いただいていたもの

 山本貴光(八雲出)さんより、以下のご本をいただいておりました。
 いつもありがとうございます。

文体の科学

文体の科学

いただきもの

 山下玲子さんから、ご著書『ホストセリングを知っていますか? 日本の子ども向けテレビCMの実態』(共著、春風社、2015年)をご恵投いただきました。いつもありがとうございます。タイトルはやわらかいのですが、中身は本格的な研究書です。

ホストセリングを知っていますか?: 日本の子ども向けテレビCMの実態

ホストセリングを知っていますか?: 日本の子ども向けテレビCMの実態

 「ホストセリング」とは、CMに番組と共通のキャラクターを用いて区別を曖昧にする手法のことだそうです。(本の帯より)

いただきもの

小さなラジオ局とコミュニティの再生: 3.11から962日の記録

小さなラジオ局とコミュニティの再生: 3.11から962日の記録

 研究会の方よりご恵投いただきました。ありがとうございます。岩手、宮城、福島、茨城のコミュニティラジオ放送局関係者にインタビューした労作です。

『ジェンダー学への道案内・四訂版』

 2006年刊行の同書ですが、今回2009年以来久々の改訂作業を行いました。(2014/04/16)

 下になっているピンク色の表紙が三訂版、上に乗っている藤色の表紙が四訂版です。
 四訂版では、一部のデータをアップデートするとともに、第6章を書き下ろしで追加しました。ページ数が増えたため、100円、定価がアップしてしまいました。
 第6章の内容はこちら。

 なお、まだ市販のルートには乗っておりません。テキストとしてご注文いただいた大学生協を優先して発送しております。
 以下は、「購入者特典」。うちの猫(レキ)の写真です。

 「あとがき」の内容も、ちらっと読めるように撮りました。(笑)

PowerPointでKJ法をやってみる

 昨年、久しぶりにKJ法のA型図解とかやってしまったのですが(時間が無茶苦茶かかった)、結局特別なソフトは使わないで、パワポで図を書くのが早いという結論に達しました。パワポKJ法、略して「PPKJ」。何回かやってるので、以下、手順をまとめておきます。*1

(1)新しいファイルを開き、スライドのレイアウトを「白紙」に指定します。色はお好みで(白推奨)。ウィンドウはできるだけ大きくします。PCのディスプレイももちろん大きい方がいい。

(2)ラベルを作る。「図形描画」で図形の中から好きな形を選びます。わたしは「角丸四角形」。(KJ法のラベルはこの形の線で囲まれているので。)これで適当な大きさの図形を描きます。ラベルの色や輪郭もお好みで。輪郭線は濃い色がいいですけど、ラベル自体は淡い色を推奨。
 わたしはラベルの色を黄色にして、透過度を50%ぐらいにしておきました。重ねた時に後ろが見えると便利なこともあるかと思って。ポストイットっぽい感じです。

(3)ラベルはコピーして、最初から複数枚作成しておきます。ラベルの大きさは、書き込みたい文字数との兼ね合いがあるので、慣れるまでは試行錯誤すると思いますが。気に入った大きさや形ができたら、テンプレートとして保存するのがよいかと。

(4)必要な枚数ラベルを作成したら、文字を書き込んでいきます。あとで例示の画像を貼りますけど、今回は適当なことを書いてますので、まったくラベルに書かれたことに意味はないです。

(5)適当にセーブしながら作業を進めます。当たり前ですが、ラベル(オブジェクト)は文字を書き込んだまま動かせます。一通りラベルを作成し終わったら、その状態でページを複製しておくのがいいと思います。以下の作業は、複製したスライドでおこないます。

(6)KJ法ではラベルのグループを作って、名前をつけていきます。ラベルをスライド上で動かしてまとまりを作ってみて、それを全部おおうように、「図形描画」で新しい図形を描きます。囲みを作る新しい図形は、「塗りつぶしなし」を指定します。

(7)グループ(「島」と読んだりもします)に名前のラベルを貼ります。ラベルの作り方は(2)と同じ。ただし、最初のラベルとは違うデザインがいいと思います。

(8)ある程度グループが確定してきたら、「オブジェクトのグループ化」をします。Ctrlキーを押しながら、グループ化したいラベルを左クリックしていき、メニューの「配置」→「オブジェクトのグループ化」の「グループ化」で指定完了。

(9)オブジェクトのグループ化をしたグループは、マウスでドラッグして、まとめて移動できます。グループが増えてごちゃごちゃしてきたら、適当にラベルを重ねて表示するようにします。手前に置いておきたいラベルは、「前面に配置する」で。

(10)必要に応じて矢印や文章なども書き込めます。全体にタイトルをつけたり、コメントを書き込んだりして完成。

 PCの画面が広くなり、一度に表示できる情報量が増えたのが、やりやすくなった一番の要因ですかね。「何でもExcelでやるな」とよく怒られますが、「なんでもパワポでやるな」と怒られそうです。(実は、チラシのレイアウトを考えたりするときにも使ってます。)
 いったん途中の作業状況を保存しておいて、別のスライドで続きをしたりできるので、何通りかの思考を試せますし、複数人で同じ素材を使って考えを練ることも可能、というあたりは、便利かなと。
 みんなでわいわいやる作業も可能ですね。以前授業の中で、プロジェクタ(というか、大画面プラズマテレビでしたが)で作業画面を映して、「これはこっちじゃない?」ということをやったこともある。
 なお、タッチパネルだと、移動も「手作業」でいけます。iPadKeynoteでも同じことができるかもしれません。

