あなた自信が考える理想のリーダー像は?


 さっそくさ、中竹先生の御本を買ったんだよ。うん、もうね、僕は中竹監督のことを「先生」と呼ぶことにしたんだ。中竹先生の言うことには、いちいち鳥肌が立ってどうしようもないんだよ。


 でさ、この本は基本的に質問形式で進めていくから、お前らはいちいち立ち止まって、考えて読み進めてくれって書いてあるから、そうすることにしたんだ。僕はもう中竹先生の言うことならなんでも聞くよ。

あなた自信が考える理想のリーダー像は?


 テレビドラマやスポーツなんかで見たものからイメージする理想のリーダー像ってのはいくつかぽんぽんと思い浮かぶけど、実際に自分が出会った体験を元にするとなると、3人ばかしのリーダー像が思い浮かんだね。


 で、よくよく考えてみると、3人のうち2人は自分が学生時代の先生なんだよね。てなもんで、「リーダー」と呼ぶにはちょっと違うかもしれないけど、せっかく思い浮かんだからまとめてみるよ。その2人に共通してるのは、「俺が俺が」でとにかく話を強引なまでに事を進めていってくれるタイプだったね。当時はそんな言葉なかったけど、カリスマ性って言うんだろうね、こういうのは。まあ昔風に言えば、根性論もあるかもしれないな。でも、一転ユーモア、笑いがあったな。まあユーモアと呼ぶほどでもない低調なギャグだったのかもしれないけど、アメとムチ的な二面性がイメージとして残ってるな。アメとムチなんて、アフォでもよく知ってる術なわけだが、やっぱ使われる側にしてみればメリハリが効いてわかりやすい部分はあるよね。



 で、もう1人はね、アルバイトと先輩社員という間柄だったわけで、「リーダー」というより親近感のある距離感なんだろうけど、この人が、僕が持つ理想のリーダー像だね。基本的に会話は趣味の話なんかが主で、いろんな体験談やおもしろいエピソードをくれるわけさ。で、僕が大スランプに陥ってるときなんかは、いい感じで気をそらす話を振ってくれるわけだよね。こういうのって、わざわざ別の話を持ち出してくれてるってわかってても嬉しいというか、やる気を起こさせてくれるよね。で、仕事に関しては絶対的な結果を出してた先輩だったから、その背中を見て、僕自身で先輩の技を盗んだ記憶があるね。もちろん2、3のアドバイスや忠告はくれるけど、あとの7、8は俺がやってるのを見とけよ、みたいな。答えは全部教えない、でもまあリラックスしてやろうや、みたいな。ちゃべちゃべと10も20も喋んないんだよ。まあ得てして、どうだどうだ教えてやるよって人は、せっかくのアドバイスも中盤から論点がぼやけてしまうもんだからね。


 僕にとって、ざっくりこの2タイプが理想のリーダー像だね。とてもやりやすかった、というかいろいろ吸収できたんだよ。


 んで、君はどんなリーダー像が思い浮かぶかな。もちろん、実体験から掘り起こしてみてくれよな。


 ちなみに、これは「リーダーに求められる資質とは」と題した章の質問で、そのリーダーの資質とやらを考えようってわけなんだが、さて中竹先生がどう締め括ったかは、君自身が実際に御本を読んで勉強してくれよ。答えは実にシンプルだよ。まじ。



『リーダーシップからフォロワーシップへ』中竹竜二