時景の中へ.

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Van Nelle工場

機能美極まれり。というところまでの説明は受けれなかったが。おそらく、機能美といっても、機能の美しさだけでなく、見た目の美しさを含んでいる。それがロッテルダムの街や外側を残した改装に通じているのではないか。


見た目が綺麗じゃなければ意味がない。それは、パブリシティ(外からの目)に対する考えや街の誇りとしての美しさの捉え方が影響して、なにが綺麗なのかを育んだ結果なのだろう。もちろん、アジアンな乱雑さを否定することは考えていないが、街の見た目を紡いで、風景を魅せ、アイデンティティーを保つことが、おらが街に繋がり、地産地消につながり、物と人のローカルな循環に繋がっていく。遠くの憧れを超える楽しさを。
ここまで書いていて思ったのは、日本ならではの、口混みではない人づてではない就職が、遠くの憧れの強さに繋がっているかもしれない。中国の科挙明治維新の主要藩からの登用が国の真ん中で成功を集めることの羨望を生み、参覲交代や鉄道網の発達が中央への距離を縮め、天下御用達や金の偏在が文化の濃度をならしていった。
それでもバスクは天下のチームを倒せる平等な競技が、誇りを育めたのかもしれない。権力と金の前での鬱憤を目の前ではらしてくれる。相撲に郷土力士はいるが帰ってこない、野球は真ん中に寄りすぎた。
おらが誇れるものと目に留め置ける風景を。自分の職場に誇りのもてる建物を。