方ない、済んでしまったことをあれこれ言うこと」が「愚…

文理学部

「文学部」は「人文学部」の略だとか、文学部なのに文学じゃないのもやっていておかしいとか、いずれも間違いである。 東大の濫觴は、文科大学と理科大学で、文科大学というのは自然科学以外すべてを含む。その流れをくむのが文学部なので、単にそこから法学…

沓掛良彦先生から、エラスムス『痴愚神礼讃』(中公文庫)をお贈りいただいた。著者謹呈のところに、沓掛先生お手製のチラシが入っているが、中央公論新社はこういうのを入れて発送してくれるのであろうか。あとがきを見ると、大出晁(1926-2005)の『痴愚礼…

和泉司よ

川口則弘さんが原稿料ただで書いた論文が載っている『日本文学』(日本文学協会)の11月号に、和泉司(1975- 、慶大専任講師)の、芹沢光治良についての論文が載っているのだが、その中で、註に私の『川端康成伝』が出てくる。書評とか紹介は絶対しないらし…

一きれのパン

私が中学生の時、国語教科書に、ルーマニアのフランチスク・ムンティアヌの「一きれのパン」が載っていた。第二次大戦中、語り手のルーマニア人が、ルーマニアがソ連に寝返ったというのでナチス・ドイツに拘束されて牢へ入れられ、そこから脱出する。ユダヤ…

それは久米正雄だ

車谷弘の『わが俳句交遊記』に、佐佐木茂索(1894-1966)が死んだあと書かれたものが入っている。それによると、佐佐木に「返へさず」という短編があるが、作品集には入れなかったという。『文藝春秋』1926年8月掲載で、川崎という男を主人公とした私小説ら…

トランペット吹きながら

作詞:中村千栄子、作曲:湯山昭 名曲である。私が小学校六年のころ、全国合唱コンクールの課題曲になり、音楽室で歌われているのを外で耳にして、なんと不思議な歌だろうと思った。大学生のころ、湯山昭合唱曲集というLPを買って聴いたら、すごい曲だと思…

ブラック・ジャックと吾妻ひでお

『ブラック・ジャック』に「ふたりの修二」というエピソードがある。筋は以下の通り。 http://www.kurata-wataru.com/t-osamu/else0001.html この中で、久美の前に現れた修二が、本当に男になったのかと問い詰める場面がある。久美は上半身裸になって、「ど…

『週刊文春』で中村うさぎがビートたけしを批判していた。かつて、うさぎさんの本を読みもせず噂だけで馬鹿にしたというのだ。 私は、週刊誌レベルではビートたけし批判はタブーだと思っていたからちょっと驚いた。たけし批判のタブーぶりは芸能界だけではな…

嗚呼嫌なことだ

さる知人を介して、さる地方大学の教員が、漱石の『こゝろ』の謎解き本を出したので私に送っていいかと問い合わせがあった。私は『こゝろ』が嫌いだし、何より種々の解釈は出尽くしていると思っているが、この人は斬新な解釈だと思っているらしい。そしてど…

「ちょろけん」と佐伯義郎

『広辞苑』に載っている「ちょろけん」の項目は、その挿絵で知られている。異様な風体の大きなかぶりものに、介添えのような細い男が脇についている。江戸時代に京都地方に現れたものもらいで「ちょろが参じました」と言って歩いたとある。私も小学生のころ…

話題の書であるらしい鈴木健『なめらかな社会とその敵』が、半年くらい待って図書館から回ってきた。最近の癖で最初のページからまじめに読み始めて、そこでつまづいてしまった。「はじめに」であるが、 西ドイツのデュッセルドルフ日本人学校に通っていた14…

新刊です

病む女はなぜ村上春樹を読むか (ベスト新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: ベストセラーズ発売日: 2014/05/09メディア: 新書この商品を含むブログ (12件) を見る訂正 133p「川島武宜」→「神島二郎」(生没年とも)

http://keimeisha.blog.wox.cc/2011-01-14.html 下にいる長島というのが文三で同じクラスだったやつ。筑駒から一浪で来たんだが何でも知っていてすごいやつだった。

http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-112.html これ明治のところがおかしいと思ったら、出口一雄『出版を学ぶ人のために』(1975)に載っていた。というかそのまんま。 明治のほうでは、『浮雲』『当世書生気質』『花袋集』なんてのが、文学史的…

書店の店頭に『いけてる本いけない本』という小冊子が、季刊くらいの感じで置いてあり、見つけると立ち見して、面白ければ持ち帰る。編集者が中心に書いているようだが、「いけない本」のほうが面白い。今日びのマスコミは褒め書評しか載せないからである。 …