禁断の後記。そして、虎へ。

ひらフル「禁断のボーダーライン」が終幕。ご来場ありがとうございました。
終わったので、少しだけ後記的なものを。

今回、国境線というテーマで演劇を作ることになり、国に翻弄される人間のドラマになった。自分が書きたいのは人間ドラマであり、右往左往する人間の可笑しみであり、変化なんだなということを改めて思いました。
単純な2国の国境線ではなく、大国のエルぺニア、かつてその属国だったデントとスロブ、この3国の緩衝地帯の国境線を描くことに決めました。元ネタになっている国は、昨今の世界情勢を見れば一つ有名なのがあるけども、色々と調べる内に3つくらいの情勢をブレンドして作り込んで行った。なので厳密には特定の国はないのかもしれない。お客さんからの質問で、この3国の名前の由来をよく聞かれたので、お答えします。

エルぺニアはエンペラー(皇帝)、デントはレジデント(市民)、スロブはスレイブ(奴隷)です。有名な3すくみ。カイジでもEカードになっている。「皇帝」は「市民」に勝ち、「市民」は「奴隷」に勝つ。失うもののない奴隷は、唯一「皇帝」を刺すことができる。この3すくみを3国を描く時に意識してました。皇帝が一番嫌がることは、市民と奴隷が手を結ぶことではないかな、とか。

演出面のことで言えば、国境線という広大な場所を想像させる作品を、シアター711のステージ上で成立させなければならないため、3本の国境線を舞台上に交差させようと早々に決めました。これは3国の緩衝地帯であることを表しながら、区画のゾーンを分けながら、前後の高低差でも見せられないかと考えたからでした。それが結構難しく、稽古場で役者の皆さんと目線、角度、そういったルールを共有して、あーでもない、こーでもない、と議論を重ねて作り込んでいった。

ネタで言えば、ボッチがリンスを誘った文句「良いスペースへ!」の「良いスペース」とは、いったい何なのか?そのスペースにはきっとルマンドがあったり、クロスワードパズルがあったり、モフモフした肌触りの毛足の長いクッションがあるんじゃないかと思っています。いや、ないかもしれないです。

書き出したらキリがない気がしてきたので、雑記もこのへんで。ありがとうございました。

今日からTPAM2018「虎の館」の集中稽古。数年前から、この作品を再演するために生きて来た。三人芝居で送るミステリー喜劇。

【虎の館STORY】

建築士の師匠(ヤマダ)と弟子(シミズ)が在籍する山田建築事務所。プロレスをこよなく愛する二人は、仕事がない日はプロレスをして過ごしていた。そんなある日、編集者を名乗る男(ハナマキ)がやって来る。二人は久しぶりの仕事に構えていると、男は全く予期せぬ依頼を口にした。
「ミステリーの密室トリックを考えてもらえませんか?」


<作・演出> フルタジュン
<出演> 山田伊久磨/清水洋介/フルタジュン


≪公演日時≫
2月10日(土)16:00/19:00
2月11日(日)14:00/18:00
2月17日(土)14:00/18:00
2月18日(日)14:00/18:00

※受付開始・開場は上記開演の30分前

≪会場≫
アーキシップ ライブラリー&カフェ横浜市中区吉田町4-9)
※JR関内駅から徒歩5分

≪チケット料金≫
■一般前売券・当日券:2,800円
※日時指定・全席自由

≪チケット予約方法≫
下記の予約フォームからご予約下さい。
https://www.quartet-online.net/ticket/tora(カルテットオンライン)


ご来場お待ちしておりまっす。