ユニコーンDVD BOX「勤労ロードショー」感想


 DVD4枚セットで19,800円なんだよね、これ。19,800円。なかなかの値段だよね。で、内容も、4枚中3枚はドキュメントという名のオフショット映像で、残り1枚のライブDVDも以前に発売されてるMOVIE12と同じツアーのセットリスト違いだからね。ちょっと濡れ手に粟な企画過ぎないかと思っちゃうよね。まあ、復活したバンドの商売の仕方ってこういうもんだと思うけどね。だから別段文句はないけどね。



 でね、僕が思ったのはね、僕が中学、高校の頃は、ユニコーンのビデオを1年365日中900回くらい繰り返し繰り返し観てたんだよね。いちいち巻き戻すのに手間も時間もかかるのに何度も観てはそれと同じ数だけ巻き戻して、そんで家に1台しかないテレビを独占して時間が許す限り観るってね。でもね、大人になるとそんな時間も根気も一途さもないんだよね。多分、1回通して観て、もう観ることはないような気がするな。


 というかさ、DVDって、好きなシーンだけを好きなように再生できるし、観終わったあとに巻き戻し作業なんかもいらないし、手軽すぎて「観る」ことの価値までもライトになっちゃった気がするんだよね。だからね、古臭いことを言うようだけど、ちょっとくらい手間ひまかかるビデオの方がもっと楽しんで鑑賞できたのかなと思ったよ。つまりさ、僕が言いたいのはさ、16年の月日が流れ、大人になったことと世の中便利になったことは、共に必ずしも幸福をもたらしたとは言えないってことだよ。覚えておきな。


◆UNICORN.JP