connect 2 music -30th Anniversary Mix-

TM NETWORKが大好きなFanksの音楽ブログです

#17 Precious / 宇都宮隆

こんにちは。

今日は、ウツの4thアルバム「fragile」から「Precious」です。
前作「easy attraction」が発売から約2年後の'98年4月に「fragile」は発売されました。2年の間、何をしてたかに詳しく触れると今日のネタをかけずに終わりそうなので、やめときますが、理由は「あの3人」の距離がぐっと縮まったからでした。そのあたりは「if you wish...」の回で。

さて、このアルバム「fragile」ですが、前回「あてのない闇」の記事で、自分は発売当時「的外れ」に感じたと書きました。「easy attraction」の感じからすると、もう180度違うといってもいいくらいベクトルが逆です。基本は、生音メイン。ロックなんだけど、歌謡曲っぽいニオイがします。ウツは、たしかさわだけんじさんが好きだったそうですが、そういうちょっと色気のある感じを狙ったのかなあという印象。特に先行シングル「見えない灼熱(こころ)」には強く感じます。そして、なんといっても、アルバムを聴き終えたときの感じが「暗い」んです。いや明るい感じの曲もあるんですけど、それも曇の切れ間からかすかに差し込む陽の光って感じで、全体的にはなんかどんよりした感じ。

パッケージもそんなどんより感を際立たせる感じで印象的でした。初回版のCDのプラケースは、真っ黒で、シールになったジャケット写真がプラケースを覆ってるというものでした。しかもそのジャケット写真がまたすごい。壁際に立ったウツめがけて黒のペンキをぶちまけたかのような絵です。こんな感じ↓

fragile

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で、「fragile」の作曲陣のメインは、NOBODYでした。自分は「NOBODY?だれそれ??」でした。しかし、後年、ネットで調べてびっくり。アン・ルイス「六本木心中」や吉川晃司の「モニカ」など昭和生まれならファンでなくとも知ってる名曲を作った方々だったからです。詳しくはこちら。歌謡曲っぽいロックな感じを受けた理由がこのときわかりました。

旧友たちとの「easy attraction」、そして小室さんの「discovery」、「if you wish...」と続いた後、きっとウツは、ヴォーカリストとしての今後の方向性をかなり悩んだんじゃないでしょうか。自分のことをよく知る人たちの歌を歌い続けるのか、それとももっと別の世界に踏み込んでいくべきか。そして、ウツはその両方を選んだってわけですね。

「fragile」は、セールス的にはいまいちなのかな。ファンの中でもこれが1番好きって方はマイナー組かも(好きな方すいません)。でも、このアルバムがあって、後の「TEN to TEN」「wantok」「OVERTONE」そして、U_WAVEにつながってるような気がします。「fragile」だけだときついけど、ウツの長いソロワークの中では存在価値があるアルバムと思います。

閑話休題「Precious」です。たぶんファンでも思い出すのに時間がかかるんじゃないでしょうか。今回自分の挙げたウツ版「BLUE」の曲の中でもマイナー度は1位といってもいいかも。マイナーゆえ、動画もありません。レンタルも厳しいでしょうから、、、中古でどうぞ。

作詞は、牧穂エミさん。あの「少年」の作詞家さんです。「fragile」では10曲中7曲も作詞されています。同じ女性の作詞家でも小室みつ子さんとかとはまた全然違った世界観というか。心の内をさらけ出す感じっていうんでしょうか。切ない感じ。さらっと聴けない理由はこのへんにもありそう。はまる人ははまるかもしれません。

作曲は、NOBODYでなく、朝井泰生さんという方ですが、すいません、よく知りません。でもアルバムのカラーからは逸脱してなく、ブルーな感じにまとまってます。

次回は、ちょっとウツ版「BLUE」はお休みして、特別編。期待のニューカマー、Purple DaysSERENDIPITYを取り上げます。