■テンプレート

 使ったテンプレート、置いときます。(若干改変してます。)

*1:LibreOfficeでもできます。

中井浩一、『被災大学は何をしてきたか』

 4/2の記事への追記。

 「頑張った福島大、周到かつそこそこ頑張った岩手大学焼け太り東北大学」。
 国立大学法人化の問題でいくつか著作のある、中井浩一氏が、震災後に被災地域の国立大学三校(岩手大、東北大、福島大)に取材したものをまとめた新書。基本的に自分の大学以外はきちんと読んでないので、そのあたり、以下の記述も割り引いて受けとめていただけたらと思う。
 ラクレというとお手軽新書という印象なのだが、届いてみて驚いたのは、本の厚さ。500ページ以上あった。よく調べてあり、一度来て話聞いたただけで書いた本でないことはよくわかる。
 ただ同時に、偏ってもいる、というのがわたしの感想。もう一つは、法人化以降の文部省との関係や大学運営のあり方に焦点を当ててまとめているということの、よい面・悪い面が出ている、ということ。
 後者から書くが、旧帝大と地方大学との予算規模の話とか、下りてきた予算が適切に運用されているのかとか、そういったところにも切り込んでいるのは評価したい。これは法人化問題について取材を重ねてきた中井氏だから書けたことでもあるだろう。福島大学への予算措置の少なさにふれてくれているところも、ありがたい。
 同時に、その視点があるからなのか、こぼれてしまったものが、少なくとも福島大については相当あるのではないかとも感じた。福島大学の意志決定のあり方について、「福島大学の伝統としては平場の議論を重視するが、それが法人化以降は情勢の変化で改革を求められており、学長のリーダーシップが強調されている。両者のせめぎ合いの中で震災を迎えた。」というような構図の描き方もそうで、ここに引っかからない問題は落ちてしまっているように感じる。
 たとえば、行政政策学類の学生帰省支援バスのチャーター*1なんかはこのへんの構図にはまるので、取り上げられているわけだが*2、人間発達の筒井さんたちのチームが取り組んでいる、原発被害地域の子育てストレスの調査とか、ルーチンとして理工の渡邊明さんが取り組んでいる定期降下物の測定とか、そういったものが出てきていない。さらっとひと言、地域と大学との結びつきが深いことの説明で、飯舘と大学のつながりとかにも触れられているが、「かーちゃんの力プロジェクト」の話はいっさい出てこない。これはちょっとどうかと思う。*3
 今回の震災以前の活動にふれているあたりで、中越地震への支援に、福祉系のふたりの教員が中心に関わってたのはそうなんだろうけど、阪神淡路の時には、社会心理学行政法、環境論の教員が、中越の時にも言語論やサウンドスケープの専門家がかかわっていて、避難所=福祉系、という狭い範囲じゃなかった(学際性とでもいうのか)。このあたりが見えない。この場合は、福祉系に留まらない支援があったことが、一番重要なのではないかと思うのだけど。
 あと、震災対応の初期段階での行政政策学類と大学執行部の対立を一つの焦点に持ってくるなら、結ブログも読んでほしかったと思う。あのあたりの軽いノリ(清水晶紀さん、大黒太郎さんあたりの)をちゃんと紹介しほしい。(笑)
 まあ、外部の人が取材して書いているので、情報源も限られるし、情報源になった人の視点の偏りや思い違いもあるんだろうけど。
 なお、行政政策学類の教員が「避難しないで残っていた教員たちは半分ぐらいはいた」(p.97)ってのは、さすがにちょっと事実誤認だろうと思う。もっと残っていた人は多かった。半分しかいなかったら、下手をすると教員会議が成立しない。残っていても、家が半壊した人はなかなか出てこられなかっただろうし、インフルエンザで出勤停止の人もいたので。また福島にいなかった人にもいろんな理由があって、親の介護で遠距離通勤していた人は足止めをくらっていたし、関東圏の親の家が津波で被害を受けたので、そちらへ行っていた人もいた。こういう人たちは、原発事故で避難した、ということではない。

*1:ただ、このバスチャーターが、学生一般の避難のためのように書かれているのは、たいへんミスリーディングな記述で問題がある。福島市近辺に実家がある学生は対象になっていなかった。当然だが、避難先を大学で確保することは不可能だったし、家族と切り離して学生だけを乗せることも無理だったからである。

*2:ついでに書いておくと、55ページと56ページで、バスチャーターに対する前学長のコメントを紹介して、「たしかにそうだ」と納得しているみたいだが、学生をそのままひと月地域に置いておいた時の外部被ばく量は、たった数時間バスで避難する際の被ばく量をはるかに上回るはず。なぜそこで「屋内にいたほうが安全だった」という入戸野氏の言葉に納得してしまうのか、理解に苦しむ。ここも容認しがたい。

*3:あとは、塩谷さんが関わっている「遊休農地活用プロジェクト」における地域と大学との相互関係とか(これも物資の支援などに生きたつながり)、教員が一個人として地域の中でやっている活動とか、ほとんど書いてない。まあこれはしょうがないと思うけど。しかしなんだか註ではボロボロに書いてるなわたし。千葉悦子さんの専門が「婦人教育論」というのもどうなのか。