で、何があるのか?


 昼にね、マックに行ったんだよ。マクドナルドね。僕が無類のマック好きであることは、もう充分に説明してきたよね。


 でね、店の入り口にも貼り紙がしてあったんだけど、どうやらジュースの機械の故障で、コーラとコーラ・ゼロとファンタとぶどうジュースが用意できない、みたいな事態に陥ってるらしいんだよね。注文の順番待ちをしながら、カウンターにも貼ってあった紙を見て知ったんだけどね。


 で、いざ僕が注文を受ける番になったので、何とかチーズバーガーのセットを頼んで、「で、飲み物は何がありますか?」って訊いたんだよ。そしたらね、店員さんはこのプリント・アプトした用紙を指差して、「コーラと、コーラ・ゼロと、ファンタと、ぶどうジュース、以外の物でしたらあります」とか言うんだよ。まいっちゃうよね。そんなね、ないものを列挙されても困るんだよ。



 そう考えてみるとね、お店に入ってくるとき、この店にはめずらしくドライブ・スルーに長蛇の行列ができてたんだ。その理由も想像つくよね。「お客様、飲み物なんですが、大変申し訳ございません。ただ今、コーラと、コーラ・ゼロと、ファンタと、ぶどうジュース、以外の飲み物のみとなってしまいます。いかがいたしましょう?」とかいちいちアナウンスしてるんだと思うよ、どうせ。そしたら当然客は、「あ、そうですか。……、え〜っと、じゃあ、何がありますか?」って訊くに決まってんじゃん。こういうやりとりってお互い気持ちが磨り減っちゃうよね、まったく。


 もう君も気付いたと思うけど、「機械の故障で●●がありません」ってのは、スタッフ向けのアナウンスなんだよ。いつもは全部OKだけど今は●●がない。気をつけろ。ってね。でもね、客は頼めるものさえ判ればそれで充分なんだよ。「機械の故障で▲▲のみの販売となっております」ってね。このへんさ、もっと考えてほしいよね。